販売手数料0で、しかも非課税で運用できる「つみたてNISA」。つみたてNISAを上手に使うとより高い効果が得られますが、仕組みをしっかり理解しないと、知らないうちに損してしまっているかもしれません。つみたてNISAのデメリットもきちんと把握し、上手な活用方法を確認しましょう。

つみたてNISAのデメリット3つ

(写真=vovan/Shutterstock.com)

投資信託は元本保証ではない

つみたてNISAは投資でありリスクがあります。銀行預金のように元本が保証されていません。もちろんリスクがある分リターンの可能性があるのですが、大前提として絶対に利益が出るわけではないということは覚えておきましょう。

非課税のまま投資した銘柄を変えられない

つみたてNISAでは「スイッチング(投資した商品を売却し、別の商品を買うこと)」に制限があります。つみたてNISAで投資した商品は、途中で売却しない限り20年間非課税期間が続きます。2020年に投資したのなら2039年まで非課税で運用できます。途中で売却してしまうと、そこで非課税期間が終了してしまうので注意しましょう。

スイッチングしたい年に40万円の非課税投資枠が残っていれば、その枠を使ってスイッチングできます。ただし積み立て投資に限定されているので一度にスイッチングできない点、また非課税投資枠は売却しても復活しない点には注意しましょう。

つみたてNISAの損は通算できない

通常の課税口座であれば、複数の投資商品の損益を通算して税金を計算してくれます。たとえば、A商品で1万円利益が出ても、B商品で1万円損すればプラスマイナス0で税金0となります。

このB商品をつみたてNISAで投資していた場合、損益通算ができません。本来はプラスマイナス0にも関わらず、A商品の1万円の利益に課税されてしまうのです。

つみたてNISAで損している3つの使い方

(写真=Gearstd/Shutterstock.com)

つみたてNISAのデメリットは、つみたてNISAの使い方によっても変わってきます。損な使い方をしないよう、確認しておきましょう。

すぐに解約してしまう

つみたてNISAはスイッチングの制限があり、非課税期間をフル活用できなくなります。また、長期間運用することでリスクが下がる効果もあるため、すぐに解約してしまうのはおすすめしません。

アクティブファンドを選んでいる

つみたてNISAでは、信託報酬(商品を持っているときのコスト)が安い「インデックスファンド」と比較的高い「アクティブファンド」から商品を選びます。

インデックスファンドは平均的な運用を目指す商品です。運用会社の労力・コストが安く、信託報酬も低く設定されています。アクティブファンドは平均を超えることを目指す商品で、信託報酬が比較的高く設定されています。

長期投資において、コストの差は大きく影響してきます。20年間の非課税期間をフル活用する場合、信託報酬が1年間で1%違えば20%もの差になります。つみたてNISAではアクティブファンドでない方がいいでしょう。

リスクの低すぎる銘柄を選んでいる

つみたてNISAは一括投資ではなく、ちょっとずつ買っていく「積み立て投資」に限定されています。積み立て投資自体にリスクが低くなる効果があり、さらに商品でもリスクを下げるとリターンがかなり犠牲になる可能性があります。

リスクとリターンは一般的に比例関係にあります。もちろんどれくらいリスクを取るかは人それぞれですが、リターンを得るためにはある程度リスクを取ることも必要です。

つみたてNISAで損しない使い方

(写真=Yulia Grigoryeva/Shutterstock.com)

積み立てを継続する

つみたてNISAの非課税期間をフル活用するため、また長期投資でリスクが下がる効果を得るため、できるだけ積み立てを継続することをおすすめします。一時的に損していても、長い目で見てあげる姿勢が大切です。

インデックスファンドを選択する

長期投資ではコストの差が大きく影響しますので、手数料が比較的安いインデックスファンドを選びましょう。

株式を少しは組み込む

つみたてNISA対象商品のうち、株式に投資する商品の例
バランス型 DCニッセイワールドセレクトファンド
eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)
株式100% eMSXIS Slim 米国株式(S&P500)
SBI・先進国株式インデックスファンド

商品のリスクは、一般的に株式の比率が高いと大きくなります。積み立て投資のリスク低減効果を考えれば、少しは株式に投資する商品がおすすめです。

株式のほか、比較的リスクが低い債券など複数の資産に投資する商品を「バランス型」といいます。株式の比率はバランス型商品によって違いますので事前に確認しましょう。

つみたてNISAおすすめの金融機関

(写真=Nazar Skladanyi/Shutterstock.com)

つみたてNISAは金融機関によって取り組みに差があるため、どこで行うかも大切です。お得でおすすめの金融機関をご紹介します。

楽天証券+楽天カード決済でポイント獲得

楽天証券ではつみたてNISAの決済に楽天カードが利用でき、投資額の1%分の楽天ポイントがもらえます。投資した後も、投資信託の残高に応じ楽天ポイントがもらえるのでお得ですよ。

SBI証券ならTポイントがもらえる

SBI証券は、投資信託の残高に応じてTポイントがもらえるサービスを提供しています。Tポイントをメインに利用している方はSBI証券の方がいいでしょう。

相談するなら対面式の金融機関を

楽天証券とSBI証券は、どちらもつみたてNISA対象銘柄を150銘柄以上用意しています。しかし、両社はネット証券で、投資相談ができません。

相談しながら利用したいなら対面式の金融機関を選びましょう。つみたてNISAの取扱い数はネット証券より少ない傾向にありますが、相談しながら利用することができます。

つみたてNISAは損しないよう賢く利用

つみたてNISAは、途中で止めてしまわずできるだけ長期に継続利用し、かつコストが低いインデックスファンドを選ぶのが基本です。ポイントがもらえる金融機関を利用するとよりお得でしょう。上手に賢く活用すれば、きっと資産運用の強い味方になってくれるはずですよ。

文・若山卓也(ファイナンシャルプランナー)

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