(2020年12月8日、DAILY ANDSの記事に一部加筆してお届けします)
商品券や化粧品、アミューズメントパークの割引券など、魅力たっぷりの株主優待。実は 「超ローリスクでゲット」することができることをご存じですか? 実は取引の仕方次第で、おトクに株主優待をもらうことができちゃうんです。ぜひ覚えておきたい、そのテクニックをご紹介します。
株主優待「だけ」をもらう方法
株式を保有していないのに、株主優待だけをもらうことってどういうことなのでしょうか?「もしかして金券ショップで株主優待券を購入すること…?」なんて思っている人もいるかもしれませんが、そうではありません。取引の仕方で株主優待だけを超ローリスクでゲットすることができるんです。それが 「クロス取引」というテクニック です。
クロス取引とは?
クロス取引とは、 株式を「現物買い」と「一般信用売り」を同時に行うテクニック のこと。簡単に言うと、株を「買う」のと同時に「売る」ということです。つまり、 株価が上がったとしても下がったとしても、自分の損益はプラスマイナスゼロ。リスクを一切負うことなく、手数料のみで株主優待をゲットすることができる んです。
ちなみに「信用取引」というのは、現金や株式を担保として証券会社に預けることで、その担保の3倍の取引が可能となります(※ただし、証券会社によって異なります)。
クロス取引のプロセス
クロス取引をする手順は下記の通りです。
- 株主優待の権利付最終日の市場が開く前に「現物買い」注文と「信用売り」注文を同時に「成行」発注します(「成行」とは、値段を指定せずに発注すること)。2つの「成行」注文を同時に発注することで、原則として「買い」と「売り」が同時に約定(発注が決まること)されます。約定後に株価がどう動いても、買いと売りで損益は相殺され、株価下落のリスクを負うことなく株主優待をゲットできるという仕組みです。
- 権利付最終日が終了するまで継続して株を保有 します。
- 権利付最終日の 翌日以降に未決済となっている一般信用売りの建玉を現渡(品渡)にして決済 します。
株主優待を超ローリスクでゲットする際のリスクは?
株主優待を超ローリスクでゲットするクロス取引は、株価の価格変動のリスクはありませんが、手数料などのコストが掛かるので注意が必要です。
なかでも 特に注意が必要なのは、信用取引をすることで逆日歩(ぎゃくひふ)の手数料 が掛かるということ。逆日歩とは、市場で空売りが多くなり、証券金融会社が株不足となった場合、証券金融会社が、銀行や保険会社などの機関投資家から株式を借りる手数料のことで、手数料の単価に株数を乗じ、日数分の手数料が計算されます。
ただし、信用取引には「制度信用取引」と「一般信用取引」とがあり、 「一般信用取引」では「逆日歩」は掛かりません 。初心者は「一般信用取引」をおすすめします。
例えば、SBI証券で「一般信用取引」でクロス取引を行った場合、40万円分の取引を例にかかる費用は558円となります。
▼SBI証券で40万円分のクロス取引を行った場合
現物買い手数料:275円
信用新規建て売り手数料:198円
信用新規建て売り貸株料:185円
現渡し手数料:0円
手数料合計:558円
クロス取引を行う場合、手数料を上回るだけの優待のメリットがあるかどうかをよく見極めて行うようにしましょう。
株主優待を超ローリスクでゲットできる証券会社4選
一般信用取引の売りを行っている証券会社は限られています。一部、ご紹介します。
- SBI証券
・楽天証券
・松井証券
・マネックス証券
SBI証券:充実したサービスに定評
株式手数料 ※1取引ごと |
投信の取扱い | 非課税制度 | 外国株 |
・最低:55円 ・最高:1,070円 |
・2,648本 販売手数料無料 |
・一般NISA ・つみたてNISA ・iDeCo |
9カ国 (米国、中国など) |
【おすすめポイント】
・投資信託の取り扱いが豊富
- 非課税制度は3つすべて用意
- 外国株式は10社で最多の9ヵ国
- 株式は1日100万円までなら無料で取引できる(アクティブプラン)
※100万円未満の取引でも、いったん手数料が取られ、翌日返還される
SBI証券は豊富な投資信託取り扱いに充実したサービス内容、また100万円までなら無料で株取引できる定額プランがあります。
株式手数料については、基本のプラン(スタンダードプラン)に加え、1日100万円までなら無料で取引できる定額プラン(アクティブプラン)の用意もあります。
投資初心者は、まずSBI証券に口座を作ることを検討してみてはいかがでしょう。
楽天証券:投信の取り扱い数No.1 楽天ポイントも魅力
株式手数料 ※1取引ごと |
投信の取扱い | 非課税制度 | 外国株 |
・最低:55円 ・最高:1,070円 |
・2,667本 販売手数料無料 |
・一般NISA ・つみたてNISA ・iDeCo |
6カ国 (米国、中国など) |
【おすすめポイント】
・投資信託の取り扱いはネット証券最多水準
- 非課税制度は3つすべて用意
- 株式は1日50万円までなら無料で取引できる(いちにち定額コース)
- 投資信託を楽天カードで購入できるなど、楽天ポイントが貯まりやすい
楽天証券は投資信託の取り扱い数が豊富。株式も、1日50万円までなら無料で取引ができます。充実したサービス内容といえるでしょう。
楽天証券の大きな魅力は、投資信託の積立に「楽天カード」が利用でき、買い付け金額の1%分の楽天ポイントが貯まることです。投資信託の手数料はすべて無料ですから、ポイント分がお得になります。
ほかにも「資産形成ポイント」という、50万円以上の投資信託を保有している人を対象にしたポイント還元サービスが用意されているなど、特に楽天ユーザーには多くのメリットがあります。
松井証券:50万円までの株取引ならいつでも無料
株式手数料 ※定額プラン |
投信の取扱い | 非課税制度 | 外国株 |
・最低:0円 ・最高:10万1,000円 |
・1,254本 ・販売手数料無料 |
・一般NISA ・つみたてNISA ・iDeCo |
なし |
【おすすめポイント】
・株式は1日50万円までなら無料で取引できる
- 投資信託の取り扱いは充分豊富
- 非課税制度は3つすべて用意
松井証券の株式手数料は定額プランのみで、1日の取引金額で手数料が決定します。1日50万円までの株式取引には手数料がかかりません。
SBI証券や楽天証券にも同様に50万円までは無料になる定額プランがありますが、どちらも設定を変更しないといけません。 松井証券は変更せずとも無料になるので、設定が苦手な方にはおすすめ です。
マネックス証券:総合力高いオールラウンダー
株式手数料 ※1取引ごと |
投信の取扱い | 非課税制度 | 外国株 |
・最低:110円 ・最高:上限なし円 |
・1,172本 販売手数料無料 |
・一般NISA ・つみたてNISA ・iDeCo |
2カ国 (米国、中国) |
【おすすめポイント】
・投資信託の取り扱いは充分豊富
- 非課税制度は3つすべて用意
- IPOの公平な抽選
マネックス証券は大手らしい商品力を備えたネット証券です。1,000本以上の投資信託と3つの非課税制度を用意し、外国株にも対応しています。
また、マネックス証券の特徴の1つに 「IPO(新規公開株式)」の公平な抽選 があります。IPOの配分は人気がある一方「不公正な配分が行われているのでは」という指摘が以前からありました。
マネックス証券のIPO配分はコンピューターによる無作為な抽選で、人間の恣意が関与しません。IPO投資を狙う方はマネックス証券でも口座を作ってみてはいかがでしょうか。
取り扱い銘柄が各社違いますので、お目当ての銘柄の株主優待をゲットするには、各社の口座を持っておくとよいでしょう。楽しく株式投資をする第一歩として、株主優待の超ローリスクでゲット……してみませんか?
(提供=DAILY ANDS)