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2020/08/07

つみたてNISAが投資未経験の人にもおすすめな理由とは

(写真=PIXTA)
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最近はNISA、つみたてNISA、そしてiDeCoなど、資産運用に関してさまざまな制度の名前を聞きますが、これらはある程度投資に詳しい人が利用するもので自分には関係ないと思っている人もいるのではないでしょうか。しかし、これらの制度、中でもつみたてNISAはこれから投資をはじめてみたいと考える人にとってもおすすめの制度なので、その内容をご紹介します。

つみたてNISAとは

(写真=PIXTA)

少額をコツコツ投資するための制度

つみたてNISAとは、お金をコツコツ投資商品に積み立てることで資産を運用していきたい方をサポートするための非課税制度です。日本に住んでいる方なら20歳以上であれば誰でも利用することができます。

投資というと何十万、何百万というお金で株や投資信託を買うイメージがあるかもしれませんが、銀行の積立預金のように毎月数千円(金融機関によっては100円)から投資商品に積み立てることもできます。つみたてNISAとは、この投資の「積み立て」を支援する制度なのです。

口座は1人1口座しか持てない

みなさんが株や投資信託などで投資を始める時は証券会社に口座を開設する必要がありますが、2019年12月時点で投資のために開設できる口座は、主に一般口座、特定口座、iDeCo口座、NISA口座(一般NISA口座とも言う)、そしてつみたてNISA口座です。

まず、一般口座と特定口座は昔からある証券口座で、特に税金の面で恩恵を受けることはありませんが、この2種類の口座は1人で複数持つことができます。

次に、iDeCo口座。iDeCoは個人型確定拠出年金とも呼ばれ、主に老後資金の準備を応援するための制度ですが、この口座はさまざまな税金の優遇が受けられる代わりに、1人1口座しか持つことができません。例えば、A証券でiDeCo口座を開設したけど、サービスとか手数料を比較した時、やっぱりB証券の方がいいなと思っても、まずA証券のiDeCo口座を解約しなければB口座でiDeCo口座を持つことができません。

最後にNISA口座とつみたてNISA口座ですが、iDeCo口座と同じように1人1口座しか持つことができない上、この2つの口座を同時に持つこともできません。iDeCo口座とNISA口座、iDeCo口座とつみたてNISA口座は同時に持てますが、NISAとつみたてNISA口座はどちらかを選ばなければならないことには注意しておきましょう。

つみたてNISAが投資未経験者におすすめな点

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運用益が非課税

昔からある特定口座や一般口座でももちろん投資はできますが、それらと一緒につみたてNISA口座を開設して、つみたてNISAだけで投資をすることもできます。実際、投資未経験者の方はつみたてNISA口座でまず投資をはじめてみるのもおすすめです。その理由の1つは、つみたてNISA口座では運用益が非課税になるからです。

投資をすると利益が出たり分配金がもらえたりします。普通、それらの利益には20.315%の税金がかかりますが、つみたてNISAで運用した場合その税金が非課税になります。例えば、200万円の資金を運用して300万円になった場合、特定口座や一般口座であれば100万円の利益の20.315%、20万3,150円の税金がかかり、実際受け取れる利益は79万6,850円ですが、つみたてNISAの場合は利益に税金がかからないので、100万円そのまま受け取れるということです。

投資の方法が積み立て方式

つみたてNISAはその名前の通り、投資方法が積み立て方式に限定されています。具体的には毎年40万円まで積み立てることが可能で、最大20年間非課税で運用することができます。それでは、なぜ積み立て方式が初心者に安心なのでしょうか。

1つ目の理由は、投資のタイミングをいろいろと考えなくていいことです。投資というと、安い時に商品を買って、高い時に売ると得をする、というのはなんとなくご存知だと思いますが、安い時に買うためには経済の動向に目を光らせたり、チャートとにらめっこしたりと時間も手間もかかります。

また、運悪くある商品を大金で買った直後に不況になると、大きく損をしたりしばらくその商品を売れなかったりします。その点、積み立て方式ならタイミングを考えることはありません。ただコツコツ積み立てていくだけです。

2つ目の理由は、長期的に毎月コツコツ積み立てることでリスクを減らせます。例えば、毎月2万円で商品Aを3ヵ月買い続ける場合を考えましょう。商品Aの値段は、1ヵ月目が1口1,000円、2ヵ月目に1口500円まで下がり、3ヵ月目は1口2,000円に、4ヵ月後売る時点では1,000円に戻っていたとします。ちょうど初めの値段(1,000円)の半分に下がって、倍に上がって、元に戻るという動きをしたということです。

この場合、2万円で買える口数は、

    1ヵ月目・・・2万円÷1,000円/口=20口
    2ヵ月目・・・2万円÷  500円/口=40口
    3ヵ月目・・・2万円÷2,000円/口=10口

となり、この3ヵ月で購入した商品Aの口数は合計70口になります。4ヵ月後に初めの値段と同じ1口1,000円で売ると、その金額は7万円になり、投資に積み立てた6万円(2万円×3ヵ月分)より増えていることがわかるでしょうか。

値段が半分に下がって倍に上がって元に戻るなら、得も損もしなさそうですが、なぜこのようなことが起こったのでしょう。答えは、2ヵ月目と3ヵ月目に買った口数にあります。

2ヵ月目は商品Aの値段が下がって損をしているように見えますが、2万円で商品Aを前月の2倍買っています。逆に、商品Aの値段が上がった時は購入口数が下がります。つまり、「値段が高い時は買い控え、安い時にまとめて買う」という行動が自動的にできているので、結果的に商品Aの平均購入価格が下がり、元の値段1,000円で売った時に利益ができたのです。

もちろん、売る時になって商品の価格が大幅に下がってしまっていれば、いくら平均的に安く買っていても損をするかもしれません。しかし、非課税期間は20年と長い間確保されていますし、商品の値段が一時的に下がっても、今はまとめ買いをしている期間と考えることができれば、商品の値段に一喜一憂することなく投資を続けることができるのではないでしょうか。

金融庁が商品を厳選している

最近では日本でも「貯金から投資へ」の運用が推奨されていますが、つみたてNISAの商品は金融庁が長期の資産形成に適したものを厳選しています。例えば、日本には2019年10月現在、公募株式投資信託が約6,000本ありますが、つみたてNISAで取り扱える投資信託はわずか166本です。これらの投資信託はどのような特徴を持っているのでしょうか。

つみたてNISAの商品の特徴

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つみたてNISAの投資対象商品のうち、公募株式投資信託が選ばれる主な基準は次のようになっています。
  1. 販売手数料がゼロ
  2. 信託報酬は一定水準以下
  3. 信託契約期間が無期限または20年以上であること
  4. 分配頻度が毎月でないこと
1の販売手数料がゼロと2の信託報酬が一定水準以下というのは、商品を買う時や運用するときに、金融機関に払う手数料が高いものはそもそも選ばれていないということです。3の信託契約期間は、その投資信託の運用を開始する日から終了する日までが20年以上という条件で、つみたてNISAの20年の非課税期間中に運用が勝手に終わらないようにするため制限が設けられています。

最後、4の分配頻度が毎月ではないという条件はどうでしょう。毎月分配が出た方がお得では?と思う方もいるかもしれません。しかし、長期で運用するなら分配が出ない方が資産は増えるのです。理由は複利の効果が働くからです。

例えば、毎年10%の利息がつく商品Bを1万円分持っていたとしましょう。そのままにしておくと、1年後には1,000円の利息がついて1万1,000円に、2年目には1万1,000円の10%、つまり1,100円の利息となり1万2,100円に、3年目には1万3,310円……というように、利子に利子がついて増えていきます。これが複利の効果です。

しかし、毎回分配金として配られるとどうなるでしょう。1年目に1,000円の利息がついたけど、分配金で手元に配られ、商品Bは1万円分のまま。2年目にもまた1,000円分配金が配られると、商品Bは1,000円で変わらず、と複利の効果が生かせなくなります。

このように、つみたてNISAの商品は、制度を利用する人が安心して投資できるようにさまざまな条件で厳選されているのです。

つみたてNISAはどこの証券会社で始めるのがお得か

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ポイントは商品数と最低積立額、そしてサービス

これまで紹介したように、つみたてNISAは投資をしたことがない人にもおすすめの制度ですが、つみたてNISA口座は1人1口座しか持てないので、実際に始める時はどこで口座を開くかは慎重に選ぶようにしましょう。

つみたてNISAは商品の販売手数料が無いものに限られているので、手数料の面では金融機関ごとに差はありません。なので、口座を選ぶ時には商品数と最低積立額、サービスが重要になります。

ネット証券は商品も多く少額から始められる

今は投資に詳しくない人でも、今後投資の勉強をして知識が増えるといろいろなタイプの商品を取引したくなるかもしれません。手数料に差がないつみたてNISAだからこそ、取扱商品の数が多い証券会社を選びましょう。また、最低いくらから積み立てができるのかも金融機関ごとに変わるので確認しておきたいところです。

最近ではこの商品数と最低積立額の2点から、ネット証券を利用する人が多いようです。例えば、取扱商品の数では、ネット証券大手のSBI証券は153本、楽天証券152本、マネックス証券149本となっており、大手証券会社の大和証券20本、野村証券6本、大手銀行のみずほ銀行5本、三菱UFJ銀行12本と比べると差は歴然です。また、上記で紹介しているネット証券では100円から手軽に積み立てができる点もポイントです。

ただし、馴染みのある銀行で実際に相談しながら運用をしたいという人もいるでしょう。そういうサービス重視の方は実店舗がある近くの金融機関で口座を開設するのもよいでしょう。

つみたてNISAはこれから投資を始めたい人にもおすすめ

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つみたてNISAは税金面で優遇があり、商品が長期の資産運用に適したものに厳選されているので、これから投資をはじめたいと思っている人が最初に始める制度としてもおすすめです。投資もやったことがない自分には関係ないと思わずに、ぜひこの制度を調べて利用してみてください。

文・松岡紀史(ファイナンシャル・プランナー、ライツワードFP事務所

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