さまざまなハラスメントが社会問題として話題になっている今、自分が被害にあった時、だれに相談すればいいのか、どこからがハラスメントと呼ばれるのかがわからず頭を悩ませている方も多いようです。そんなお悩みに弁護士、齋藤健博さんがお答え。今回は、コロナを理由にプライベートにまで制限がかけられてしまった女性からの相談です。

Q. 「コロナ対策」としてプライベートを制限するルールが設けられたのですが…

私の働いている会社では、コロナ対策のひとつとして、プライベートで「自分+2名以上との外出は禁止」、「食事は30分以内に終わらせる」などの決まりができました。

もちろん出社しているときもこのルールは適用されているのですが、まさかプライベートでもこのようなルールが適用されるとは思っていませんでした。もちろんプライベートに関する注意は自分で行うつもりでありましたが、会社のルールとしてプライベートにまで制限をかけるのは可能なのでしょうか?(ako/29歳/事務)

A. ルールや規律に「根拠」を求めて!

akoさんの会社のルールによると、コロナを根拠としてプライベートで「自分+2名以上との外出は禁止」、「食事は30分以内に終わらせる」などの決まりができたとのことで、このルールや規律は、どんな根拠を持っているのかが重要になります。

これが事実上のお達しのようなものなのか、明確に就業規則に入ったルールなのかによって、扱いが全然異なってくるのです。とはいえ、コロナを根拠とされると一定の正当性を持っているかのように思えてしまうでしょうが、これはプライベートを侵襲する過度な制約でしょう。勤務時間外にまで、このような制約を課す合理的理由を会社側が説明するのは困難でしょうし、これを根拠に不利益な処分などをするのは困難でしょう。