「起業家や個人事業主を目指しているけれど、資金繰りが上手くいきそうにない……」なんて人はいませんか?そんな人は、諦めてしまう前に「助成金」や「補助金」の制度を探してみてはいかがでしょうか。世の中には意外と多くの支援制度が存在しているものです。そこで今回は、これから事業をはじめようと考えている人に向けて助成金について紹介します。

「助成金」や「補助金」は基本的に返済不要

新しく事業をはじめようとしている人にとって、最初に壁となるのは“開業資金”ではないでしょうか。

日本政策金融公庫が公開している2019年度の新規開業実態調査によると、開業費用の平均値は1,055万円にものぼります。これはすぐに用意できる金額ではありませんよね。もちろん事業内容によって必要な費用は異なり、店舗・オフィスや設備を必要としない個人事業主として開業する場合は0~数十万円程度で済むこともあります。

ただいずれにしても資金面で困っているようであれば、国や地方自治体、民間の団体などが実施している「助成金」や「補助金」を活用してみるのもひとつの手段です。金融機関の融資は返済する必要がありますが、国や自治体の助成金・補助金であれば基本的には返済の必要がありません。

起業時だけでなく、起業後にも活用できそうな助成金も多くあります。起業時や起業後のスムーズな事業展開に役立つ助成金や補助金には、具体的にどのようなものがあるでしょうか。

東京都で起業を計画している人は必見!「TOKYO創業ステーション」

公益財団法人「東京都中小企業振興公社」が運営する「TOKYO創業ステーション」では、

  • 都内で創業を計画している個人
  • 創業5年未満の中小企業 に向けた創業助成事業を行っています。助成金の交付が決定されれば、賃貸料や広告費などの経費を対象に、100万~300万円が支払われます。

    そのほかにも起業に関する相談を受け付けていたり、「TOKYO起業塾」や「女性起業ゼミ」「ワンポイントセミナー」などイベントやセミナーの開催をしていたり。事業をはじめる前にさまざまな不安点を解消することに役立つのが「TOKYO創業ステーション」です。東京で起業するなら、ぜひ活用してみたいですね。

    都内のセミナーや助成事業をより幅広く探したい場合には、あわせて東京都産業労働局が運営する「東京都創業NET」というポータルサイトも確認しておきましょう。

    研究開発へ向けた助成「三菱UFJ技術育成財団」

    公益財団法人「三菱UFJ技術育成財団」が主に行っているのは、研究開発型ベンチャーへの支援。「“技術の卵”を大切にしたい」という言葉を掲げ、新しい技術や製品の開発を支えています。

    基本的には設立・新規事業進出後5年以内の中小企業や個人事業主に向けて、「1プロジェクトにつき300万円以内かつ研究開発対象費用の2分の1」の金額を「研究開発助成金」として交付しています。

    同助成金は、

  • 新規性のある技術
  • 原則2年以内に事業化の可能性があるもの が対象です。

    過去の助成対象を見てみると、たとえば「スマホの受付システム」や「不妊症の検査薬」、「壊れないギアの研究開発」などさまざまな研究や開発プロジェクトが並んでいます。まさに未来ある“技術の卵”への支援といえるでしょう。