子供の将来のための資金源として、学資保険や定期預金以外の第3の選択肢として考えている家庭も多いジュニアNISA。2016年から2023年までの8年間限定で利用できる非課税投資口座のことで、口座を開設できるのは、日本在住の0歳から19歳までの子供たちである。

ジュニアNISAは、預けたらそれきりの学資保険や定期預金と異なりリスクが伴うが、インフレなどの経済状況に伴う通貨価値の目減りを避けることができる。

口座開設可能なのは19歳までの日本在住者 海外移住するなら口座は廃止

ジュニアNISAの口座開設が可能なのは、0歳から19歳までの日本在住者だ。日本在住者に限られるので、海外在住者はジュニアNISA口座を開設することはできず、ジュニアNISA口座を持っている状態で海外に居住することになった場合は、口座廃止手続きが必要になる。

ジュニアNISAの口座名義人は未成年者なので、実際の運用者は口座名義人の2親等以内の親族だ。2親等以内の親族とは、口座名義人の父母・祖父母・父母の兄弟(叔父・叔母)である。ジュニアNISAは、投資によって資産運用をしていくので、資産運用者が未成年の代わりに運用を行うことになる。もちろん、未成年者がある程度の年齢になった段階で運用に関する意見を聞くことは差し支えない。

ジュニアNISAの運用資金は、開設者本人の資金で行うことになっている。しかし、子供への投資として運用者の資金で運用する場合が大半だろう。贈与税が気にかかるところだが、贈与税は贈与される側が1年間にもらった財産が110万円以下であるならばかからず、申告も不要だ。ジュニアNISAの非課税投資枠は1年間に80万円なので、心配する必要はないだろう。

ジュニアNISAの非課税投資枠は80万円/年

次に、ジュニアNISAの非課税投資枠だ。ジュニアNISAもNISAと同じように、非課税投資枠内に収まる金額であれば、利益が非課税になる。この金額は1年あたり80万円だ。

注意しておきたいのは、ジュニアNISA口座内の分配金を使用し、再投資を行う場合も80万円の枠が消費されることだ。つまり、1年あたりの投資可能額は、非課税枠の80万円からジュニアNISA口座預かりでの買い付け金額を引き、さらに未約定注文の取引金額を差し引いたものになる。

具体的に例をあげると、ジュニアNISA口座預かりの買い付け金額が10万円、未約定注文の取引金額が15万円あるとすれば「80万円−10万円−15万円=55万円」だ。

口座開設1年目は気にする必要はないかもしれないが、2年目以降は注意しておきたい。

ちなみに、ジュニアNISA口座内で購入した株式を年度途中で売却した場合も、売却して空いた部分を非課税枠として再利用することはできない。

非課税枠の未使用分は次年度へ持ち越しできない

ジュニアNISAの非課税枠は使い切りであり、次年度への持ち越しはできない。初年度に非課税枠が20万円分残っていたとしても、次年度には繰越が効かないので、年度ごとに使い切ってしまったほうがお得だろう。