貯める&備える
2020/04/30

保険の見直し、後悔しないために押さえておきたいポイント3つ

(写真=aijiro/Shutterstock.com)
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「家計を見直そう」と思い立った時、金額の高い保険料は最も気になる項目ではないでしょうか。「知り合いに勧められたから」「周りの人が入っているから」と何となく加入した人は、無駄な保険料を払っているかもしれません。
  保険は、大きく分けて「学資保険」や「個人年金保険」など貯蓄を目的としたものと、「死亡保険」や「医療保険」など万一に備えるものがあります。貯蓄は他の金融商品(預金や投資信託)でも準備できますが、万一の際の備えは必要保障額が大きいため、保険で準備する必要があります。よって、より慎重に見直すべきです。

万一に備える保険を見直す際は、まずは自分にとって必要な保険種類を見極めて、必要な保障期間を設定することが大切です。また無駄な保障をつけないため、公的保障の内容も知っておくべきです。

もちろん、保険にお金をかけすぎて日々の生活が苦しくなっては本末転倒なので、月々の支出の中で保険料をどの程度にすべきかをあらかじめ考えておく必要があります。

今回は、保険の見直しで特に大切な3つのポイントについて、詳しく解説します。

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必要な保険種類と保険期間を整理しよう

その保険は誰のため?

保険は、自分に万一のことがあった時に残された家族の生活を守ったり、病気やケガなどで入院が長引いた時の治療費に充てたりするなど、何らかの目的があって加入するものですよね。

しかし、中には保険に加入する目的があいまいな人もいます。例えば独身の人や、共働きでまだ子どもがおらず、それぞれが自立できる程度の収入がある夫婦の場合、大きな保障額は誰のためにあるのでしょうか。

独身の人は、保険金の受取人を両親にしておいて、いずれ結婚した時に配偶者に変更しようと考えているかもしれません。しかし、今自分に万一のことがあっても両親が生活できなくなるようなことがないなら、結婚した時に改めて配偶者のために加入するほうが、現在支払っている保険料を他のことに使えます。

また、共働きの夫婦の一方が亡くなったとしても、残された配偶者が生活できなくなることはないでしょう。残された家族にお金を残したい気持ちはわかりますが、そのお金は必ず必要なものではありません。それならば、保険料を支払う代わりに2人の将来のために貯金しておくほうが、さまざまな用途に使えます。

必要な保険に入っていないのは問題ですが、必要のない保険に入る必要はありません。「いつか必要になるかもしれないから」という理由で保険に入るのではなく、今必要な保障だけを準備しましょう。そのためには、ライフステージの変化に合わせて保険を見直すことが大切です。

ライフステージの変化に合わせた保険に適切なタイミングで加入する

(写真=Inspiring/Shutterstock.com)

保険は「一度よく考えて加入すれば、その後は放っておいてもいい」というものではありません。必要な時に必要な保障が受けらえるように、定期的に見直しをする必要があります。特に、ライフスタイルが大きく変わる以下のタイミングでは、必ず保険を見直すようにしてください。
 
保険を見直す
タイミング
ポイント
結婚 独身時代と違って、結婚すると「家計」をより意識することになります。
相手に対する責任も生まれ、稼いだお金を自分1人で使うわけにはいかず、
長期的にお金の管理をする必要があります。
特に一方が専業主婦(夫)になる場合、
働いているほうに万一のことがあった時の備えはとても重要です。
残された家族が安心して生活できるよう、特に死亡保険の見直し
(または新規加入)を検討しましょう。
出産 子どもが生まれると、親としての責任や義務が生じます。
子どもが自立するまで精神的に支えるのはもちろんですが、
経済的にも生活費や教育費などを用意しなければなりません。
出産によってどちらかが仕事を離れたり、働く時間を短くしたりする
家庭もあると思いますが、その場合は子どもの生活費・教育費に加え、
配偶者の生活費の保障も考える必要があります。
また、保険は万一の備えですが、万一のことが
起こらなかった時の貯蓄はそれ以上に大切です。
このように、子どもの誕生はライフプランを考える上で
最も大きなイベントと言えるかもしれません。
マイホーム
取得
マイホーム取得のために住宅ローンを組むと、ローンを組んだ人に
万一のことがあった時に以降のローンを肩代わりしてくれる
「団体信用生命保険」への加入が義務付けられています。
これにより、世帯主に万一のことがあった場合はローンが免除されますが、
家族が住む住宅は残ります。
住居費がなくなることを考えると、死亡保険に求められる
保障額は大きく減ることになるでしょう。
転職・
起業・独立
世帯収入が大きく変わる時は、保険の見直しをしましょう。
転職して収入が変わる場合はもちろん、配偶者の離職・復職といった
タイミングでも生活に必要な金額は変わってきます。
また、起業・独立する場合はより慎重に保険を見直す必要があります。
というのも、会社員が起業する場合、公的保険の種類が変わるため、
万一のことがあった時に支給される遺族年金も少なくなるからです。
自営業の人が加入する国民健康保険に関しても、病気やケガが長引いた場合に
生活費を保障してくれる「傷病手当金」などが支給されないため、
それに代わる医療保険などを検討する必要があります。
離婚 結婚が保険を見直すタイミングであるのと同様に、
離婚も保険を見直す機会になります。
家族構成の変化に伴い、必要保障額が変わることもありますが、
一方しか働いていなくても婚姻関係にある時の収入は
「2人で稼いだもの」と見なされるので、
財産分与の観点でも保険を見直す必要があります。
これまで加入していた保険の被保険者や保険金受取人をどうするのか、
また不要になった保険を解約した際の解約返戻金を
どのように配分するかなど、検討すべきことは多いです。
子どもの
自立
子どもが就職して経済的に自立することは、親にとって嬉しい出来事です。
同時に肩の荷も下り、その後は夫婦2人の生活を前提に
ライフプランを考えることができます。
死亡保障は配偶者の生活費だけにし、老後に必要になるであろう
医療保険を見直したり、老後資金の準備のための保険を
検討したりすることになります。
老後 退職すると給与収入がなくなるので、
主に年金と貯金で生活することになります。
すると、保険料に回せるお金も限られます。
この段階では、葬儀代など最低限の備えがあれば
死亡保障の優先順位は高くないでしょう。
一方、医療保険は高齢になるほど大切になります。
どのくらい長生きするかはわからないので、生活費の配分が難しい場合は、
保険料を退職金などで一時払いすることで、安心を得るのも手です。

「掛け捨ては損」というイメージは捨てよう

「掛け捨て型の保険はもったいない!」と思っている人もいるかもしれませんが、万一に備えるという目的であれば、掛け捨て型保険には多くのメリットがあります。

例えば、家族のための必要保障額が数千万円になる場合、その保障をすべて積立型で準備しようとすると保険料が高くなってしまいます。一方掛け捨て型の保険は、みんなでお金を出し合って、必要になった人に保険料が払われる仕組みなので保険料が安く、大きな保障を準備することができます。

積立型の保険は、加入してから一定期間は解約返戻金が低いため保険の見直しがしにくいですが、掛け捨て型にはそもそも解約返戻金がないので、解約や保険の見直しがしやすいこともメリットです。

ライフプランによってこまめに見直しが必要な保障や、保障額が大きいが残された家族のために必要な保障は、掛け捨て型の保険をメインに考えましょう。
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もしもの時の公的な保障を知っておこう

「生命保険や医療保険には入っていない」と思っている人でも、実は知らないうちに加入している保険があります。それは、毎月皆さんの給与から自動的に引かれている社会保険です。

社会保険は、さまざまなケースで保障が受けられるようになっているので、民間の保険に加入する前に自分がどのような保障を受けられるのか知っておくと、保険の掛けすぎを防ぐことができます。

例えば本人に万一のことが起こると、遺族には遺族年金が支給されます。遺族年金には遺族基礎年金と遺族厚生年金があり、どの遺族年金がもらえるかは、亡くなった人が加入していた年金制度の種類、つまり職業が自営業なのか会社員なのかによって変わります。

亡くなった人が自営業だった:遺族基礎年金
亡くなった人が会社員だった:遺族基礎年金+遺族厚生年金

会社員は、自営業の人よりも多くの遺族年金を受け取ることができます。つまり同じような収入・家族構成であっても、会社員は自営業者に比べて残された家族の生活費の保障は少なくて済むのです。

また、病気やケガなどで治療費が高額になった時に受けられる「高額療養費制度」も医療保険を見直す際に知っておきたい制度です。高額療養費制度は、病院や薬局の窓口で支払った額が1ヵ月(月の初めから終わりまで)で上限額を超えた場合に、その超えた額が支給される制度で、69歳以下の人の場合、医療費の上限は以下のように設定されています。
 
69歳以下の医療費の上限額
適用区分 ひと月の上限額(世帯ごと)
年収約1,160万円~ 25万2,600円+(医療費-84万2,000円)×1%
年収約770万円
 ~約1,160万円
16万7,400円+(医療費-55万8,000円)×1%
年収約370万円
 ~約770万円
8万100円+(医療費-26万7,000円)×1%
~年収約370万円 5万7,600円
住民税非課税者 3万5,400円

年収500万円前後の人が、100万円の治療を受けた場合の1ヵ月の自己負担額の上限と、高額療養費で返ってくる金額をシミュレーションしてみましょう。

年収500万円の場合の自己負担の上限額は、
 8万100円+(100万円-26万7,000円)×1%=8万7,430円
です。

自己負担を3割とすると、30万円を窓口で払っているはずなので、高額療養費として支給される金額は、以下のようになります。

 30万円-8万7,430円=21万2,570円

高額療養費制度には、入院時の食費や差額ベッド代は含まれませんが、最大でも治療費が9万円弱に収まると知っておけば、民間の医療保険もそれに合わせて適切な保障を考えることができるでしょう。

他の支出とのバランスを取ろう

家計という資源には限りがある

保険について調べていると、生命保険や医療保険のほか、自分が働けなくなった時や障害が残った時、また老後資金など、いろいろと心配になるかもしれません。収入が無限にあればすべてのリスクに備えられますが、残念ながら家計という資産には限りがあります。「ここまでは備えるけど、ここからはなるようになる!」と割り切ることも大切です。

保険に回すお金は手取りの4~6%が理想

とはいえ、「どこまで備えるべきか」はなかなかわかりにくいものです。そんな時は、世帯の手取り額から保険料を決めるのがおすすめです。具体的には、子どもがいない家庭であれば保険料は手取りの4%まで、子どもがいる場合は、大学を卒業するまでは手取りの6%を目安にしてください。参考までに、3つの家族構成について保険料の目安をシミュレーションします。
 
家族構成と保険料の目安
家族構成 世帯年収 1ヵ月の
手取り金額
保険料の割合 保険料の目安
単身者 400万円 20万円 4% 8,000円
夫婦2人 600万円 30万円 4% 1万2,000円
夫婦と子ども 700万円 35万円 6% 2万1,000円

家庭によって年収は違いますし、同じ年収でもボーナスの額などで手取りは変わりますが、1ヵ月の手取り金額をベースに保険料の目安を計算するという考え方は同じです。

保険料の上限を決めると、自然と保険の優先順位を意識するようになりますし、保険料や保険内容も吟味したくなるはずです。

保険商品だけにこだわらずバランスの取れた備えを

保険の見直しで後悔しないためのポイントを3つご紹介しましたが、実は保険商品にこだわる必要はありません。例えば医療費は貯金や投資信託で準備することもできますし、これらは健康でいれば他の用途にも使えます。リスクに備えることも大切ですが、人生を楽しむことも同じぐらい大切です。自分に合う、バランスの取れた備えを考えてみてください。

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文・松岡紀史(ファイナンシャル・プランナー、ライツワードFP事務所

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