貯める&備える
2019/09/23

老後の資金「足りない」と思ったらもう遅い

(写真=polymanu/Shutterstock.com)
(写真=polymanu/Shutterstock.com)
必要な老後資金を試算した金融庁の報告書が、批判を浴びました。報告された数字はあくまでも平均的なもので、実際に必要な金額は50代になってようやくわかるでしょう。そのときになって青ざめることのないよう、若いうちから資産を形成していくことが大切です。具体的な方法を紹介するので、人生設計を考える際の参考にしてください。

「老後に2,000万円必要」と説いた報告書が言いたかったこと

「30年で約2,000万円の取崩しが必要になる」。2019年6月に発表された金融審議会市場ワーキング・グループ報告書「高齢社会における資産形成・管理」に記載された文言は、日本国民に衝撃を与えました。

その計算根拠は、「世帯収入を公的年金のみに頼ると、毎月5万円が不足する。老後の生活はおよそ30年あるとして、5万円×12ヵ月×30年で約2,000万円が必要」というものです。

メディアやSNSでは、この2,000万円という数字が一人歩きしているように見えます。もともと、この報告書の目的は何だったのでしょうか。それは、高齢化社会を支えていく金融システムのあるべき姿を描くことです。結論として「資産寿命」を伸ばす必要性を説き、若いうちから少しずつ「長期・分散・積立投資」することを勧めています。

「定年退職後も再雇用してもらうから大丈夫」「お金が足りなくなったらアルバイトする」という人もいるかもしれません。しかし、予定通りに行くとは限らないのが人生です。年齢を重ねると気力や体力が衰え、働いて収入を得ることができなくなる人もいます。介護やリフォームなど、思わぬ出費もあるでしょう。退職金も、今ほどもらえなくなるかもしれません。老後への備えは、早く始めるに越したことはないのです。

リアルな必要額は50代になってわかる

社会人になりたての頃からコツコツ積み立てていけば、退職時までに2,000万円貯めることは難しくないかもしれません。毎月4万円を40年間貯め続ければ手が届きます。これに退職金が加われば、お金の不安はかなり減るでしょう。もちろん30代、40代からでも遅くはありません。

ただし、注意しなければならないのは、「2,000万円貯めれば安心」とは言い切れないことです。なぜなら、この数字はあくまでも平均をもとにした仮の目標だからです。年金額は現役時代の収入によって変わりますし、共働きだったかどうかも大きく影響します。

生活費は人それぞれで、地域によっても差があります。家賃などは顕著で、2007年の総務省調査では、東京都の1畳あたりの賃料は青森県の約2.8倍という結果が出ています。

本当に必要な老後資金は、老後になってからでないと計算できません。もっと正確に言えば、人生を終えた時にはじめてわかるものなのです。

もちろん、老後資金のすべてが謎に包まれているというわけではありません。50代になれば、おおよそのことはわかります。年金収入については、50歳からねんきん定期便に予想額が記載されるようになります。生活費は、引越しや子どもの自立など生活環境が大きく変わる予定がなければ、現在の費用をそのまま使って試算してもいいでしょう。若いうちに老後の生活費を予想しにくいのは、家族構成や住まいなどが変化しやすいからです。

老後資金は、予想される年金収入から生活費を差し引き、平均余命を掛け合わせ、介護費用やリフォーム代などの特別費を加算すれば算出できます。

必要な金額を早く知りたいという人もいるでしょう。50歳未満でも、ねんきんネットに登録すれば年金額を試算できます。生活費は、現状でかかっているお金を費目別に集計すれば割り出せます。少し複雑な計算が伴うので、お金に関するセミナーなどに参加するのも一つです。
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