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2019/09/02

消費税10%への増税は生活にどう影響する?賢く備える方法とは

(写真=PIXTA)
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消費税が5%から8%に引き上げられてから早5年。いよいよ2019年10月からは、消費税率10%に増税される見込みです。ここでは、消費税増税にあたって考えられるさまざまな影響を挙げ、気になる軽減税率やインボイス制度の概要も踏まえながらその対策について解説します。食費などの生活費から住宅の購入まで、増税に備えてポイントを押さえておきましょう。

増税についての基礎知識

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もともと2014年4月に消費税率を8%へ引き上げた当時、その翌年には10%に引き上げると法律で定められました。しかし、駆け込み需要の反動で消費が低迷したことなどを理由に、政府は2回も10%への増税を延期しています。

そのため、「今回の増税も結局見送られるのでは?」と思っている人もいるかもしれませんが、今回は2020年の東京オリンピック開催に伴う経済効果で増税の悪影響を相殺することも見込まれているため、現況ではおそらく予定通り施行されるでしょう。

消費税をこんなにも増税しなくてはならない理由は、少子高齢化により増え続けている社会保障費や少子化対策の費用財源を増やすためです。収入や年齢に関わらず公平に課税できる消費税を増税することで、税収を安定させる狙いがあります。

増税でどう変わる?消費者への影響

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時事通信社が消費者に対して「増税にあたって家計の支出を見直すか」を聞いたところ、「見直す」と答えた人が57.2%もいました。「見直す」と回答した人には特に女性が多く、比較的女性の方が増税をシビアに捉えているようです。では、具体的にどのような影響が考えられるのかを見ていきましょう。

外食代や食費の出費が増える

前述の調査で、増税にあたって支出を見直すと答えた人に具体的な内容を選択式で聞いたところ、「食費」を見直すという人が59.4%で最多でした。続いて「外食、旅行などの娯楽費」39.5%、さらに光熱費や通信費を見直すと多くの人が回答しています。

特に食費や外食費については後述で紹介する「軽減税率」が影響するため、どのように家計を見直すべきかポイントをきちんと押さえておくことが重要です。

気になる住宅購入への影響

住宅は金額が大きいため、増税前に購入しようと焦っている人もいるでしょう。しかし、住宅メーカーに言われるがまま、資金計画もせずに焦って契約してしまうのはナンセンスです。もしあなたが消費税率8%で住宅を購入しようと思った場合、考慮すべきポイントが2つあります。

1つは、不動産の引き渡しを「2019年9月30日まで」に済ませること。ただし、注文住宅を建てる場合は、完成時期が多少遅れることがあるかもしれません。この場合、2つめのポイントとして工事請負契約を「2019年3月31日まで」に締結していれば、たとえ引き渡しが2019年10月以降になっても、経過措置により旧率の8%が適用されます。

増税は土地や建物の売買価格だけでなく、仲介手数料などにも影響するため、税額だけを見れば増税前が良いのは当然です。ただ、増税前の駆け込み需要の反動で、増税後に不動産価格が下がる可能性もあります。

消費税だけで衝動的に判断するのではなく、まずは将来を見据えたライフプランをきちんと立てたうえで住宅購入に踏み切ることが大切です。

住宅ローン控除やすまい給付金を活用しよう

増税後の住宅取得負担を軽減するために、国ではさまざまな措置制度を設けています。例えば、世帯所得に応じて「すまい給付金」がもらえたり、住宅ローン減税控除期間を3年延長できたりするので、これらを上手に活用すれば増税分の負担を軽減できるでしょう。

知っておきたい「経過措置」

経過措置とは、特例として旧率8%を適用する制度のことです。例えば、現時点ですでに増税後の旅行を申し込んである場合でも、増税施行日の前日までにその代金を領収しているものに関しては税率8%で計上されます。

ほかにも電気・ガス・水道料金や予約販売品、定期購入品など、増税施行日以前に支払済みのものは、たとえ使用するのが増税後であったとしても税率8%で計上することになっています。それぞれ条件が伴うため、気になる支出がある場合は増税前に確認しておきましょう。

軽減税率とは

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増税と同時に施行される「軽減税率」という制度があります。これは、低所得者への経済的な配慮をするために「特定の商品だけ消費税率を低く設定する施策」であり、軽減税率の対象となるのは生活するうえで必須なもの、主に飲食料品です。

飲食料品のほかにも新聞などに税率8%が適用されますが、赤ちゃんのオムツや女性の生理用品は軽減税率の対象外であることなどに関して、世間では疑問の声もあります。

「軽減税率」に関して、最低限押さえておきたいポイントは、酒類や外食には税率10%が適用され、テイクアウト品やスーパーで買った食料品などは税率8%が適用されるということです。外食の定義は「飲食の設備を設置した場所で行う食事の提供」とされており、コンビニやパン屋さんのイートインスペースも含まれます。つまり、イートインスペースで食べる場合は外食として扱われるので消費税率は10%。一方で「持ち帰ります」と言えば、税率8%で済むというわけです。

宅配ピザや出前、ドライブスルーなどで買ったテイクアウト品などは外食に該当しないため、たとえ外で食べたとしても消費税率は8%のままです。一方日頃から外食の頻度が高い人や自宅でお酒を飲む習慣がある人は、食費がかさみ増税の影響を受けやすいでしょう。

インボイス制度とは

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「インボイス制度なんて初めて聞いた」という人もいるかもしれません。インボイス制度は、事業を営む人や経理担当者は必ず知っておかなくてはならない制度であり、最近増えているフリーランスで働く人にとっても、帳簿管理に影響する制度です。ただし、消費者には直接影響しにくいものなので、ここでは簡単に概説します。

インボイス制度とは、正式には「適格請求書等保存方式」と呼ばれ、各支出項目が軽減税率の対象かどうかを正確に選別するために、事業者が税金を計算するための証票制度です。2023年10月頃から採用が見込まれており、事業を営む人やこれから起業を考えている人などは、「税率が複数存在する」という事態に備えて今のうちから勉強しておくと良いでしょう。

家計を管理する人や経理担当者は要注意

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これまでも消費税増税の経験があるからこそ「また増税か……」と単純に捉えている人もいるかもしれませんが、今回の増税は今までと大きく異なる影響が考えられます。軽減税率やインボイス制度などにより、サービス内容や購入するものによって税率や帳簿管理方式が異なるからです。消費者も事業者も、消費税率の仕組みについてきちんと理解して増税に備えることが大切です。

文・木村茉衣(ファイナンシャル・プランナー)

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