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2019/04/11

会社から給与明細がもらえない時、どうしたらいい?行政書士が解説

(写真=PIXTA)
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給与明細を従業員に渡さない会社が、稀にではありますが存在します。自分の給料がきちんと支払われているかを知りたい人にとっては、給与明細を見て詳細を確認するのは重要なこと。もし、給与明細の交付を会社が拒否している場合、どのような対処法があるのでしょうか。詳しくご説明します。

給与明細には何が書かれているか

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就職後に初任給をもらった際、多くの人が給料の金額と支給額(手取り額)とのギャップに驚くことでしょう。学生時代にアルバイトした人の多くは、給与の金額がそのまま自分の銀行口座に振り込まれていたはずです。しかし社会人になると、給与から社会保険料などがあらかじめ天引きされるようになります。

給与明細には、あらかじめ天引きされた項目や金額が記載されています。具体的には、健康保険、厚生年金保険、雇用保険などが該当します。

実は、会社と従業員の関係や労働者の権利を規定した「労働基準法」には、給与明細にどのような項目・金額を記載しなければならないかについて書かれていません。

しかし、所得税法は給与明細の交付を義務付けています。また厚生年金保険料や健康保険料、雇用保険料についても、厚生年金保険法などそれぞれの法律により、事業主が保険料の控除を行った際は、必ず被保険者に通知をしなければならないと定められています。

会社には給与明細を渡す義務がある?

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労働基準法では給与明細の交付が義務化されているか?

会社は、正社員、パート、アルバイトなどの従業員に対して、給与明細を渡す義務はあるのでしょうか。

先にも述べましたが、労働者に関する法律である「労働基準法」では、給与明細を渡す義務について全く触れられていません。それどころか、給与明細についても、全く規定がありません。これは「労働基準法」が、労働者と使用者(会社など)との間で結ばれる「労働契約」について規定している法律であるためです。

他の法律では義務化されているか?

他方、「所得税法」では、給与を支払う者(会社など)は給与の支払いを受ける者(従業員)に支払明細書(給与明細)を交付しなければならない、と定められています。

なぜ「労働基準法」ではなく、「所得税法」に給与明細の交付義務が規定されているか疑問を持つ人がいるかもしれません。この理由としては、給与明細には「源泉徴収税額」が記載からだと考えられます。

もし給与明細がもらえない場合は

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法的根拠を基に要求する

先程もご説明したように、「労働基準法」では給与明細の交付について規定はありませんが、「所得税法」には、明確に給与明細を交付する義務が記載されています。

このことを根拠に、会社の担当者に給与明細の交付を要求することができます。

具体的には、所得税法第231条第1項に「……給与等、退職手当等又は公的年金等の支払をする者は、……その給与等、退職手当等又は公的年金等の金額その他必要な事項を記載した支払明細書を、その支払を受ける者に交付しなければならない。(抜粋)」と書かれています。

ほとんどの場合「法律で給与明細を交付するように決まっているはずですが」と言えば、渡してくれるはずです。ただこの規定には罰則がないため、あれこれ理由をつけて渡さない会社があるかもしれません。

相談機関を利用する

上記の対応策によっても事業主が支払明細書を交付しない場合には、「労働基準監督署」に相談するという方法が残されています。ただ、労働基準監督署は、主に賃金や残業時間、パワハラなどを専門的に扱う機関ですから、給与明細の交付はやや専門外かもしれません。

それでも、職場で起こる小さなトラブルの一つとも言えますから、相談してみる価値はあります。

あるいは、給与明細の交付をしぶる担当者に、一言「労働基準監督署に相談してみていいですか」と言うことによって、給与明細を渡してくれる可能性もあるでしょう。

給与明細をもらうのは従業員の権利

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給与明細には、賃金だけではなく、会社が認めた残業時間、源泉徴収税額、社会保険料、雇用保険料など、多くの情報が書かれています。自分の賃金を確認することはもちろん、月々いくらの保険料などを支払っているか把握することができます。給与明細をもらっていない人は、法的な義務であることを伝え、きちんと交付してもらうようにしましょう。

文・井上通夫(行政書士・行政書士井上法務事務所代表)

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