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2019/03/14

企業年金とは?公的年金との関連などわかりやすく解説

(写真=PIXTA)
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企業年金は、退職金を「分割して支払う」仕組みです。退職金は、支払う企業にとって多くの資金を必要としますが、分割することで負担が減りました。社員側としても利息と合わせて受け取れるメリットがあり、普及したのです。現在は低金利が続いているので、新しい企業年金制度への変更が行われています。公的年金との関連など、企業年金について解説します。

企業年金は老後の生活費を補てんするもの?

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企業年金は、会社が掛け金を出して積み立てて、社員が退職後に受け取る年金のことです。公的年金と合わせて、老後の生活を支えるための資金としての役割があります。

しかし、会社勤めの人なら誰でも受け取れるというものではなく、長期の加入期間が必要など一概に老後のための資産とは言えない部分もあります。

例えば、老後に企業年金を受け取る場合には、原則的に20年以上などの加入期間が必要です。具体的な加入期間は、企業年金の種類や会社のルールによって異なりますが、転職などにより加入期間が短い場合は、老齢年金を受け取ることができない場合があります。

バブル崩壊とともに運用実績が悪化し、必要な年金原資の積み立てができない会社が多くなりました。安定した制度への見直しが行われていますので、加入していた企業年金制度の廃止などで手取り額が減ってしまう可能性もあります。近年では、企業年金の基金を解散する会社も増えました。

企業年金と公的年金、厚生年金の関係は?

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日本の公的年金制度は、日本国内に住所のある20歳以上60歳未満のすべての人が加入する国民年金と、会社員や公務員の人が加入する厚生年金があります。企業年金は、公的な年金の上乗せとして受け取ることができる年金で、企業が任意で加入するものです。

代表的な例として、厚生年金基金制度があります。これは、国が行う老齢厚生年金の一部に基金独自のプラスアルファ部分を上乗せして、国に代わって年金給付を行うものです。つまり、老齢厚生年金のうち、厚生年金基金に加入していた期間分の支給は、基金から支給されるのです。その際、国の老齢厚生年金から差し引いた部分とプラスアルファ部分がまとめて支給されます。

企業年金にはどんな種類がある?

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企業年金の種類と特徴について紹介します。

厚生年金基金

1966年に始まりました。厚生年金基金という法人を設立して厚生年金保険と独自部分の両方を運営しています。長引く不況の影響で年金資産の運用が悪化し、1,800以上あった基金は、現在は600基金ほどになっています。

確定給付企業年金(規約型)

2002年4月に始まりました。廃止になった税制適格退職年金の仕組みに似て、会社が保険会社や信託銀行などと契約して運営します。必要な資金が準備できているかを毎年確認するなどの仕組みがあることが税制適格退職年金と大きく異なっています。

確定給付企業年金(基金型)

企業年金基金という法人が運営しています。厚生年金基金の仕組みに似ていますが、国に代わって運営する代行部分はありません。地域や業種に関わらず加入できる総合型の企業年金基金もできています。規約型と共に一番多い加入者数となっています。

確定拠出年金(企業型)

会社が掛け金を支払い、社員はその掛け金で指定された金融機関から自分に合った金融商品を購入して運用します。会社は運用益や退職給付債務を気にする必要がなくなりました。

企業年金はいつから受け取ることができる?

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厚生年金基金では、一般的に3年以上勤続した場合に脱退一時金を受け取ることができます。老齢年金は10~15年以上加入した場合に60歳もしくは公的年金の支給開始年齢から支給されます。老齢年金の支給開始前に手続きをすれば、一時金で受け取ることができます。

確定給付企業年金は、3年以上勤続すれば脱退一時金を受け取ることができます。老齢年金は会社によって異なりますが、規約型は、退職年齢が50歳以上で20年以上勤続した場合に支給されます。基金型は、基金のルールで定めた期間以上に加入した場合、60歳あるいは公的年金の支給開始年齢になったときに支給されます。いずれも、老齢年金に代えて一時金を受け取ることもできます。

確定拠出年金は、3年未満や年金資産が少額で退職した場合などの条件を満たせば一時金を受け取ることができます。老齢年金は60歳~70歳の間で年金か一時金で受け取ります。

中途脱退の場合は手続きが必要!忘れずに

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2005年10月より、会社を退職した場合には年金資産を持ち運ぶことができるようになりました。確定給付企業年金・確定拠出年金・厚生年金基金・企業年金連合会へ相互に持ち運びができますが、確定拠出年金からは確定拠出年金と確定給付企業年金への持ち運びのみになります。

転職先の企業年金には、持ち運びができる期間が定められている場合があります。将来、年金を受け取る年齢になったときは、日本年金機構だけでなく、加入していた企業年金や企業年金連合会にも請求を行って年金を受け取ることになります。企業年金を中途脱退する人は、加入員証や通知書なども大切に保管しておきましょう。

文・藤原洋子(ファイナンシャル・プランナー)

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