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2019/03/07

国民年金基金のデメリットについて詳しく解説

(写真=PIXTA)
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自営業者やフリーランスの方が老後の年金を上乗せするための、国民年金基金制度。テレビCMなどで見かけることもあり、「どんな制度なの?」と気になる方もいらっしゃるはず。今回は、国民年金基金制度の概要や加入する際に検討しておきたいポイントについて詳しく解説します。

国民年金基金は国民年金とセットで使える老後の所得保障

(写真=PIXTA)

国民年金基金は、国民年金に加入されている方(20歳以上60歳未満の自営業者など)、国民年金の任意加入者(60歳以上65歳未満で国民年金に加入されている方)が追加で加入できる年金制度です。厚生年金に加入している公務員や会社員、その扶養に入っている配偶者は加入することができません。

加入の年齢や加入口数・給付の型によって、年金を受け取れる時期や金額は変わりますが「毎月の掛け金が一定」「将来の年金額を増やせる」「老後に向けて確実に準備ができる」というメリットに加えて、「節税効果がある=所得控除になる」ことも魅力的です。しかし、国民年金基金と似たような制度であるiDeCo(個人型確定拠出年金)にも、同じメリットがあります。

国民年金基金のデメリットは?加入しないほうがいい?

(写真=takasu/Shutterstock.com)

国民年金基金のデメリットをお話しする前に、iDeCoとの違いを押さえておきましょう。iDeCoとの大きな違いは元本の保証の有無です。国民年金基金は、加入時点で将来の受取金額が決まっているのですが、iDeCoは自分で運用先を選んで運用するため、元本が保証されません。

また、受け取り時期や手数料も違います。国民年金基金の場合は、年金の受け取り年齢は「60歳か65歳から」と2択なのに対し、iDeCoの場合は、「60歳~70歳まで」自分で受け取り時期を選択できます。(iDeCoの場合は、通算加入者等機関が10年に満たない場合は、受給開始年齢が繰り下げられます。)

手数料は、iDeCoの場合、加入時・収納(引き落とし)時・受取時に手数料がかかり、運営管理機関(金融機関など)によっては年間手数料が発生することもあります。

国民年金基金とiDeCoは併用することができるので、2つの制度を利用する手もあります。ただし、月額の掛け金の上限が2つ合わせて6万8,000円までなので注意が必要です。

国民年金基金はインフレに弱い

前述しましたが国民年金基金は、「加入時点で受け取りの年金額」が決まっています。つまり、今後物価が上がった場合には貨幣価値は下がるので、資産が目減りしてしまう可能性があります。

公的年金は、そのときの社会情勢に合わせて、年金額を調整する「マクロ経済スライド」を導入しているので、賃金・物価が上がったときは、それに伴い年金額を引き上げるなどの対策を行っています。一方、国民年金基金にはそういった仕組みはないので、インフレ時に対応できないことがデメリットになります。

予定利率が低く、上がる見込みがない

お金を預けるときに見ておきたいポイントである「利率」。国民年金基金の予定利率(加入者に約束している利率)は、1995年3月までは5.5%だったものが、年々低下して、2014年4月以降は1.5%となっています。

予定利率が低くなると、予定利率が高いときに比べて「掛け金が多く、受取額が少ない」状況になります。例えば、35歳女性が毎月1万1,700円を60歳まで(299ヵ月)かけて、65歳から受け取れる年金額は、年間約18万円です。19年後(84歳)でようやく元が取れる計算になります。予定利率が低い現状では、効率が悪くなってしまいますね(節税額は考慮していません)。

途中解約が難しく60歳まで引き出せない

iDeCoも同じなのですが、中途解約(脱退)は原則できません。一度加入したら、60歳まではやめられないのです。お金を途中で引き出すこともできませんので、お金を受け取るためには65歳もしくは60歳になるまで待つ必要があります。

ただし、どうしても掛け金を納めることができない場合は、口数を減らしたり(減口)、掛け金を一時的に停止したりすることはできますが、無理は禁物です。「老後まで使わないお金」を積み立てていくことが大切です。

加入中の付加年金はやめる手続きが必要になる

付加年金とは、国民年金に追加で加入できる制度で、付加保険料を400円/月納めることで、「200円×付加保険料納付月数」分の年金が将来の年金に上乗せされます。

国民年金基金の1口目の給付に、付加年金に相当する分が含まれているため、すでに加入している人は付加年金をやめる手続きが必要になります。

入るべきかどうかは慎重に検討を

(写真=PIXTA)

国民年金基金についての注意点を中心にお伝えしてきましたが、老後の資金を準備するための制度や金融商品と併用することも可能です。併用できる制度としては、iDeCo、小規模企業共済(中小企業基盤整備機構が運営する共済制度)、生命保険会社の個人年金保険が考えられます。もちろん、預貯金や有価証券での準備もOKです。

それぞれのメリット・デメリットに加えて、ご自身の目標金額や老後の資金として積み立てできる金額なども考えながら、検討していってくださいね。

文・冨士野喜子(ファイナンシャル・プランナー)

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