(写真=PIXTA)
夫婦共働き世帯の数は、年々増え続けています。子どもを養っている場合、その子を扶養親族とすることで税金の負担を減らすことができますが、夫にも妻にも収入がある場合はどちらの扶養に入れるのがお得なのでしょうか?税金面だけではなく健康保険においてもメリットがある扶養控除の条件やルールについて解説します。
住民税も控除に!税金面で子どもの扶養控除を受けるための条件
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子どもを扶養に入れると「扶養控除」を受けることができます。扶養控除を受けることで、課税所得が減り、支払う税金が少なくて済みます。
扶養控除を受けられる子どもの条件は、下記のとおり定められています。
(1)配偶者以外の親族(6親等内の血族及び3親等内の姻族)又は都道府県知事から養育を委託された児童(いわゆる里子)。
(2)納税者と生計を一にしていること。
(3)年間の合計所得金額が38万円以下であること。(給与のみの場合は給与収入が103万円以下)
(4)青色申告者の事業専従者としてその年を通じて一度も給与の支払を受けていないこと又は白色申告者の事業専従者でないこと。
扶養控除を受けるには、親と同じお財布で生活をしていて、収入が多すぎず、家業の手伝いをしているわけでもない子である必要があります。また、控除を受けられる金額は、子どもの年齢によって以下のように決められています。
子どもの年齢 |
受けられる控除額(所得税) |
受けられる控除額(住民税) |
15歳以下 |
控除なし |
控除なし |
16~18歳 |
38万円 |
33万円 |
19~22歳 |
63万円 |
45万円 |
23歳以上 |
38万円 |
33万円 |
成人した子どもでも扶養親族とすることができますが、子ども自身の給与収入が103万円以下でない場合などは、扶養親族の条件から外れてしまうため上記の控除が受けられません。
夫婦が共働きの場合、子どもはどちらの扶養に入れるべき?
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上の表にもあるとおり、所得税と住民税には15歳以下の子に対する扶養控除がありません。そのため、子どもが高校生未満なら夫婦どちらの扶養に入れても同じであるように思えます。
しかし、住民税には扶養控除とは別に「非課税限度額」という制度があります。夫婦どちらかの年収が非課税限度額以下の場合、子どもをそちらの扶養とすることで住民税をゼロにすることができます。
非課税限度額はお住まいの自治体によって多少違うこともありますが、「35万円×(本人+扶養親族の人数)+32万円」とされていることが多くなっています。この非課税限度額よりも親の所得が低ければ、住民税はゼロとなります。
住民税ゼロはありがたいのですが、「じゃあ年収が低い方の扶養にしよう!」と即決する前に検討したいことがあります。例えば、年収が高い方の会社に家族手当や扶養手当の制度がある場合、それらを受けられなくなってしまう可能性があります。損をしないよう、会社や自治体の制度をよく理解したうえで決めるようにしましょう。
また、子どもが16歳以上の場合は所得が高い方の扶養に入れるのがおすすめです。扶養控除の金額は同じですが、所得が高いほど所得税率も高いので、その分控除のメリットが大きくなります。20歳の子どもがいるご家庭の例を見てみましょう。
夫:年収400万円(所得税率20%) 扶養控除63万円×20%=12.6万円
妻:年収200万円(所得税率10%) 扶養控除63万円×10%=6.3万円
ざっくりした計算ではありますが、この場合の所得税は、夫の扶養に入れた方が年間6万円以上安くなります。
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