保険は「住宅」の次に大きな買い物と言われるように、長期間払い続けるので結果的に支払い金額が大きくなる。にもかかわらず、内容を理解していない人や、自分に合っていない保険に入りっぱなしの人が多いのが現状だ。

一言で生命保険と言っても、死亡した時の経済的な準備のための「死亡保険」と、病気をしたときに入院給付金などが支払われる「医療保険」の2つに大きく分類される。

生命保険文化センターが発表した「平成28年度生活保障に関する調査」によると、死亡保障を準備している人は73.5%、医療保障は72.1%となっている。自分に合っていないのに、ずっと高い保険料を払い続けないため、自分の加入している保険について見直しをしよう。

1. まずは「保険金額」を確認、加入は高額療養費制度も考慮した上で

保険を知る上でまず大切なのが、「保険金額」だ。死亡した時はいくら家族に残せるのか、入院した時に1日いくら給付金がもらえるのかをしっかり確認しておく必要がある。死亡保険金は残される家族のために準備するものなので、家族の人数、年齢、遺族年金の種類などによって必要額は人によって違う。必要な金額はきちんと計算した上で決めると良いだろう。

また、入院した時の1日の金額も「高額療養費制度」などの社会保障を考慮して決めると良い。入院した時に自己負担したくないのならば1万円以上必要だが、給付金で足りない分は預貯金で支払おうと思うのならば、5千円くらいで十分だろう。

2. 次に「保障期間」を確認、40代の方から受ける相談とは?

保険には「保障される期間」が必ず決まっている。

生きている限り保障が続くのが「終身タイプ」、10年や15年などその期間だけ保障が続くのが「定期タイプ」だ。終身タイプならば、支払う保険料も保障も変わることはないが、定期タイプは一定期間を過ぎると、その年齢で保障内容が見直され、保険料も再計算されるため、保険料が上がってしまうケースが多い。

更新保険料が高くなるので保険を見直したいと、40代の方からの相談をよく受ける。それは30代で加入した保険が満期を迎え、今までよりも高い保険料を払うことになるから、この機会に保険料の変わらない終身タイプに変えたいという相談だ。

定期タイプは一定期間の保障は手厚く、保険料が安いというメリットはあるが、期間を過ぎたあとは保険料が上がるというデメリットもある。また、更新ではなく、新たに違う保険に加入しようと思っても、その時の健康状態で希望の保険に加入できないこともあるので注意が必要だ。

なぜ、保険選びをコスパで考えられないのか?

商品やサービスを購入する時に、コストパフォーマンスで考えることもあるだろう。コストパフォーマンスとは文字通り、かかった費用(コスト)と得られる効果(パフォーマンス)のことだ。保険で言えば支払った保険料がコスト、もらえる給付金がパフォーマンスということになる。

保険に加入するときには保険料ばかりに目が行きがちだが、本当に大事なのはこのパフォーマンスなのだ。死亡保険の給付金がもらえるのは「亡くなったとき」と「高度障害」に該当した時で、保険会社によって違いはない。

しかし、医療保険や、がん保険、三大疾病保険などは保険会社によって支払い要件が違うので注意が必要だ。例えば、がん保険の「診断給付金」は、がんと診断されたら支払われる給付金だが、「上皮内がん」に対する要件は各社で違う。診断給付金の1割しか支払われない会社、50%支払われる会社、全額支払われる会社がある。つまり、保険料を支払っていても受け取れないことがあるので、注意が必要だ。