ただ漠然と「老後のいざというときのため」と考えても、貯金はなかなか増えない場合もあるでしょう。今回は、実際に老後のどのようなシチュエーションでどの程度の出費が考えられるのかをご紹介します。今後の資産形成の参考にしてみてくださいね。

塵も積もれば……自分の医療費

老後の出費としてまず考えられるのが、自分自身の医療費です。内科や外科の受診料はもちろん、薬代、歯科治療費なども考えられます。医療費に加えて、病院までの通院費がかかる場合もあるでしょう。

総務省統計局が出している「家計調査」(2017年版)では、60歳以上の単身無職世帯の場合、保健医療費の月平均額は約8,000円となっています。もちろんそれぞれの健康状況などによって大きく異なりますが、少なくとも年間約9万6,000円は、医療費がかかる可能性があると考えておきましょう。

他人事ではない?親の介護費用

今は両親が元気でも、いずれ介護が必要になる可能性もあります。介護費用は親の貯金や年金等で賄えればいちばんですが、自分が一部を負担することも想定しておくと安心です。

「生命保険に関する全国実態調査(2018年)」(生命保険文化センター)によると、介護費用の月額は平均で約7万8,000円。自宅の改装やベッド購入などに要する一時費用の平均が、約69万円です。ただし介護費用は、在宅介護か施設利用かによっても異なりますし、同じ施設利用でも入る施設によって変わってくると考えましょう。