先日、某会員制料理教室とのタイアップで、「節約レシピ×マネー」というセミナーを開催しました。長年のデフレ(デフレーション:物価下落)により、「節約」や「見直し」といった言葉が取り沙汰され、もともと倹約的で保守的な国民性に輪をかけるように流行しましたが、個人的には「節約というワードで、いまだに人は集まるのか?」と思った次第です。

しかし、結果は大盛況。

多くの人は「(お金を)増やす」=「貯める」=「節約」と考えていることが、あらためて分かった1日でした。

今回は、潜在的に節約志向に陥っている方に、マネーとの関わり方を考えていただきたいと思います。

【『しくじり女子に学ぶ、お金のキホン』シリーズ】
(1)失敗を恐れた「マネー貧乏さん」と「リッチ投資女子」の違い

120万円使って120万円消費をしていた20代の頃

筆者自らの苦い経験を例に、考えていただきましょう。

まだ20歳になったばかりのころ、お金に関する知識が何一つなかった筆者は毎月10万円をせっせと貯め、1年後、目標額の120万円が貯まったところで、一気に使ってしまいました。当時欲しかったApple社のデスクトップPC iMac一式を購入し、さらに教育費やエステなどで120万円はあっという間になくなりました。

投資未経験の方は「貯めたお金で欲しいものを買ってどこがいけないの?」、と思われたでしょう。問題は、欲しいものを購入したことではなく、せっかく貯めたお金を消費して残高がゼロになったことなのです。

「貯めたものを消費する」のではなく、「増やしながら、消費する」

(写真=PIXTA)

もし、今の筆者であればどうしたか。

お金が必要なときは、必要な分だけ取り崩しながら、残りのお金は運用を続けていたと思います。もっと具体的に言うと、運用で増えた分だけを消費に回し、元本にはなるべく手をつけずに、運用資金として手元においていたと思います。

お金は運用することで、増やすことができます。

雪だるま作りをイメージしてみましょう。最初に雪玉をこしらえ、あとは雪の上で転がして表面に付く雪が玉を大きくしていく。この、最初にこしらえる「雪玉=運用資金」で、「転がす作業=運用」と考えてください。

表面積が大きくなればなるほど、1回転がしたときに雪が付着する量が増えます。つまり、雪玉は大きくなるほど効率よく雪を集められるのですね。お金の運用も同じです。

筆者の20歳での失敗は、運用の元となる「雪玉」を失ってしまったことです。玉がなければ転がせません。雪をかき集めるのとは異なり、まとまった資金を作るのはそれなりの時間と労力が必要ですから「失敗」だと筆者は思うのです。