「実家が空き家なのですが、火災保険は必要でしょうか?」
「空き家の火災保険料を安くする方法を教えてください!」

先日、上記の相談を受ける機会がありました。日本では少子高齢化や首都圏への人口移動等の影響で「空き家」が増加傾向にあります。総務省統計局の『平成25年住宅・土地統計調査』によると全国の空き家数は820万戸に上り、全国の住宅の13.5%を占めています。また、野村総合研究所は2033年に空き家数は2170万戸、空き家率は30.4%になると予測しています。

私も地方出身なのですが、もはや東京での生活のほうが長いです。読者の中にも同じような境遇の人は多いのではないでしょうか。両親が健在なうちは安心ですが、将来的になにかあった場合、実家が空き家になる可能性もないとはいえません。そう考えると「空き家問題」は他人事ではないように思います。

空き家を売却や賃貸で運用できれば良いのでしょうが、実際にはなかなかうまくいかず、そのまま空き家で放置するケースも少なくないようです。とはいえ、空き家を管理しないでそのままにしておくにも、さまざまなリスクが伴います。

今回は「空き家」と火災保険についてお届けしましょう。

自然災害や火災のリスクに備える

空き家になる背景には様々なケースがあります。たとえば、転勤でひとまず空き家になっている場合もあるでしょう。また、相続で取得した空き家のケースもあるかと思います。

相続で取得した空き家の資産価値が低く住む予定もない場合、火災保険は必要ないと考える人もいるかもしれません。しかし、もしその空き家が自然災害や火災で焼失した場合は、残存物の取り壊しや、撤去作業等の費用が必要になります。そのようなケースでは火災保険で対応することが可能です。

また、強風等で空き家の屋根の一部やテレビのアンテナが飛んで、近隣の家に損害を与えてしまった場合は個人賠償責任保険で対処することがあります(※天災の場合は免責事項があるので確認が必要です)。

空き家が地方にあり自然災害リスクが心配な場合は、やはり火災保険を検討したほうが良いかもしれません。