「夫婦共働き」は今や、すっかり夫婦のスタンダードな形となりました。

そこで今回は、平均的な共働き(共稼ぎ)夫婦の世帯年収や貯金額などについて調べてみることにしました。

共働き世帯はどのくらいいる?

(写真=aslysun/Shutterstock.com)

そもそも、共働き世帯はどのくらいいるでしょうか。

2016年の「総務省統計局 労働力調査(基本集計)」によると、日本の全世帯は5,361万世帯。このうち、「夫婦のいる世帯」が54.2%(2,907万世帯)となっています。

さらに、夫婦のいる世帯のうち、夫も妻も働いている世帯が39.5%(1,148万世帯)を占めています。

妻の就業時間で見ると、月121~180時間が最も多く36.5%(419万世帯)。週5日間の勤務(1カ月に22日間)だとすると、1日あたり5時間~8時間働いている人が多いようです。

月61~120時間は32.9%(378万世帯)になっているので、同じ条件でみると1日あたり3~5時間。もしくは1日8時間で週3日勤務というような人もここに当てはまりそうです。

出典:政府統計の総合窓口 e-Stat 妻及び夫の就業状態・農林業・非農林業・従業上の地位・月末1週間の就業時間・月間就業時間,世帯の家族類型別夫婦のいる世帯数

年代別・共稼ぎの世帯年収は?

(写真=Solis Images/Shutterstock.com)

では、共働き夫婦の世帯年収はどのくらいでしょうか?

2016年の総務省「家計調査(家計収支編)」によると、夫婦共働き世帯の平均実収入は57万909円(年換算で685万908円)。1999(平成11)年に比べると実質5.0%減っているそうです。

実収入の内訳をみると、世帯主の実収入が38万8,448円(年換算で約466万円)、配偶者の実収入が12万9,615円(約155万円)となっています。

年代別で見ると、次の通りとなっています。

▽2人以上で暮らす勤労者世帯(配偶者も収入がある共働き世帯)の年代別の世帯年収
~29歳:432万4,272円(1カ月あたり36万256円)
30~39歳:559万8,024円(1カ月あたり46万6,502円)
40~49歳:647万9,040円(1カ月あたり53万9,920円)
50~59歳:713万7,432円(1カ月あたり59万4,786円)

出典:総務省統計局 夫婦共働き世帯の家計

政府統計の総合窓口 e-Stat 世帯人員・世帯主の年齢階級別 二人以上の世帯・勤労者世帯

社会人経験の少ない20代の場合は共働きでも年収の平均が400万円台である一方で、年代が上がっていくごとに、共働き世帯の世帯年収は上がっていっていることがわかります。

40代以降は管理職になる人の数も増えるため、結果として世帯年収が増加していることが考えられます。

共稼ぎで世帯年収1,000万円以上の割合は?

(写真=Nestor Rizhniak/Shutterstock.com)

共稼ぎの場合、なかには世帯年収が1,000万円以上になる世帯も存在します。

総務省「平成26年全国消費実態調査」によれば、2人以上の勤労者世帯(配偶者も収入がある共働き世帯)で、調査対象となった2万7,075世帯のうち、1,000万円以上の世帯年収の数は、下記の通りです。

1,000万円~1,250万円:2,481世帯
1,250万円~1,500万円:1,054世帯
1,500万円以上:644世帯

上記のデータから計算すると、世帯年収が1,000万円以上の世帯は、全体の約6.5%。少数派でありながらも、世帯年収が1,000万円以上ある世帯は、約16~17世帯のうち1世帯程度の割合で存在することがわかります。

出典:世帯人員,年間収入階級別1世帯当たり1か月間の収入と支出

年代別共稼ぎの貯金額は?

(写真=InesBazdar/Shutterstock.com)

総務省「家計調査(家計収支編)」(2016年)によれば、2人以上の勤労者世帯(共働き世帯)の1世帯あたりの平均預貯金額は、下記の通りです。

29歳以下:307万869円
30~39歳:397万31円
40~49歳:436万505円
50~59歳:466万459円

こちらも世帯年収と同じように、年齢が上がるにつれて、預貯金額も増えていることがわかります。

出典:世帯人員・世帯主の年齢階級別・勤労者世帯

また、総務省「平成26年全国消費実態調査」によれば、共働き世帯の預貯金額の平均は、下記の通りです。

2人家族:314万567円
3人家族:343万898円
4人家族:369万046円
5人家族:388万984円

出典:第 13 表 世帯人員別1世帯当たり1か月間の収入と支出(勤労者世帯・Excel表 預貯金 2人~5人 の欄を参照)

共働き夫婦は、生計をともにする家族の人数が多いほど、預貯金額も多いことがわかります。