(本記事は、大江加代氏の著書『図解 知識ゼロからはじめるiDeCo(個人型確定拠出年金)の入門書』、ソシム社、年月日刊の中から一部を抜粋・編集しています)

【『知識ゼロからはじめるiDeCoの入門書』シリーズ】
(1)iDeCoは最強の「じぶん専用年金」
(2)iDeCoがもたらす3つの「税金のメリット」

※以下、書籍より抜粋

iDeCo 3つの税金のメリットは?

税金のメリット1 掛け金の全額が控除される

税金に関する1つ目のメリットは掛け金、すなわち自分が積み立てるお金に対する税金の優遇です。では、具体的にどのような優遇であるかというと、これは「自分が出したお金の全額が所得から控除される」ということです。

・控除されると税金が減る!

「所得から控除」といってもわかりにくいかもしれませんので、もう少し丁寧に解説します。

会社勤めの人の例で考えてみましょう。会社勤めの人の場合、もらった 給料の全額(これを「収入」といいます)に対して税金がかかるわけではありません。

税金がかかる金額を計算するには、まず「給与所得控除」といわれる部分を差し引きます。残った部分が「所得」です。

そこからさらに各種の控除が差し引かれます。

例えば、配偶者が働いていない場合などでは配偶者控除、病気になって一定の金額以上の医療費がかかった場合は医療費控除、住宅を購入してローンを 組んだ場合の住宅ローン控除などがあたります。

そうした各種控除を差し引いたものが「課税所得」と呼ばれるものであり、税金はこの金額に対して税率 を掛けて計算します。

iDeCoでは掛け金の全額が控除対象

iDeCoの掛け金は全額が控除の対象となるため、各種控除を引いた「課税所得」の額が少なくなることによって、負担する税金の額が減ります。会社勤めの人であれば、多くの場合、これらのお金は 年末調整で戻ってきます。

仮にもとの課税所得が400万円で年間の掛け金合計が27万6千円の人の場合、少なくなる税金は年間8万4千円です。収入の増減によって金額は変わりますが、決して少なくない金額だといえます。

※2011年12月31日以前の契約の場合は7万8千円。

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税金のメリット2 運用益に税金がかからない

税金に関する2つ目のメリットは、運用益の非課税です。これはiDeCoでお金を積み立てた場合、預金や投資信託などで運用して得られる利息や売買益に対して、まったく税金がかからないということなのです。

運用益の非課税は大きなメリット

例えば預金であれば、現在のような超低金利時代ではたいしたことのない金額にしかなりません。し かし投資信託の場合、ある程度の利益が出れば、その利益に対する税金がかからないというのはたいへん大きいメリットなのです

では、具体的にどれくらいお得になるのか、実際に計算してみましょう。

税金次第で元利合計額の差が大きくなる

前提条件として、会社勤めの人が仮に毎月限度額いっぱいの2万3千円を30歳から60歳まで積み立てたとしましょう。積立金額の累計は828万円です。もしも30年間にわたって平均利回りが年3%で運用できた場合、通常の税率20%で計算すると手取りの元利合計額は1209万円です(計算には復興特別所得税は考慮していません)。

ところがiDeCoの場合は税金がまったくかからないため、同じ利回りで増えた結果の元利合計額は1339万円となります。なんと、税金がかからないことによって130万円も増えるのです。

税金のメリット3 受け取り時にも税優遇がある

・受け取り方法は2通り

iDeCoでは積み立てをするときや運用している間は、利益に対して税金がかからないと解説しましたが、受け取るときには税金がかかります。それも、優遇措置があるとはいえ、運用益だけではなく、受取総額に対して課税されます。

「自分が出したお金まで?」と驚くかもしれません。これは、「税金のメリット2」で解説した「運用益の非課税」が、厳密には「非課税」ではなく「課税の繰り延べ」で、ほかの年金や退職金を合算して多少の課税を行なうというしくみによるためです。

では、受け取り時にかかる税金ですが、これは受け取り方法によって異なり、次の2通りの方法に大きく分けられます。

 1つは「一度にまとめて受け取る方法(一時金)」、 もう1つは「毎年少しずつ受け取る方法(年金)」 です。どちらの場合でも税優遇があります。

なお、多くの金融機関ではこの2つの方法を併用して受け取ることも可能です。

・受け取り方法で控除の種類が異なる

まず、「一度にまとめて受け取る」場合は、会社の退職金と同じように「退職所得控除」という優遇枠が適用されます。積み立てた年数によって金額は異なりますが、仮に30年積み立てた場合、受け取り額1500万円までは税金がかかりません。

一方、「毎年少しずつ受け取る」場合は、年金の受取額に適用される「公的年金等控除」が適用され、こちらも一定金額までは税金がかかりません。

(画像=Webサイトより ※クリックするとAmazonに飛びます)

著作者:大江加代
確定拠出年金アナリスト、オフィス・リベルタス取締役、年金学会会員。野村證券に22年間勤務。株式会社オフィス・リベルタスの取締役を務める。ウェブサイト「iDeCoナビ」をNPO法人確定拠出年金教育協会の理事として立ち上げる

監修:大江英樹
経済コラムニスト。大手証券会社で定年まで勤めた後に独立。シニアライフ、行動経済学、確定拠出年金、資産運用等をテーマとして執筆や講演活動を行っている。厚生労働省社会保障審議会企業年金部会の「確定拠出年金の運用に関する専門委員会」の委員を務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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