(本記事は、萩原博子氏の著書『投資バカ 50歳を過ぎたら取ってはいけないお金のリスク』宝島社、2018年8月24日刊の中から一部を抜粋・編集しています)

【 『「50歳を過ぎたら取ってはいけないお金のリスク」のつくり方』シリーズ】
(1)初心者が投資をする前に心がける「5つの鉄則」とは?
(2)実はスゴイ「公的な保険」がこれだけ優れている4つの理由
(3)保険に入る前にチェックしておく「3つの大事なこと」
(4)賃貸かマイホームか 選ぶときに「資産価値」よりも大事なものとは?
(5)相続税の節税対策は5年かかる?親が元気なうちにやっておきたい6つのこと

※以下、書籍より抜粋

介護、相続ーー親が元気なうちにやっておきたい6つのこと

親の話は、時間をかけ聞くことが大切。

コミュニケーションを重ねるうちに、親のほうからこの先の考えを語ってくれるときがやってくるでしょう。

そこで次の段階として、親子が腹を割って話し合えるテクニックをお教えしましょう。

1.盆と正月は親兄弟姉妹が一度に集まる時間を決める

親の介護問題や相続争いは、相手を思いやる心が足りないことから起こりがち。

せめて盆と正月には、実家に兄弟姉妹全員が一度に集まれるようお互いにスケジュールを調整しましょう。

お互いの顔を見て、それぞれの家庭の様子を探るだけでも、いざというとき助け合えます。

2.LINEやFacebookを使って親と繋がろう

親子で近況を知らせ合うには、SNSが便利です。

LINEは操作が簡単であり、私の知り合いの82 歳になる母親も、「らくらくホン」でLINE操作ができるようになりました。

子どもからの一方通行のメッセージでも親は嬉しいものだし、「既読」だけでも親の安否がわかります。

Facebookやテレビ電話でも、お互いの暮らし、体調の変化くらいはわかります。

用事がなくてもやりとりを繰り返すことで、仲のよい親子関係が再構築できることでしょう。

可能なら親のスマホ代を「家族割り」で子どもが払ってあげるのがベスト。これは財産分けのとき、大きなアドバンテージになるからです。

3.親に物を片付けるよう、さりげなく誘導する

物を捨てるのはもったいないと思う親世代にとって、家の中を片付けることは、自己否定にも繋がります。

そこで、片付けを促すには、「使いやすくしよう」「整理しよう」と声をかけ、少しでも実現できたら、「すっきりして気持ちがいいね」と片付けをプラスの方向に持っていくことが大切です。

親に向かって、片付いていないと怒るのは禁物。

4.親も子も、エンディングノートを書く

親にいきなりエンディングノートを渡し、「書いて」というのはケンカの原因になります。

そこでまずは子どもが書き、親に見せるのはどうでしょうか。

そのとき、正直に家計をさらけ出し、自分たちにはお金がないことをアピールするくらいでないと、「贈与」はしてもらえません。子どもが下手に出てこそ、親の気持ちは動きます。

東日本大震災以来、50代から「終活」を始める人もいます。

エンディングノートを書くのは、親子で静かに人生を見つめるよい機会です。

5.兄弟姉妹で親の介護を話し合っておく

親は、いつまでも元気とは限りません。

年月がたつにつれ、病気やケガ、認知症などで介護が必要になる覚悟をしなくてはいけない親も増えます。特に片親が亡くなると、もう一方の親が一人暮らしになって、元気を失いがち。

さらに介護状態になったときのことを考えて、兄弟姉妹で早めの話し合いを。介護状態になってからでは、感情のもつれが起き
やすく、揉める原因になります。

6.親子で協力をし、節税を始める

親が資産家で、高額な相続税を払わなければならない家族は、誰が何を引き継ぐのか兄弟姉妹で牽制し合っている場合ではありません。

相続税は、親が元気なうちから行動を起こせば、節税の方法がたくさんあります。

しっかりした節税対策には、最低でも5年はかかります。親子兄弟で力を合わせて無税で財産を引き継ぎましょう。

(画像=Webサイトより ※クリックするとAmazonに飛びます)

荻原博子(おぎわら・ひろこ)
経済ジャーナリスト。大学卒業後、経済事務所勤務を経てフリーの経済ジャーナリストとして独立。経済の仕組みを生活に根ざした視点から、わかりやすく解説する第一人者としてテレビ、ラジオ、新聞、雑誌など各種メディアで活躍中。近著に『投資なんか、おやめなさい』(新潮新書)、『老前破産 年金支給70歳時代のお金サバイバル』(朝日新書)、『荻原博子のグレート老後 人生100年時代の節約術』(毎日新聞出版)など。

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