企業では年に一度、商品の在庫を数える棚卸しという作業をします。

アラフォー世代なら、そろそろ一度は自分の資産について棚卸しをしてみませんか。

企業が棚卸しをすることによって「次はどのくらい商品を仕入れたらよいか」などを判断するのと同じように、私たちが自分の資産を棚卸しすることで、「将来のために次に何をするべきか」を正しく判断できますよ。

老後のために築いておくべき「6つの資産」とは?

老後のための「資産」とは、預貯金や株などの金融資産だけではありません。棚卸しするべき資産には主に下記のような6つの資産があります。

棚卸し資産1:預貯金

まずは、普通預金と定期預金の通帳を全て記帳して、正確な残高を把握しましょう。今は使っていない口座にも、意外とお金が残っているかもしれません。

棚卸し資産2:公的年金

公的年金の受取額を知る方法は2つあります。

1つ目は、毎年1回、誕生月に届く「ねんきん定期便」です。ここに書かれている「加入実績に応じた年金額」は、これまで納めた国民年金と厚生年金から計算された年金額です。

ただし50歳未満の人の「ねんきん定期便」には、これから60歳までに納める保険料は計算に入っていないので、記載されている金額は実際にもらえる金額より少なくなっています。50歳以上の人には、このまま60歳まで年金加入を続けた場合を想定した金額が記載されています。

そこで、2つ目の方法として、50歳未満でも将来の年金額の試算ができる「ねんきんネット」があります。

ねんきんネットはねんきん定期便に記載のアクセスキーを使って利用できますが、アクセスキーの有効期限は3ヵ月間です。期限以降は、年金手帳の基礎年金番号を入力して手続きをします。

(写真=PIXTA)

棚卸し資産3:個人年金

公的年金の他にも企業からもらえる退職金なども私たちの大切な老後の資産です。ここには企業年金、iDeCo(個人型確定拠出年金)、国民年金基金も当てはまります。

▽個人年金の金額を確認する方法

  • iDeCo    、国民年金基金……加入している年金基金のWebサイトなどで照会できます。
  • 企業年金……現在や過去の勤務先に、厚生年金基金などの企業年金制度があれば、総務部門などで金額の確認方法を聞いてみましょう。退職した会社で勤務年数が10年未満の厚生年金基金は「企業年金連合会」という団体が引き継いでいますので、Webサイトの「企業年金記録確認サービス」で照会できます。

棚卸し資産4:株や投資信託の時価

もし、株や投資信託などの金融資産を持っていれば、これらも老後の資金として計算しましょう。何年も前に購入してほったらかしにしている商品はありませんか?この機会に、今売却したらいくらになるのか冷静に書き出してみたり、積立投資の場合は現時点での積立額を確認すると良いでしょう。

棚卸し資産5:親の遺産

不謹慎だ、などと考えてはいけません。親が元気なうちの方が、もしもの際の相続をどうするか、気軽に話し合いができるものです。その際、介護や葬儀の希望など、してほしいことも聞いてあげてください。

兄弟姉妹がいる場合は、不動産や預貯金の配分をどう考えているのか、さりげなく聞いてみましょう。

ただし、いきなり市販のエンディングノートをプレゼントするのはかえって親から本音を聞き出せなくなる可能性もあるので要注意。親の性格を考慮して判断してくださいね。

棚卸し資産6:マイナスの資産

住宅ローンやクレジットカードの残額も、合計額を計算してみましょう。マンションを購入していても、住宅ローン借入額が残っている場合は、まだ資産とはいえません。

未来のお金を無駄なく計画する

6つの資産の合計が今のあなたの老後資産です。

年に一度、資産を棚卸しする習慣をつけておくと、貯めるお金と使うお金のメリハリがつけやすくなりますよ。老後も今も、安心してお金を使えますように!

文・深川美幸(ファイナンシャルプランナー)

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