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2018/07/29

税金がかかる年金、かからない年金の違いは?

(写真=Africa Studio/Shutterstock.com)
(写真=Africa Studio/Shutterstock.com)
年金には、みなさんが必ず加入しなければならない公的年金と、加入するかどうかを自分で決めることができる私的年金があります。また私的年金の中にも税制優遇があるものからないものまでさまざま。年金というと受け取る額に意識がいきがちですが、今回は差し引かれる税金についてご紹介します。

必ず加入している公的年金の税金


日本に住んでいる人は、会社で働いている人であれば厚生年金、自営業者や主婦の方であれば国民年金というように、必ずどれか1つには年金に加入しています。この必ず加入しなければならない年金のことを、公的年金といいます。

基本的には公的年金にも税金はかかります。しかし、65歳未満であれば70万円まで、65歳以上なら120万円までであれば、税金はかかりません。
 

まず、私たちが受け取る収入は、給与所得や利子所得など、その性格によって細かく分類されますが、年金による収入は、普通は「雑所得」という扱いになります。

雑所得の金額は、通常は収入金額から必要経費を差し引いた金額になるのですが、公的年金などを受け取った場合は、収入金額から表1の「公的年金等控除額」を差し引いて計算します。

例えば、65歳以上の人で、公的年金の収入が350万円の場合には、雑所得の金額は、

350万円 × 75% - 37万5,000円 = 225万円

となり、この225万円と他の所得を合わせた所得の合計額に、税金がかかることになります。

公的年金を補うための私的年金

公的年金以外の、自分で加入するかしないかを選べる年金を私的年金といいます。

一口に私的年金といっても、公的年金を補う目的で設立され、公的年金と同じような税制優遇を受けられるものから、民間の保険会社が取り扱うものまで、さまざまです。

会社で加入している人も多い企業型確定拠出年金や、各種金融機関で申し込める個人型確定拠出年金、通称iDeCo(イデコ)は、公的年金を補う制度という位置付けなので、受け取る時に税金が優遇されます。

これら確定拠出年金の受け取り方は、5年間、10年間などその期間一定額ずつ受け取る年金形式と、一度に受け取る一時金形式の2パターンがあります。

まず、年金形式で受け取る場合は、前章でご紹介した「公的年金等控除」の対象となり、60歳未満であれば年間70万円まで、65歳以上であれば年間120万円まで税金はかかりません。
 

次に、一時金で受け取る場合ですが、この場合は「退職所得」という扱いになり、退職所得控除が利用できます。

退職所得控除の額は、表2の「退職所得控除額の計算の表」の通りです。

例えば、勤続年数が30年の方の場合、退職所得控除の額は、

800万円 × 70万円 × (30年 - 20年) = 1,500万円

となり、1,500万円まで税金がかからないことになります。

民間会社が取り扱う個人年金保険

私的年金には、前章でご紹介した公的年金に準じるもののほか、民間の会社が取り扱う個人年金保険などがあります。

こういった民間会社が取り扱う私的年金は、保険料を払う人と年金を受け取る人が同じ場合、雑所得に分類されるのは同じですが、公的年金等控除が適用されません。なので、所得の金額は通常の雑所得の計算方法である(総収入金額 - 必要経費)で計算します。

例えば、80万円を10年間受け取る個人年金保険に加入し、その保険料が総額600万円だったとします。

1年間で考えると、収入金額は80万円、必要経費である保険料は1年あたり60万円になるので、雑所得は、

80万円 - 60万円 = 20万円

となり、この20万円と他の所得の合計に税金がかかることになります。

いくら受け取れるかだけではなく、税金も視野に入れよう

老後のライフプランを考え始めたとき、老後資金の軸となる「年金」にも税金がかかるとわかって、驚かれる方も多いのではないでしょうか。

年金というと、将来いくら受け取れるか、また掛けた保険料に比べ、どれぐらい得をするかということに注意がいきがちですが、年金の種類によって税金が大きく変わってきます。

公的年金や確定拠出年金は、公的年金等控除や退職金控除が利用できますし、また公的年金等控除額は65歳以上になるとさらに大きくなります。自分は将来どれぐらいのお金を用意すればいいのかや、何歳から年金を受け取る予定なのかも考えながら、自分にあった年金を選んでみてください。

文・松岡紀史(ライツワードFP事務所代表・ファイナンシャルプランナー)

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