海外旅行先でのアクシデントに備えた、海外旅行保険。短期間の加入でもある程度の保険料になるため、その必要性に疑問を抱いている人も多いのではないでしょうか。クレジットカードに海外旅行保険が付帯されている場合、「それで十分なのでは?」とも感じますよね。海外旅行保険とはどういうものでなぜ必要なのでしょうか。クレジットカードの補償では不十分なのでしょうか。

海外旅行でトラブルに遭う人は意外に多い

(写真=Blue Planet Studio/Shutterstock.com)

「海外旅行先でトラブルに遭うことなんて、ほとんどないのでは?」と考える人は、少なくありません。確かに、危険な国や地域に行くのならばともかく、比較的治安の良い国や観光名所に行くだけならば、これといったリスクがないようにも感じてしまいますよね。

2016年にトラブルに遭った人は2万人以上!

外務省が発表したデータによると、2016年に事故や犯罪、災害、病気など、何らかのトラブルに遭った人は2万437人にのぼります。この年の海外渡航者数が1,711万6,420人ですので、約800人に1人は何らかのトラブルに遭っている計算になります。

また、この数字はあくまでも外務省が把握している「援護人数」ですので、現地で体調を崩して病院に行ったり、盗難などの被害に遭ったり、携行品を壊されてしまったりした人も含めると、その数はさらに増えることが予想されます。

海外では高額な治療費を請求されるケースもある

海外の医療機関で治療を受けると、治療費全額を自己負担するのが一般的です。実際、渡航先のハワイで体調を崩しICUで治療を受けた人に対し、約3,800万円の治療費が請求された事例もあります。日本には「海外療養費制度」があり、帰国後所定の手続きを行うことで、支払った医療費の一部の払い戻しを受けることは可能です。しかし、いくら払い戻されるとはいえ、一度に数百万、数千万円の大金を支払うのはなかなか難しいでしょう。

病気やケガは、渡航先の危険度に関係なくいつ起こるかわかりません。いざというときに金銭的な問題で治療を受けられない……といったことにならないよう、海外旅行に行く際は何らかの「備え」を用意しておく必要がありそうです。

クレジットカード付帯の海外旅行保険では不足なのか?

最近は、海外旅行保険が付帯されているクレジットカードが増加傾向にあります。そのため、「わざわざ海外旅行保険に加入しなくても、クレジットカードについている保険で十分なのでは?」と感じる人も多いはずです。クレジットカードに付帯されている海外旅行保険ですが、例えば「三井住友カード クラシック」の場合、その補償内容は以下のようになっています。

  • 傷害死亡、後遺障害……最高2,000万円
  • 傷害治療費用……1事故の限度額50万円
  • 疾病治療費用……1疾病の限度額50万円
  • 賠償責任……1事故の限度額2,000万円
  • 携行品損害……1旅行中かつ1年間の限度額15万円
  • 救援車費用……1年間の限度額100万円 海外で治療を受けると高額な費用を請求されるケースがあることを考えると、上記の保障内容では少し不安ですよね。また、病気によって死亡した場合は補償を受けることができません。