自分の老後について、漠然とした不安を抱えている方は多いのではないでしょうか。特に、「老後破産」や「2,000万円問題」といったネガティブな情報も多い昨今、お金のことを心配する声がよく聞かれます。ただ、対策はありますよ。

老後に危機感!早めに取り組んだ夫婦の事例

Mさんは、45歳のときに届いた大きな封書の「ねんきん定期便」を見て、そこに書いてあった「年金額」に衝撃を受けたそうです。

月額に直すと10万円に満たないほどで、思っていたよりずっと少なく、「これではまったく生活できない!」と思ったMさん夫妻は、あわてて老後について考え始めます。

実はMさんが見たのは「これまでの加入実績に応じた年金額」だったので、将来もらえる年金額の予測ではありませんでした。実際に受給できる金額は、今後もMさんが働けば働くほど増えていきます。

慣れない書類で勘違いをしたことがきっかけで、Mさん夫妻は自分たちが置かれている状況や将来のことを真剣に考える機会を持てました。

年金や退職金はいくらもらえそうで、自分たちの老後の生活費はいくらか、足りない分を用意するにはどんな方法があるのか、必要な情報を手に入れて夫婦でよく話し合ったことで、貯金の目的と目標が明確になってはかどるようになり、資産運用も始められました。

今は「このままいけば大丈夫そうだ」という予測がついているので、過度な不安に駆られることはなく、「まぁ、もし足りなさそうになったら老後も月数万円分だけでも働けばなんとかなる」と前向きに考えています。

自分が将来もらえる年金っていくら?

老後に困らないようにするには、「自分のお金の現状や公的制度を把握して、計画的に将来に備えておくこと」が大切です。

年金保険料を毎月支払っていても、老後にもらえる年金がいくらになるのかまったく知らないという方も少なくありません。制度は変わることもありますが、目安だけでも知っておくと将来設計を考えるときに役立ちます。

自分の年金額を知りたいなら、いちばん正確なのは、ねんきん定期便で確認したり年金事務所に問い合わせたりすることです。ちなみに、厚生労働省の年報によると、自営業・フリーランスや無職の方などが加入する「国民年金(老齢基礎年金)」では平均受給額はおよそ月5万5,000円、会社員などの「厚生年金(老齢厚生年金)」ではおよそ月14万5,000円でした。