貯める&備える
2020/08/01

介護費用はいくらかかる?高齢の親を支えるために必要な金額とは

(写真=PIXTA)
(写真=PIXTA)

脳梗塞で倒れて入院中の高齢の父を持つUさん。このまま介護が必要な状態になる可能性があり、父の体調だけでなくお金の面でも不安を抱えていました。

Uさん(45歳)は一人娘で、ともに70代の両親とは離れて暮らしています。自身の老後に備えて1,000万円ほどの貯金はありますが、親の暮らしを支えられるだけの余裕はないのではとのこと。果たして本当にそうなのでしょうか。

もし親が介護状態になったらいくらかかる?

生命保険文化センターが行った調査によると、介護にかかる費用は次のとおりです。

(出典:生命保険文化センター「生命保険に関する全国実態調査」平成30年度)

 

同調査では、介護期間の平均は4年7ヵ月という結果が出ています。平均値から、家の改修や介護用品の購入など一時的にかかるお金が70万円、月額8万円が5年間続くと考えると、その総額は550万円です。

これは一つの目安で、もちろんお父さんの体調がどのような状態で落ち着くかによっても変わるでしょう。でもこのままもう少し考えてみましょう。もし550万円を全額Uさんが支払った場合、Uさんの貯金額は約450万円になります。

この金額だとご不安かもしれませんが、例えば今から月5万円ずつ貯金していけば、60歳までの15年間で新たに900万円貯金できます。450万円+900万円、さらにUさんの会社には退職金があるので老後には2,000万円を超える金額が用意できるでしょう。

2,000万円を、90歳になるまでの30年間で取り崩すとすると、月5.5万円使える計算です。Uさんは厚生年金があるので月15万円ほどの年金が見込めます。つまり、合わせて月20万円ほどは生活費として使えますね。

ざっくりしたシミュレーションですが、これなら過度に恐れなくても案外暮らしていけそうな気がするのではないでしょうか。もし足りなければ60歳以降も月5万円分だけ働く、などの方法でもまかなえます。

ただ、Uさんの場合、本当にこの費用をご自身で出す必要があるかというところから確認しておくべきでしょう。もしかしたらご両親は「子どもに面倒をかけたくない」と思って、貯金や保険などで備えているかもしれません。

親の介護の可能性が出てきたら。今のうちにできること

家族で話し合っておく

まず、親(お父さんが難しければお母さん)とじっくり話し合ってみましょう。医療費や介護費用は工面できそうなのか、介護になったら世話はどうするのか、娘の自分にできることはあるか、などです。

子が親を心配しているのと同じように、親も子を心配して気を使っているかもしれません。親が高齢になってきたら密にコミュニケーションを取って、お金の話などもざっくばらんに話してもらえるような環境を作っておけるといいですね。

介護に関する情報を集めておく

もし今後、本格的に介護が始まったときのことを考えて、必要な情報を集めておくとよいでしょう。介護の方法、要介護認定のこと、さらにお金に関して言えば「介護保険」や「高額介護サービス費」など介護費用を抑えるための公的制度はたくさんありますよ。

お母さんだけでは調べるのは大変かもしれませんので、Uさんが調べて教えてあげられるといいですね。そこから、今後のことやお金のことについて腹を割って会話するきっかけになるかもしれません。

介護離職の判断は慎重に

近年、介護を理由に仕事を辞める人が増えており、社会問題になっています。離職すれば介護にかける時間は長く取れるようになりますが、収入は激減しますし、再就職のハードルも高いです。

Uさんの場合、ご両親が遠方に住んでいるので心配かもしれません。また、今後もしお母さんの方にも何かあったらと考えることもあるでしょう。ただ、離職に関しては慎重に考えましょう。

介護休業給付のような制度もありますし、国や自治体が設置している相談窓口もありますよ。

一人で悩まずに、周りを頼りながら乗り越えよう

もし親が介護を必要とする状態になったとしても、自分だけで抱え込まないようにしましょう。不安は尽きないかもしれませんが、自分と親を取り巻くお金の状況を正しく把握して、親や会社と話をしたり社会保障制度を活用したりしながら、なんとか乗り越えていきたいですね。

 
文・ばばえりFP事務所代表)
自身が過去に「貧困女子」状態でつらい思いをしたことから、お金について猛勉強!銀行・保険・不動産などお金にまつわる業界での勤務を経て、独立。むずかしいと思われて避けられがち、でも大切なお金の話を、ゆるくほぐしてお伝えする仕事をしています。AFP資格保有。

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