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2020/07/07

年金を75歳から受け取ると84%増える?年金改革法が成立

(写真=PIXTA)
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新型コロナウィルスの影響で国民の生活が制限される中、年金の受給開始年齢を75歳まで繰り下げられるようにする年金改革法が成立しました。この法案により年金の受給開始年齢を60歳から75歳まで選べるようになりますが、結局は何歳から受給するのが1番得をするのでしょうか。今回は平均寿命まで生きた場合にもらえる年金総額を男女別にご紹介します。

年金の受給開始年齢が75歳まで選べるようになる?

(写真=PIXTA)

受給開始年齢の選択肢が広がる

現在公的年金の受給開始年齢は原則として65歳ですが、実はこの年齢は60歳から70歳まで選ぶこともできます。今回の法案はその受給開始年齢をさらに75歳まで引き上げようというものです。

繰上げ受給と繰下げ受給で年金額はどう変わる?

何歳から年金を受給しても年金額が変わらないのであれば早く受給した方が得になってしまいます。そこで、年金を早くもらう繰上げ受給では1ヵ月につき0.5%ずつ年金額は減額され(表1)、年金を遅くもらう繰り下げ受給では1ヵ月につき0.7%増額されます(表2)。

表1.繰り上げる時期ごとの減額率
請求時
の年齢
0
ヵ月
1
ヵ月
2
ヵ月
3
ヵ月
4
ヵ月
5
ヵ月
6
ヵ月
7
ヵ月
8
ヵ月
9
ヵ月
10
ヵ月
11
ヵ月
60歳 30.0 29.5 29.0 28.5 28.0 27.5 27.0 26.5 26.0 25.5 25.0 24.5
61歳 24.0 23.5 23.0 22.5 22.0 21.5 21.0 20.5 20.0 19.5 19.0 18.5
62歳 18.0 17.5 17.0 16.5 16.0 15.5 15.0 14.5 14.0 13.5 13.0 12.5
63歳 12.0 11.5 11.0 10.5 10.0 9.5 9.0 8.5 8.0 7.5 7.0 6.5
64歳 6.0 5.5 5.0 4.5 4.0 3.5 3.0 2.5 2.0 1.5 1.0 0.5

表2.繰り下げる時期ごとの増額率(70歳1ヵ月以降は仮の値)
請求時
の年齢
0
ヵ月
1
ヵ月
2
ヵ月
3
ヵ月
4
ヵ月
5
ヵ月
6
ヵ月
7
ヵ月
8
ヵ月
9
ヵ月
10
ヵ月
11
ヵ月
66歳 8.4 9.1 9.8 10.5 11.2 11.9 12.6 13.3 14.0 14.7 15.4 16.1
67歳 16.8 17.5 18.2 18.9 19.6 20.3 21.0 21.7 22.4 23.1 23.8 24.5
68歳 25.2 25.9 26.6 27.3 28.0 28.7 29.4 30.1 30.8 31.5 32.2 32.9
69歳 33.6 34.3 35.0 35.7 36.4 37.1 37.8 38.5 39.2 39.9 40.6 41.3
70歳 42.0 42.7 43.4 44.1 44.8 45.5 46.2 46.9 47.6 48.3 49.0 49.7
71歳 50.4 51.1 51.8 52.5 53.2 53.9 54.6 55.3 56.0 56.7 57.4 58.1
72歳 58.8 59.5 60.2 60.9 51.6 62.3 63 63.7 64.4 65.1 65.8 66.5
73歳 67.2 67.9 68.6 69.3 70.0 70.7 71.4 72.1 72.8 73.5 74.2 74.9
74歳 75.6 76.3 77.0 77.7 78.4 79.1 79.8 80.5 81.2 81.9 82.6 83.3
75歳 84.0                      

受給開始年齢ごとに受け取れる年金総額を比較 

(写真=PIXTA)

では、具体的に受給開始年齢をそれぞれ60歳、65歳、70歳、75歳としたとき、一般的な寿命まで生きたとすると年金は総額いくらもらえるのか、男女別に比較してみましょう。

厚生労働省が2019年に発表した「平成30年度厚生年金保険・国民年金事業の概況(2018)」によると、2018年末の厚生年金の平均月額は男性で16万3,840円、女性で10万2,558円でした。また、「平成30年簡易生命表(2018)」によると、60歳の人の平均余命は男性で23.84年、女性で29.04年となっています。これらの数値をもとに計算すると、平均余命まで生きた場合の男女別の生涯年金総額は以下の結果になりました。

表3.男性の受給開始年齢ごとの年金受給総額
受給開始年齢 減額or増額率 年金月額 平均余命まで 年金総額
60歳 -30% 11万4,688円 23.84年 3,280万9,943円
65歳 16万3,840円 18.84年 3,704万947円
70歳 +42% 23万2,652円 13.84年 3,863万8,844円
75歳 +84% 30万1,465円 8.84年 3,197万9,407円

表4.女性の受給開始年齢ごとの年金受給総額
受給開始年齢 減額or増額率 年金月額 平均余命まで 年金総額
60歳 -30% 7万1,790円 29.04 2,501万7,379円
65歳 10万2,558円 24.04 2,958万5,931円
70歳 +42% 14万5,632円 19.04 3,327万3,999円
75歳 +84% 18万8,706円 14.04 3,179万3,186円

男女とも70歳から年金を受け取るケースが生涯でもらえる年金額が最も多くなっています。現状の平均寿命では、年金の受給開始年齢を75歳まで繰り下げると損をする可能性の方が高いと言えます。
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