せっかく投資するなら利益は大きいほうがいいと思いませんか?お金を増やす目的でリスクを取るのですから、 その見返りとしてリターンを求めることは当然でしょう。
大きな利益を狙うなら「利回り」が大切です。そこで本記事では、近年人気の「つみたてNISA」対象銘柄の利回りランキングを作成しました。資産タイプ別に利回りが高い計15銘柄をまとめています。
記事の最後では15銘柄をすべて取り扱う証券会社も紹介します。ぜひ最後までご覧ください。
つみたてNISA(積立NISA)とは

つみたてNISA未経験者のため、まずはつみたてNISAの概要を押さえましょう。つみたてNISAは2018年にスタートした非課税制度で、 投資の利益に税金がかからない点が魅力です。概要を以下にまとめました。
- 投資できる金額:40万円/年
- 投資できる期間:2042年まで
- 投資できる商品:投資信託(金融庁が認可した一定のものに限る
つみたてNISAは年間40万円を上限に 投資信託に少しずつ投資する制度です。40万円を一括投資することはできず、「毎月1回」など定期的に投資(積立投資)していきます。
2042年まで投資できるので、2021年から始めれば累計で880万円まで投資可能です。年間では40万円でも、 継続すればまとまった資産が作られそうですね。
つみたてNISAで投資できる投資信託は、 長期投資に向くよう金融庁が設定した厳しい条件をクリアした銘柄だけです。特にコスト面に厳しい条件が設けられ、販売手数料ゼロ、信託報酬(投資信託の運用コスト)が一定以下の銘柄に限定されています。
銘柄選びに自信がない 初心者の方でも投資信託を選びやすいでしょう。
つみたてNISA(積立NISA)の投資信託の種類
つみたてNISAで投資できる投資信託は、大きく 「国内型」「海外型」「バランス型」に分かれます。概要を以下にまとめました。
- 国内型:国内の資産で運用される投資信託
- 海外型:海外の資産で運用される投資信託
- バランス型:さまざまな資産で運用される投資信託
厳密にはもっと細かく分類できますが、本記事ではこの分類ごとに利回りランキングを紹介していきます。
投資信託の「利回り」とは?

ランキングを紹介する前に、そもそも投資信託の「利回り」とは何なのかを解説します。
「利回り」とは利益の割合
「利回り」とは「投資金額に対する1年あたりの利益の割合」です。
例えば投資信託の利回り5%のとき、投資金額が100万円なら5万円、1,000万円なら50万円の利益を1年で得たということになります。
利回りが大きいほど一般に高いリターンが期待できます。反対に利回りが小さい投資信託はリターンに期待できませんが、その代わりリスクが低い傾向にあるため安定的に運用できるでしょう。
利回りの計算に使う「トータルリターン」を理解しよう
利回りは計算で出すことができます。計算の前に、まずは「利益に関する用語」を確認しましょう。投資信託から得られる 利益は「キャピタルゲイン」と「インカムゲイン」の2種類に分かれます。
・キャピタルゲイン:値上がりによる利益のこと。安く買って高く売ったときの利益。
・インカムゲイン:定期的な利益のこと。投資信託の場合「分配金」が該当。
「分配金」は、投資信託が運用で得た利益の一部を投資家に分配するお金です。投資信託の利回りは、このキャピタルゲインとインカムゲイン両方を加味した「トータルリターン」で計算されます。「トータルリターン」は以下のように算出します。
例えば現在120万円の投資信託の投資金額が100万円で、これまで5万円の分配金を受け取ったとき、トータルリターンは25万円(120万円-100万円+5万円)となります。
ここで出た トータルリターンを利回りの計算で使います。
「利回り」の計算式
利回りは、上で算出した「トータルリターン」を「投資金額」で割ると計算可能です。
計算式に当てはめると、上に示した例の利回りは25%(25万円÷100万円×100)となります。なお、次章から紹介する利回りランキングは直近1年間の実績トータルリターンで作成しています(2021年8月18日時点)。
つみたてNISA(積立NISA)の国内型の利回りランキング
ここから本記事の本題、つみたてNISAの利回りランキングを確認しましょう。「国内型」「海外型」「バランス型」3種それぞれで上位5銘柄ずつご紹介します。まずは「国内型」の利回りランキングを紹介します。
つみたてNISA国内型利回りベスト5
利回り上位5銘柄は以下のようになりました。直近1年間で概ね 30%~30%台後半のトータルリターンを得たようです。
運用会社 | 利回り (1年) |
信託報酬 | ||
---|---|---|---|---|
1位 | 大和住銀DC国内株式ファンド | 三井住友DSアセット | 37.35% | 1.045% |
2位 | NZAM・ベータ日本2資産(株式+REIT) | 農林中金アセット | 31.34% | 0.242% |
3位 | 年金積立Jグロース | 日興アセット | 31.16% | 0.902% |
4位 | 日本株式・Jリートバランスファンド | 岡三アセット | 31.16% | 0.209% |
5位 | ニッセイ日本株ファンド | ニッセイアセット | 29.88% | 0.88% |
つみたてNISAの国内型ランキングの特徴
最も利回りが高かった「大和住銀DS国内株式ファンド」は三井住友DSアセットマネジメントが日本株で運用する「アクティブファンド」です。アクティブファンドとは市場平均を上回る利回りを目指す投資信託のことで、3位の「年金積立Jグロース」と5位「ニッセイ日本株ファンド」も該当します。
一方、市場平均と一致する利回りを目指す投資信託を「インデックスファンド」といい、2位の「NZAM・ベータ日本2資産(株式+REIT)」と4位「日本株式・Jリートバランスファンド」が該当します。この2銘柄は複数の資産で運用する「バランス型」でもあります。
アクティブファンドは信託報酬が高いデメリットがあるため、コスト以上に利益を出せるかが大切です。 1位となった「大和住銀DS国内株式ファンド」は次の表にあるように安定して市場平均(TOPIX)を上回ってきました。運用コストに見合うだけの成績を残したといえるでしょう。
【大和住銀DS国内株式ファンドとTOPIX(配当込)の利回り比較】
大和住銀DS 国内株式ファンド |
TOPIX(配当込み) | |
---|---|---|
1年 | 37.4% | 29.8% |
3年 | 22.6% | 16.3% |
5年 | 71.5% | 61.0% |
設定来 (2006年10月23日~) |
66.8% | 56.4% |
2021年6月時点
会社名 | ![]() |
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商品数 | 174本 | 177本 | 170本 | 151本 | 157本 |
売買手数料 | 無料 | 無料 | 無料 | 無料 | 無料 |
最低投資金額 | 100円 | 100円 | 100円 | 100円 | 100円 |
ポイント還元 | Tポイント | 楽天スーパー ポイント 資産形成ポイント |
松井証券ポイント | マネックスポイント | 毎月ポイント |
積立コース | 毎月 毎週 毎日 |
毎月 毎日 |
毎月 | 毎月 | 毎月 | ココがおすすめ | 豊富な 商品ラインナップ |
楽天ポイント が貯まる |
マネックスポイントが貯まる | サポートが手厚い | 現物株式の取引手数料が最大5%割引 |
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つみたてNISA(積立NISA)の海外型の利回りランキング
次に「海外型」の利回りランキングを見てみましょう。
つみたてNISA海外型利回りベスト5
40%台半ば~後半の利回りを得た銘柄が上位に並びました。 「国内型」よりも良好な成績を残せたようです。
運用会社 | 利回り (1年) |
信託報酬 | ||
---|---|---|---|---|
1位 | EXE-iグローバル中小型株式ファンド | SBIアセット | 49.39% | 0.327%程度 |
2位 | 楽天・全米株式インデックスファンド | 楽天投信 | 46.54% | 0.162%程度 |
3位 | eMAXIS Slim米国株式(S&P500) | 三菱UFJ国際投信 | 44.31% | 0.0968%以内 |
4位 | つみたて米国株式(S&P500) | 三菱UFJ国際投信 | 44.14% | 0.22% |
5位 | iFree S&P500インデックス | 大和アセット | 44.06% | 0.2475% |
つみたてNISAの海外型ランキングの特徴
海外型の利回り ランキング上位はアメリカ株式への投資比率が高い銘柄が占めました。特に2~5位まではこのようにアメリカ株式に100%投資を行うインデックスファンドです。
【アメリカ株式への投資比率(2021年7月末時点)】
・EXE-iグローバル中小型株式ファンド:58.57%
・楽天・全米株式インデックスファンド:100%
・eMAXIS Slim米国株式(S&P500):100%
・つみたて米国株式(S&P500):100%
・iFree S&P500インデックス:100%
海外型の高い利回りは好調なアメリカ株式市場が支えているようです。
首位の「EXE-iグローバル中小型株式ファンド」は世界の中小型株式(大企業ではなく、中~小規模企業の株式)で運用する投資信託です。分類上アクティブファンドとはなっていますが、指数に連動する2つのETF(上場投資信託)で運用されるため、実質的にはインデックスファンドに近いといえるでしょう。
つみたてNISA(積立NISA)のバランス型銘柄の利回りランキング
最後に「バランス型」の利回りランキングを確認しましょう。
つみたてNISAバランス型利回りベスト5
上位には 30%台前半~40%台前半の利回りを稼いだ銘柄が並びました。
運用会社 | 利回り (1年) |
信託報酬 | ||
---|---|---|---|---|
1位 | NZAM・ベータ米国2資産 (株式・REIT) |
農林中金アセット | 43.34% | 0.407% |
2位 | フィデリティ・ターゲット・ デートファンド(ベーシック)2060 |
フィデリティ投信 | 36.93% | 0.38%程度 |
3位 | ニッセイ・インデックス パッケージ(内外・株式/リート) |
ニッセイアセット | 34.95% | 0.3564% |
4位 | eMAXIS最適化バランス (マイストライカー) |
三菱UFJ国際投信 | 32.36% | 0.55%以内 |
5位 | フィデリティ・ターゲット・ デートファンド(ベーシック)2050 |
フィデリティ投信 | 32.05% | 0.38% |
つみたてNISAのバランス型ランキングの特徴
首位の「NZAM・ベータ米国2資産(株式・REIT)」は農林中金全共連アセットマネジメントが運用するバランス型投資信託です。米国の株式とREIT半分ずつで構成されるシンプルな運用で大きな利回りを残しました。
上位銘柄の共通項は「債券比率の低さ」です。バランス型はさまざまな資産で運用しますが、一般に債券の比率が高くなるとリスクが下がり、それに伴い利回りも下がります。上位5銘柄の債券比率は以下の通りで、いずれも低いことがわかりますね。
【債券比率の比較】
・NZAM・ベータ米国2資産(株式・REIT):0%
・フィデリティ・ターゲット・デートファンド(ベーシック)2060:0.3%
・ニッセイ・インデックスパッケージ(内外・株式/リート):0%
・eMAXIS最適化バランス(マイストライカー):4%
・フィデリティ・ターゲット・デートファンド(ベーシック)2050:11.9%
※フィデリティ投信の2銘柄は2021年5月末実績
利回りランキングでは債券比率が低い銘柄が並びましたが、 低リスクで運用したい場合は反対に債券比率が低い銘柄を選ぶといいでしょう。

バランス型利回りランキングの2位と5位にはフィデリティ投信の「ターゲットイヤーファンド」がランクインしました。 ある特定の年をターゲットイヤーとし、ターゲットイヤーが近づくにつれ債券比率を増やしリスクを下げる運用を行う投資信託を指します。
私たちは一般に、年齢が進むにつれリスク許容度が下がります。ターゲットイヤーファンドを上手に使うと、年齢に応じてリスクを自動的に調整可能です。 運用見直しの手間を省きたい方におすすめです。
若山卓也(ファイナンシャルプランナー)
つみたてNISA(積立NISA)を始めるのにおすすめの証券会社

これからつみたてNISAを始める場合、まずは口座を開設しましょう。本記事では「楽天証券」「SBI証券」「松井証券」「SMBC日興証券」をおすすめします。 本利回りランキングで紹介した15銘柄をすべて取り扱っているのはこの4社しかありません。
つみたてNISAの取扱銘柄数 | |
---|---|
楽天証券 | 177本 |
SBI証券 | 175本 |
松井証券 | 170本 |
SMBC日興証券 | 157本 |
(参考)全つみたてNISA対象銘柄の数 | 192本 |
上記はいずれもおすすめの証券会社ですが、つみたてNISAを考えているなら 取り扱いが最多の「楽天証券」で口座開設してみてはいかがでしょうか。
楽天ポイントが貯まる!ポイント投資も可能 楽天証券でつみたてNISAを始める
利回りとリスクの大きさを考慮しつみたてNISAの銘柄を決めましょう

本記事ではランキングを通じ、大きな利回りを残したつみたてNISA対象銘柄を紹介しました。利回り重視の方にはきっと役に立つと思います。
ただし、これらはあくまで過去の実績で、将来の利益は保証されていません。すべての投資信託にはリスクがあるため、紹介した15銘柄にも損をしてしまう可能性が当然あります。
利回りも大切ですが、 リスクについてもしっかり把握して銘柄を選びましょう。
つみたてNISA(積立NISA)利回りランキングに関するQ&A

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