「つみたてNISA」口座がこの1年でどれくらい増えたか知っていますか。答えは約142万人。 ほぼ京都市の人口(145.8万人)と同じくらいの人がつみたてNISAを始めています。「私もやってみたい」と開設を検討している人も多いのではないでしょうか。

しかし投資初心者にとってはデメリットなども気になるところです。そこで本記事ではつみたてNISAのメリットとデメリットについてわかりやすく解説します。デメリットについては対処法まで解説するので、ぜひ最後までご覧ください。

つみたてNISAとは

つみたてnisa,デメリット,メリット
(画像=umaruchan4678/stock.adobe.com)

まずはつみたてNISAの概要を押さえましょう。

利用できる人 20歳以上の方
投資できる商品 一定の投資信託
投資できる金額 40万円/年
最低投資額 100円/月
※金融機関による
投資できる期間 2042年まで
途中解約 可能
運用益の非課税期間 最長20年間


端的にいうと、 つみたてNISAは投資信託を非課税で運用できる制度です。本来は利益に対して20.315%の税金がかかりますが、同制度なら課税されません。通常よりお金を増やしやすい制度といえるでしょう。

つみたてNISAは年に40万円まで投資でき、最長20年間税金がかかりません。投資できる期間は2042年までで、例えば2021年に投資した投資信託は2040年末まで、2042年に投資した分は2061年末まで非課税期間が続きます。

似た制度に「iDeCo(イデコ)」があります。こちらも非課税で運用できる制度ですが、つみたてNISAとは制度が異なります。詳しく知りたい方はこちらの記事を参考にしてください。

つみたてNISAのメリット

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(画像=yumeyume/stock.adobe.com)

つみたてNISAのメリット、デメリットを確認しましょう。まずはメリットです。 つみたてNISAには以下の 4つのメリットがあります。

つみたてNISAの4つのメリット
  • 運用益が非課税になる
  • 非課税期間が20年と長い
  • 少額から積立が可能
  • いつでも換金が可能

それぞれ解説します。

運用益が非課税になる

上述しましたが、つみたてNISAは投資信託を非課税で運用できる制度です。税金がかからない分、より有利にお金を増やすことができます。

非課税の効果を具体的に見てみましょう。年40万円を利回り3%で20年間運用すると仮定し、「通常の課税口座」と「つみたてNISA」でどれくらい差が出るか、以下にまとめました。その結果つみたてNISAのほうが6.5万円分有利に運用できるとわかります。

【40万円を利回り3%で20年間運用した場合】

20年後 利益 税引き後元本 差額
通常の口座 72.2万円 32.2万円 65.7万円
つみたてNISA 72.2万円 32.2万円 72.2万円 +6.5万円

非課税運用はつみたてNISAの代表的なメリットといえるでしょう。

非課税期間が20年と長い

つみたてNISAには20年もの非課税期間が設けられています。同じ利回りなら運用期間が長くなるほど利益が大きくなるため、非課税期間の長さはつみたてNISAの大きな強みです。

出典:金融庁「つみたてNISAの概要」

少額から積立が可能

金融機関によりますが、つみたてNISAは少額から始められます。特にネット証券でその傾向があり、100円から始められるケースも珍しくありません。

少ない金額から積立できるのはつみたてNISAのメリットです。

いつでも換金が可能

つみたてNISAは解約に制限がないため、自由に売却・出金できる点もメリットです。ただし上述の通り、同じ利回りなら運用期間が長いほど有利なので、安易な解約は避けたほうがいいでしょう。

つみたてNISAのデメリット

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(画像=bananan/stock.adobe.com)

つみたてNISAのデメリットは以下の通りです。

つみたてNISAの3つのデメリット
  • 投資対象の商品が限られている
  • 損益通算ができない
  • 非課税投資枠が再利用できない

それぞれ解説します。

投資対象の商品が限られている

つみたてNISAで投資できる商品は199本だけです(2021年6月18日時点)。通常の投資信託は5,793本(2021年6月末)あるため、かなり限られていることがわかります。

出典:金融庁「つみたてNISA対象商品」
出典:投資信託協会「数字で見る投資信託」(2021年6月末)

選択肢の少なさはつみたてNISAのデメリットです。

損益通算ができない

つみたてNISAは「損益通算」できません。このため利益がなくても課税される可能性がある点がデメリットです。

具体的な例で確認しましょう。「A投資で+10万円、B投信で▲10万円となり、損益がないケース」で考えます。通常なら損益通算(A投信の利益-B投信の損失)され税金はかかりません。 しかし同じ損益でも、 「利益のA投信が通常の口座、損失のB投信がつみたてNISA」だった場合は税金がかかります。B投信がつみたてNISAのため、B投信の損失をA投信の利益から差し引けないからです。

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(画像=著者作成)
このデメリットはつみたてNISAで損をすると出てくるので留意しておいてください。次章でリスクを下げる方法を解説するのでそちらも参考にしてください。
若山卓也(ファイナンシャルプランナー)

非課税投資枠が再利用できない

つみたてNISAは年40万円までの投資枠がありますが、一度枠を使うと投資信託を売却しても復活しません。投資した後で銘柄を変更することはできない点に注意しましょう。

つみたてNISAのデメリットへの対処法

上述したデメリットは以下の方法で対策可能です。

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(画像=fuelle編集部作成)

それぞれわかりやすく解説します。

iDeCoと併用する

つみたてNISAの投資対象の少なさは「iDeCo」との併用で対策しましょう。iDeCoもつみたてNISAと同じく、非課税で投資信託の運用が可能です。

iDeCoにはつみたてNISAのような対象商品の条件はありません。両制度を併用すればより多くの商品から選ぶことができるでしょう。
若山卓也(ファイナンシャルプランナー)

分散投資と長期投資でリスクを下げる

損益通算できないというデメリットへの対策は、つみたてNISAで損をしないよう心がけることです。

投資で絶対に損をしない方法はありませんが、リスクを下げる方法ならあります。「分散投資」と「長期投資」が代表的です。つみたてNISAではこれらを特に留意し、大きな損をしないよう運用していきましょう。

つみたてNISAがおすすめな人

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(画像=tatsushi/stock.adobe.com)

ここまでつみたてNISAの概要とメリット・デメリットについてご紹介しましたが、「まだ自分に向いているかよくわからない」という方もいるでしょう。そこで、ここでは つみたてNISAが特におすすめな人を紹介します。

つみたてNISAがおすすめな人
  • 主婦の方
  • 投資初心者の方
  • 50代以上の方

それぞれ解説します。

主婦の方

主婦にはiDeCoよりつみたてNISAをおすすめします。iDeCoは加入手数料など制度自体の手数料がありますが、つみたてNISAにはないためです。 少しでも節約をしたいと考える主婦につみたてNISAはぴったりです。

なおiDeCoは手数料負担がありますが、節税効果もあります。したがって一概にiDeCoが不利なわけではないのですが、 もともと収入のない主婦にiDeCoの節税効果はありません。つまり手数料が単純に負担となってしまいます。

以上のことから主婦の方はiDeCoよりつみたてNISAを選びましょう。iDeCoとつみたてNISAの比較について詳しく知りたい方はこちらを参考にしてください。

投資初心者の方

つみたてNISAは投資対象が少ないですが、これは投資初心者でも長期運用に適した商品で運用できるよう、金融庁が厳しい条件を設定したためです。つまりつみたてNISAで投資できる商品はいずれも長期運用にふさわしい商品といえます。

投資初心者でも優秀な銘柄を選ぶことができるため、つみたてNISAは初心者にもおすすめです。

50代以上の方

iDeCoは原則60歳までの制度のため、加入する年齢が遅いと非課税期間が短くなってしまいます。つみたてNISAは年齢に関係なく非課税期間が最大20年間続きます。 年齢が60歳に近い方はつみたてNISAをおすすめします。

なお、iDeCoの注意点について詳しく知りたい方はこちらをご確認ください。

つみたてNISAを開始する際におすすめの証券会社

つみたてNISAを始めるなら金融機関に専用口座を作りましょう。ここでは特におすすめの証券会社を紹介します。

SBI証券と楽天証券がおすすめ

「SBI証券」「楽天証券」がおすすめです。多くのつみたてNISA対象銘柄を取り扱い、ポイント還元も受けられます。

SBI証券 楽天証券
つみたてNISA取扱銘柄 175本
(2021年7月28日時点
177本
(2021年7月28日時点)
ポイント還元 投資額の0.5~2%
(三井住友カード決済)
投資額の1%
(楽天カード決済)

>>SBI証券の詳細はこちら(公式サイト)

>>楽天証券の詳細はこちら(公式サイト)

迷ったらポイント還元で選ぶ

つみたてNISA口座は1人1口座しか持てないため、どちらか選ばないといけません。

SBI証券と楽天証券のどちらか迷ったら、ポイント還元率で選んでみてはいかがでしょうか。楽天証券はどの楽天カードでも1%ですが、SBI証券はプラチナ以上の三井住友カードで2%の還元を受けられます(通常カードは0.5%)。

プラチナ以上の三井住友カードを持っている方はSBI証券を、そうでない方は楽天証券をおすすめします。

デメリットを把握した上でつみたてNISAで投資を始めよう

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(画像=taka/stock.adobe.com)

つみたてNISAは非課税で運用できる強みがありますが、デメリットもあります。しかし対策方法もきちんとあります。つみたてNISAを始める際は デメリットについてもしっかり把握し、本記事で紹介したような対策を行いましょう。

つみたてNISAのデメリットとメリットのQ&A

Q

A
つみたてNISAのデメリットは?
投資対象の商品が限られている点がデメリットです。また損益通算ができない点や非課税投資枠が再利用できない点もデメリットです。

Q

A
つみたてNISAのメリットは?
「運用益が非課税になる」点です。税金がかからない分、より有利にお金を増やすことができます。また「非課税期間が20年と長い」点もメリットです。同じ利回りなら運用期間が長くなるほど利益が大きくなるため、非課税期間の長さはつみたてNISAの大きな強みです。また「少額から積立が可能」な点や、「いつでも換金が可能」な点もメリットといえるでしょう。

Q

A
つみたてNISAのデメリットへの対処法は?
iDeCoと併用し商品を増やすことで、投資対象が限られているデメリットをカバーしましょう。また分散投資と長期投資でリスクを下げ、損益通算ができないというデメリットに対処しましょう、

Q

A
つみたてNISAがおすすめな人は?
主婦の方や投資初心者の方、50代以上の方におすすめです。

若山卓也
証券会社で個人向け営業を経験し、その後ファイナンシャルプランナーとして独立。金融商品仲介業、保険募集代理業、金融系ライターとして活動しています。 関心のあるジャンルは資産運用や保険、またお得なポイントサービスなど。お金にまつわることなら幅広くカバーし、発信しています。 AFP、プライベートバンキング・コーディネーター資格保有
証券会社で個人向け営業を経験し、その後ファイナンシャルプランナーとして独立。金融商品仲介業、保険募集代理業、金融系ライターとして活動しています。 関心のあるジャンルは資産運用や保険、またお得なポイントサービスなど。お金にまつわることなら幅広くカバーし、発信しています。 AFP、プライベートバンキング・コーディネーター資格保有

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