家計を守る主婦には、教育資金の準備や住宅ローンの返済など、不安がたくさんあるでしょう。普通預金は超低金利であり、どの銀行に預けてもバブル時代のように増えることはありません。かといって、このまま何もしなければさらに不安は増していきます。

そこでオススメしたいのが、投資です。家計が健全なら今すぐにでも始めることをおすすめします。今回は主婦が投資を始めるべき理由 をご紹介します。

なぜ主婦に投資なの?4つの理由

「投資にはリスクがつきもの」と言われますが、なぜ家計を守る 主婦に投資がおすすめなのでしょうか。その理由は4つあります。

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(画像=fuelle編集部)

ライフプランニングの重要性がわかるから

家計を守るためには、ライフプランニングというのはとても重要ですね。しかし日常生活が忙しく、つい後回しにしてしまっているという主婦の方も多いのではないでしょうか。そんな方にこそ「投資」が有効です。

つみたてNISAやiDeCoは元本割れのリスクがある投資商品です。そのため投資を始める前に、現在の家計の状態を正しく把握し、家計を改善しなければいけません。

家計を改善するためには、夫の定年後の生活はどうするのか、子どもの教育資金のピークはいつか、住宅ローンはいつ終わるのかなどのライフプランニングが欠かせません。

つまり投資をするからこそ、「ライフプランニングの重要性」を実感できると言えるでしょう。

将来のお金の不安を解消できるから

金融庁が2017年6月に発表した「つみたてNISAについて」という資料によると、「国内外の株式・債券に分散投資をし、一度も解約せずに20年間投資した場合」の収益率は年利2~8%になるそうです。

出典:金融庁「つみたてNISAについて」

現在普通預金の金利が0.001%であることを考えると、これが非常に大きな数字であることがわかります。主婦が投資を始めると、少しは将来の不安が解消されるのではないでしょうか。

つみたてNISAの非課税枠は年間40万円、月にすると約3万3,000円です。仮に3万3,000円を年利4%で20年間運用したとすると、 20年後には約1,200万円の資金が準備できることになります。20年でなくても10年や15年など目的に合わせて積立期間を選べばいいのです。そうすると、教育資金や住宅購入資金の一部にもできますよね。
ことりえ(ファイナンシャルプランナー)

金融知識が身につくから

投資をすると「金融知識が身につく」といった点もおすすめポイントです。

投資をすることで、どうすれば利益を得られるかを考えますし、その際に投資のルールを身につけることで株式や投資信託だけではなく、金融商品全体について知識が身につきます。

金融知識が身につくと、限られた収入の中からどうやって増やしていこうか、支出を減らすにはどうすれば良いのかを考えるようになるでしょう。

投資で得られる「金銭感覚」はそのまま家計管理に役立つのではないでしょうか。

生活費の節約につながるから

投資を始めると株主優待や配当などを受け取ることができ、生活費の節約につながります。

特に株主優待は企業によってQUOカードのようなギフト券、企業のオリジナル商品や食品などをもらえることも。 もらえる株主優待から銘柄を選ぶと、投資の楽しみも増えていきますよね。

投資した企業に利益が出れば、株主に還元する「配当」が得られるものもあり、配当を定期的に受け取ることができます。こうして得られる株主優待や配当は、家計をやりくりする主婦にとってうれしいメリットではないでしょうか。

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主婦に向いている投資とは?

投資はしてみたいけど、何を選んだらいいのか分からないという人も多いでしょう。そんな方に向けて、 主婦におすすめの投資方法を紹介します。

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(画像=fuelle編集部作成)

つみたてNISA

主婦にまずおすすめしたいのは、つみたてNISAです。つみたてNISAで購入できる投資商品は、「長期的に資産形成をする人」のために金融庁が厳選したものばかりです。

販売手数料が0円で、信託報酬も低い低コスト商品に限定されているため、 投資初心者でも安心して投資することができます。

よく似た制度に「iDeCo」がありますが、iDeCoは一度加入すると原則60歳まで資金を引き出すことができません。iDeCoは老後資金を準備するには最適な制度ですが、途中で資金を引き出せないことがネックになるなら、つみたてNISAを選びましょう。
ことりえ(ファイナンシャルプランナー)

【2024年スタートの新制度もチェック】
これまでの「NISA(一般NISA)」は2023年12月で終了します。2024年1月に「新NISA」がスタートし、投資できる期間を5年延長します。

新NISAは「2階建て」の構造になり、原則として1階部分は年間20万円まで積み立て投資を行う必要があります。 2階部分では現行の一般NISAの対象商品である上場株式(日本株式・外国株式)や株式投信、ETF、REIT(リート:上場不動産投資信託)などを購入できます。

なお「つみたてNISA」は現行の制度を維持しつつ、制度の期限が2037年から2042年に5年延長されます。

おつり投資

「おつり投資」とは登録したクレジットカードや電子マネーで買い物をしたとき、 金額の端数で自動的に投資できるサービスのこと。

おつりの金額を設定しておくと自動的に分散投資してくれるので、初心者や忙しい主婦でも始めやすいでしょう。

例えばお釣り投資アプリの「トラノコ」では、買い物金額の端数を投資に回します。

<320円の商品を購入した場合>
・100円単位設定なら、80円投資される
・500円単位設定なら、180円投資される
・1,000円単位設定なら、680円投資される

100円、500円、1,000円の3段階から設定を選べるので、投資に回す金額を調整することができます。

国債

国債は、国が国民にお金を借りるときに発行する債券です。元本割れの心配がなく、1万円から購入可能で、途中換金も可能。

0.05%最低金利も保証されているのでメガバンクより高水準です。また、国が発行していますので安心して購入できるという点も主婦におすすめしたいポイントです。

株式累積投資

「株式累積投資」とは、毎月定額で少しずつ株式を購入していく投資方法で「るいとう」と呼ばれています。

株式投資は通常最低購入単位が決められているので、ある程度まとまった資金が必要です。その点、「るいとう」なら投資金額は「1銘柄につき1万円以上、1,000円単位」で始めることができるので手軽です。この手軽さは投資初心者の主婦には魅力なのではないでしょうか。

保有株式数に応じて配当金が得られることも、るいとうの楽しみです。
ことりえ(ファイナンシャルプランナー)

ポイント投資

ポイント投資はお金の代わりに貯まったポイントを使って投資するものです。現金を使って投資をすることに抵抗がある人でも、ポイントなら手軽に始められますよね。

ポイント投資はクレジットカードなどで貯まったポイントで株式や投資信託を購入します。購入できる金融商品は現金で購入する商品とほぼ同じであることも多く、手軽に投資を始められると注目を集めています。

ポイント投資で得られた利益はポイントではなく現金で受け取れるものも。いつものお買い物で貯まったポイントを有効活用できるので、やりくりして投資のためにお金を準備する必要がありません。投資初心者の主婦でもチャレンジしやすいのではないでしょうか。

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主婦に向いていない投資とは

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(画像=fuelle編集部作成)

ロボアドバイザー

ロボアドバイザーは投資の知識がなくてもAIが投資を手助けしてくれるため、初心者に人気があります。しかしAIが手助けしてくれるものの、最終的な判断は自分でしなければならないため、忙しい主婦にはあまりおすすめできません。

一部のロボアドバイザーでは税制優遇制度のNISAが使えないというデメリットもあります。
ことりえ(ファイナンシャルプランナー)

FXデイトレード

FXデイトレードは、通貨の売買を頻繁に繰り返すことで利益を追う投資手法です。十分な知識を持って適切に投資を行えば大きな利益が得られる可能性がありますが、最悪の場合は元手をすべてなくしてしまう危険もあります。

投資よりもギャンブルに近いので、確実に将来のお金を準備したい主婦には向きません。

信用取引

持っている資金以上の株式投資ができる信用取引は、大きなリターンが得られる一方で、リスクも大きい投資です。

信用取引ではまとまった資金がなくても取引を始められますが、お金を借りて投資をしているようなもの。損をするリスクが大きいのです。投資の失敗を避けるなら、信用取引のようなハイリスクハイリターンな投資は控えましょう。

主婦が投資を始めるときのポイント

投資のリスクはゼロではないので、「絶対に失敗しない方法」はありません。しかしいくつか気をつけておけばある程度失敗を回避することはできます。

どんな点に気を付ければいいのでしょう。

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(画像=fuelle編集部作成)

いくら投資に回せるかを把握する

あくまでも投資は余裕資金で始めることが大切です。「余裕資金=どのくらいのお金を投資に使えるか」をしっかり把握するようにしましょう。

余裕資金の考え方は人それぞれですが、「今すぐに使う予定のないお金」で始めるのは投資の鉄則です。教育資金や家の購入資金などを預貯金で準備したあと、やりくりして残ったお金で投資を始めることをおすすめします。

少額からスタートする

主婦が投資を始めるにあたって大切な点は、いきなり大金を使って投資を始めるのではなく、少額から始めることです。

投資をしたことない人、あるいは投資に慣れない人がいきなり大金を使って投資を始めても、リターンを得るどころか大きなリスクの落とし穴にはまってしまい、損を被ることもあるでしょう。

お金を増やし生活を豊かにするために投資を始めたのに、これでは日々の生活に影響を与えかねません。

主婦が投資を始めるなら月々5,000円~1万円といった少額から始め、長期的に運用できる安定したものを選びましょう。
ことりえ(ファイナンシャルプランナー)

投資初心者の主婦におすすめの「つみたてNISA」の始め方

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投資をどう始めたらいいか分からないという方もいるでしょう。そこで、「つみたてNISA」を例として、始め方を紹介します。

1.証券会社を選ぶ

つみたてNISAを始めるためには、まずは証券会社などの金融機関で口座を開く必要があります。

証券会社には、店舗型とインターネット上で口座の開設や取引ができるネット証券がありますが、購入できる投資信託の商品数が多く、利便性の高いネット証券をおすすめします。

ネット証券には「SBI証券」や、楽天市場などで知られる楽天グループの「楽天証券」などがあります。

SBI証券は、つみたてNISAの対象となる投資商品のほとんどを取り扱っており、ネット証券では口座開設数No.1の最大手です。楽天証券やSBI証券では「毎日100円」「毎月100円」といった少額から投資ができるので、初めて投資をする主婦でも始めやすいでしょう。

つみたてNISAにおすすめの証券会社
2021年6月時点
会社名 SBI証券 楽天証券 松井証券 マネックス証券 auカブコム証券
商品数 174本 177本 170本 151本 157本
売買手数料 無料 無料 無料 無料 無料
最低投資金額 100円 100円 100円 100円 100円
ポイント還元 Tポイント 楽天スーパー
ポイント
資産形成ポイント
松井証券ポイント マネックスポイント 毎月ポイント
積立コース 毎月
毎週
毎日
毎月
毎日
毎月 毎月 毎月
ココがおすすめ 豊富な
商品ラインナップ
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2.口座を開設する

証券会社を選んだら口座を開設しましょう。

目当ての証券会社のホームページにアクセスし、「口座開設申し込み」などと書かれた箇所から申し込みをスタート。 個人情報などの入力を進め、運転免許証やマイナンバーカードなどの本人確認書類を提出します。

細かな手順は証券会社によって異なりますので、各社ホームページでチェックしましょう。

3.投資商品を選ぶ

証券会社で口座を開いたら、次に投資商品を選びます。つみたてNISAで購入できる投資信託は約170本です。

どれを選べばいいかわからないかもしれませんが、投資初心者には、手数料(信託報酬)が安く堅実な運用ができるバランス型や、日経平均株価やTOPIXなどと同じような値動きをするインデックス型がおすすめです。

FPが実践!つみたてNISAの選び方

筆者は実際に「楽天証券」でつみたてNISAをしていますので、以下に一部をご紹介します。
ことりえ(ファイナンシャルプランナー)

・ニッセイ・インデックスバランスファンド(4資産均等型)
・楽天・全世界株式インデックス・ファンド(楽天・バンガード・ファンド(全世界株式))
・eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)

いずれもインデックス型で、かつバランス型の投資信託です。楽天証券が取り扱っている数多くの投資信託の中から、筆者がこれらを選ぶにあたって意識したことは、「手数料(信託報酬)」と「純資産総額が高い水準で継続して増えているかどうか」です。

純資産総額が増えているということは、多くの投資家が「買うに値する投資商品である」と認めたことを意味します。

例えば「ニッセイ・インデックスバランスファンド(4資産均等型)」のチャートは、以下のようになっています。

3.主婦こそ投資すべき!その4つの理由とは?
(画像=引用:楽天証券「2021年4月15日時点」)

上がり下がりはあるものの、純資産総額(緑色の部分)が右肩上がりであることがわかります。

たくさんある投資商品を選ぶのは大変ですが、証券会社のホーム画面には選び方がわからない人向けのコラムがあったり、人気ランキングから選んだりできるようになっています。

筆者も最初は毎月100円からスタートしました。実際に購入してはじめてわかることもあります。まずは1本選んでみて、自分が選んだ証券会社のホームページや本などで学ぶのも楽しいものですよ。
ことりえ(ファイナンシャルプランナー)

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(公式サイト)

扶養の範囲で投資ができる?

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(画像=karin/stock.adobe.com)

投資を始めて利益が出ると、税金面で不安が出てきますよね。

本来投資で得た利益には、20.315%(所得税+住民税+復興特別所得税)がかかります。利益が38万円を超えると、確定申告をして所得税や住民税を納める必要があり、扶養から外れてしまいます。

しかしつみたてNISAなら年間40万円を20年間、つまり800万円までは投資で得た利益に税金がかかりません。いくら利益が出ても、税金は0円です。

扶養の範囲で投資をしたいなら、つみたてNISAを選択するか、証券会社で口座を開くときに「特定口座(源泉徴収あり)」を選択しましょう。「特別口座(源泉徴収あり)」を選択すると、証券会社が源泉徴収をしてくれるため確定申告が不要になり、扶養から外れることはなくなります。
ことりえ(ファイナンシャルプランナー)

投資で将来の不安を解消しよう

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(画像=yamasan/stock.adobe.com)

主婦が投資を始めるなら、まずは家計を健全にすることが最優先です。その上でライフプランニングを行って、将来必要になるお金を計算してみましょう。

ネット証券を選べば、ネット上で口座開設から取引までできます。まずは、つみたてNISAで投資を始めてみましょう。

主婦こそ投資すべき! Q&Aで理由を再チェック!

Q

A
なぜ主婦が投資すべきなの?
理由はいくつかあります。1つめは「ライフプランニングの重要性がわかるから」。2つめは「将来のお金の不安を解消できるから」。他にも「金融知識が身につくから」、「生活費の節約につながるから」なども主婦に投資をおすすめする理由です。

Q

A
主婦に向いている投資には何がある?
「つみたてNISA」がおすすめです。販売手数料が0円で、信託報酬も低い低コスト商品に限定されているため、投資初心者でも安心して投資することができます。

他にも「おつり投資」や「国債」などリスクが低かったり気軽にトライできたりするようなものが主婦には向いているでしょう。

Q

A
主婦に向いていない投資方法は?
投資のためにまとまった時間を取らなければならないものや、リスクの高いものは主婦には向いていません。例えば「ロボアドバイザー」や「FXデイトレード」などはおすすめできません。

ことりえ
奈良県在住のフリーライター。長年生命保険の営業に従事した後、ライターとして独立。会計・税務・保険の記事を中心に執筆活動をしています。FP資格保有
奈良県在住のフリーライター。長年生命保険の営業に従事した後、ライターとして独立。会計・税務・保険の記事を中心に執筆活動をしています。FP資格保有

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