公共料金をまだ現金で支払っていませんか? せっかく同じ金額を支払うなら、クレジットカードのほうがお得で断然おすすめです。
なぜ公共料金をクレジットカードで支払うとお得なのか、本記事で確認しましょう。記事の後半では「年会費無料&高還元」のおすすめカードを6つ紹介します。ぜひ最後までご覧ください。
- 公共料金をクレジットカードで支払うと、ポイント還元でお得。
- クレジットカード払いなら、家計管理もしやすく支払い忘れも防げる
- 多くの公共料金はクレジットカード払いに対応しているが、水道は自治体により対応できないケースも
- 公共料金を支払うクレジットカードは、ポイント還元率や年会費をチェックして選ぼう
- 公共料金の支払いにおすすめのクレジットカードは「JCB CARD W」「リクルートカード」「楽天カード」など
公共料金をクレジットカードで支払うメリット

公共料金をクレジットカードで支払うメリットは、以下の5つです。
- ① ポイント還元でお得
- ② 支払い忘れがない
- ③ 管理しやすい
- ④ バラバラに支払わずに済む
- ⑤ 費用を準備しやすい
それぞれについて、見ていきましょう。
公共料金をクレジットカードで支払うメリット① ポイント還元でお得
公共料金をクレジットカードで支払ったほうがよい主な理由は、「ポイント還元」です。多くのクレジットカードは利用特典としてポイント還元を行っており、支払う金額は同じでもポイント還元の分お得になります。
例えば、公共料金を毎月2万円支払っているとしましょう。現金で支払えば単に2万円を失うだけですが、還元率1%のクレジットカードで支払えば200円分のポイントを取り戻せます。
つまり、1%のポイント還元は1%割引されるのと同様の効果があるのです(還元率については後述)。
【ポイントがどのくらいお得かシミュレーション】
公共料金をクレジットカードで支払うとどのくらいのポイントが還元されるのか 、総務省の「家計調査(2020年)」から実際の公共料金を使ってシミュレーションしてみましょう。
家計調査によると、公共料金の平均は月に約1.8万円です。2人以上世帯で約1.9万円、3人世帯で約2.3万円と、世帯の人数が増えるほど公共料金の支出は増えます。
公共料金を還元率1%のクレジットカードで支払った場合に還元されるポイントは、以下のとおりです。
月の公共料金の平均 (電気・ガス・ 他の光熱・上下水道) |
1%ポイント還元 (ひと月あたり) |
1%ポイント還元 (年間) |
|
---|---|---|---|
1人世帯 | 1万1,686円 | 116ポイント | 1,392ポイント |
2人世帯 | 1万9,459円 | 194ポイント | 2,328ポイント |
3人世帯 | 2万2,614円 | 226ポイント | 2,712ポイント |
4人世帯 | 2万4,121円 | 241ポイント | 2,892ポイント |
5人世帯 | 2万5,134円 | 251ポイント | 3,012ポイント |
6人以上世帯 | 3万1,296円 | 312ポイント | 3,744ポイント |
(参考)平均 | 1万8,306円 | 183ポイント | 2,196ポイント |
出典:総務省「家計調査(2020年)世帯人員・世帯主の年齢階級別」

若山卓也(ファイナンシャルプランナー)
公共料金をクレジットカードで支払うメリット② 支払い忘れがない
支払い忘れがないことも、クレジットカード払いのメリットです。
公共料金は支払いを忘れると、生活に不可欠な電気などのライフラインが止まってしまいかねません。例えば1人暮らしを始めたばかりの頃などに、失敗した経験がある方もいるのではないでしょうか。
特に注意したいのが冷蔵庫です。食品が傷むだけでなく、冷凍庫の氷や霜が解けて水漏れの原因になります。賃貸の場合は、賠償責任を問われるかもしれません。
毎回振込用紙で支払っている方は、クレジットカード払いへの切り替えを検討しましょう。支払い忘れを防げるほか、ATMやコンビニなどで支払う手間も省けるのでおすすめです。
公共料金をクレジットカードで支払うメリット③ 管理しやすい
クレジットカード払いの魅力は、家計管理のしやすさにもあります。利用明細に支出額や支払先(ガス会社や電気会社など)がまとめられるため、後で支出を振り返りやすいでしょう。
カード会社の多くは「ウェブ明細」に対応しています。スマホなどでいつでも確認できる手軽さもうれしいですね。カードによっては、アプリでより簡単に確認できます。
家計管理に「家計簿アプリ」を利用すると、さらに便利です。クレジットカードと連携させればアプリで支出を一覧表示できるため、いちいちカード会社のサイトにログインする必要がありません。独自のアプリがないカードでも、家計簿アプリと連携させれば支出を簡単に確認できるでしょう。

家計簿アプリは、以下のものが代表的です。いずれも支出を「食費」や「公共料金」などに振り分けて家計簿を自動的に作成する機能や、過去の推移をグラフで表示できる機能などがあります。
● マネーフォワードME
● Zaim(ザイム)
● マネーツリー
機能に大きな差はありませんが、家計簿アプリごとに連携できるカードが異なります。 自分のカードに対応している家計簿アプリを選びましょう。
若山卓也(ファイナンシャルプランナー)
公共料金をクレジットカードで支払うメリット④ バラバラに支払わずにすむ
支払回数を1回にまとめられるのも、クレジットカードのメリットです。
振込用紙で支払う場合、用紙が手元に届くタイミングは公共料金ごとに異なります。そのため同じ月に何回も支払いに行かなければなりません。そのたびにATMから現金を引き出していては、手数料もばかになりません。
数件の公共料金を振込用紙で一度に支払う場合でも、それぞれに受領印の押印や控えを受け取る手間がかります。あまり時間がない時は、ストレスを感じるでしょう。
クレジットカードなら、複数の公共料金の支払いを1回にまとめられます。支払いの手間や時間を省けるため、忙しい方にはメリットが大きいでしょう。
公共料金をクレジットカードで支払うメリット⑤ 費用を準備しやすい
お金を準備しやすい点も、クレジットカードの強みです。
クレジットカードは、いったんカード会社に立て替えてもらい、私たちは後日その代金をカード会社に支払う仕組みです。つまり支払いを遅らせることができるため、お金のやりくりに余裕が生まれます。例えば「月末締めの翌月末払い」なら、最長で2カ月も支払いを遅らせられます。

「現在のお金ほど価値が高く、将来受け取るお金ほど価値が低い」という考え方があります。これをお金の「時間的価値」といいます。来年の1万円の価値は、今の1万円ほど高くありません(もしも1万円もらえるなら、来年より今もらうほうが嬉しいですよね)。
時間的価値を日常生活に活かすなら、「受け取りは早く、支払いは遅くする」ことが大切です。 クレジットカードはまさに「支払いを遅くする」ことができるため、理にかなった行動といえるでしょう。
ただし、 分割払いやリボ払いには手数料がかかるため、時間的価値を加味してもマイナスになるケースがあります。多用しないように注意しましょう。
若山卓也(ファイナンシャルプランナー)
クレジットカードで支払いができる公共料金一覧

クレジットカード払いに対応している主な公共料金を以下にまとめました。主な電力会社(新電力含む)やガス会社の多くは、クレジットカード払いに対応しているようです。
【クレジットカード払いに対応する主な公共料金】
電気 | 北海道電力、東北電力、東京電力、 北陸電力、中部電力、関西電力、 中国電力、四国電力、九州電力、沖縄電力 【新電力】 東京ガスの電気、大阪ガスの電気、楽天でんき、 ENEOSでんき、auでんき、エネットの電気 など |
---|---|
ガス | 北海道ガス、東部ガス、東京ガス、 京葉ガス、北陸ガス、東邦ガス、静岡ガス、 大阪ガス、広島ガス、西部ガス、沖縄ガス など |
水道 | 札幌市、仙台市、東京都、名古屋市、大阪市 など |
(参考)水道のクレジットカード払いに未対応の主な自治体
● 千葉市
● 富山市
● 金沢市
● 広島市

公共料金ではありませんが、「新聞」や「携帯電話」などの固定費もクレジットカード払いに対応しています。これらにもポイントが貯まるといったメリットがあるため、切り替えましょう。主な新聞社・携帯電話会社は、以下のとおりです。
新聞:読売新聞、朝日新聞、毎日新聞、日経新聞 など
携帯電話:NTTドコモ、au、ソフトバンク、楽天モバイル など
若山卓也(ファイナンシャルプランナー)
要注意!コンビニでは公共料金のクレジットカード払いはできない

公共料金をクレジットカードで支払うためには、公共料金の支払先で直接クレジットカード払いに変更する手続きが必要です(変更手続きの方法は後述します)。振込用紙を使って「コンビニのレジでクレジットカード払い」をすることは原則できないため、注意しましょう。
振込用紙を使ってコンビニで公共料金を支払う場合、支払方法は基本的に現金のみです。コンビニによって微妙に異なるため、参考に大手コンビニ3社の取り扱いを確認しましょう。
【セブンイレブン】

セブンイレブンの公共料金の取り扱いは、以下のとおりです。振込用紙があれば多くの公共料金を支払えますが、支払方法は現金または電子マネーの「nanaco(ナナコ)」だけです。
本来nanacoは支払いでポイントが貯まりますが、公共料金は対象外です。ポイントが貯まらないので、メリットがあるとはいえませんね。
支払える公共料金 | 電気料金、ガス料金、水道料金、NHK受信料、 国民年金保険料、各種税金 など |
---|---|
利用できる支払い方法 | 現金、電子マネー(nanacoのみ) |
【ファミリーマート】

ファミリーマートは、3社の中で唯一クレジットカードを使って公共料金を支払えます。ただし、対応しているクレジットカードは「ファミマTカード」のみ。その他のクレジットカードには対応していないため、注意してください。
なおファミマTカードでも自動車税や国民年金保険料などの税金は支払えません。
支払える公共料金 | 電気料金、ガス料金、水道料金、NHK受信料、 国民年金保険料、各種税金 など |
---|---|
利用できる支払い方法 | 現金、クレジットカード(ファミマTカードのみ) |
【参考】ファミマTカードの年会費&還元率
● 年会費:無料
● 還元率:0.5%
【ローソン】

ローソンの場合、公共料金の支払方法は現金のみです。支払える公共料金は他の2社に引けを取りませんが、現金でしか支払えないためポイントを貯められません。
支払える公共料金 | 電気料金、ガス料金、水道料金、NHK受信料、 国民年金保険料、各種税金 など |
---|---|
利用できる支払い方法 | 現金のみ |

どうしても振込用紙で支払いたい場合は、「スマホ決済」を使ってみてはいかがでしょうか。振込用紙のバーコードをスマートフォンで読み取った上で支払う方法です(請求書払い)。
コンビニまで行く必要がない上に、スマホ決済独自のポイントが貯まります。
若山卓也(ファイナンシャルプランナー)
公共料金の契約者とカード名義が異なっても大丈夫?

公共料金の契約者と支払う方の名義が異なるケースがあります。例えば親や配偶者が公共料金の契約者で、自分がクレジットカードで支払うような場合です。また別居している親の電気代を、子どもである自分が支払うケースもあるでしょう。
このような場合、自分名義のクレジットカードで支払えるのでしょうか。
結論からいうと、公共料金の契約者と支払う人の名義が異なっていても支払えます。公共料金の支払いは、契約者と名義が異なるクレジットカードでも可能です。
念のため公共料金の支払先ごとに確認するのをおすすめしますが、問題なく支払えるはずです。
公共料金をクレジットカードで支払う際のデメリット

公共料金をクレジットカードで支払う場合は、以下の4つのデメリットに気を付けましょう。それぞれ簡単に解説します。
- ① カード払いに対応していないこともある
- ② 口座振替のほうがお得なこともある
- ③ カードの限度額を圧迫してしまう
- ④ カード情報の更新をする手間がかかる
公共料金をクレジットカードで支払う際のデメリット① カード払い対応していないこともある
公共料金の支払先によっては、クレジットカード払いに対応していないところがあります。大手はほぼ対応していますが、地方自治体が運営する水道局や各地のプロパンガス会社などは対応していないこともあります。
公共料金をクレジットカードで支払う際のデメリット② 口座振替のほうがお得なこともある
公共料金の支払いは、クレジットカードよりも「口座振替」のほうがお得なケースもあります。「口座振替割引」が適用されることがあるためです。
例として、東京の公共料金の口座振替割引サービスをまとめました。いずれも毎月50~55円程度の割引が適用されます。
【公共料金 口座振替の割引例】
● 東京電力:月55円割引
● 東京ガス:月55円割引
● 東京都水道局:月50円割引
※2021年11月5日時点
クレジットカードの還元率が1%の場合、それぞれの利用額が5,000~5,500円を下回るなら口座振替のほうがお得です。利用料が低い場合や、還元率が低いクレジットカードを使う場合は注意しないと損をしてしまうこともあります。
クレジットカード還元率 | ||
---|---|---|
月の料金 | 0.5% | 1% |
3,000円 | 15ポイント | 30ポイント |
5,000円 | 25ポイント | 50ポイント |
8,000円 | 40ポイント | 80ポイント |
1万円 | 50ポイント | 100ポイント |
【クレジットカード払いと口座振替でシミュレーション】
公共料金の平均額を使って、クレジットカード払いと口座振替割引のどちらがお得か比較してみましょう。
クレジットカード払いの還元率は1%、口座振替割引は160円と仮定します。
月の公共料金の平均 (電気・ガス・ 他の光熱・上下水道) |
1%ポイント還元 (ひと月あたり) |
口座振替割引 (ひと月あたり) |
|
---|---|---|---|
1人世帯 | 1万1,686円 | 116ポイント | 160円 |
2人世帯 | 1万9,459円 | 194ポイント | 160円 |
3人世帯 | 2万2,614円 | 226ポイント | 160円 |
4人世帯 | 2万4,121円 | 241ポイント | 160円 |
5人世帯 | 2万5,134円 | 251ポイント | 160円 |
6人以上世帯 | 3万1,296円 | 312ポイント | 160円 |
(参考)平均 | 1万8,306円 | 183ポイント | 160円 |
※口座振替割引は東京電力(55円)、東京ガス(55円)、東京都水道局(50円)の合計
出典:総務省「家計調査(2020年)世帯人員・世帯主の年齢階級別」
1人世帯では口座振替割引のほうがお得ですが、2人以上の世帯はすべてクレジットカード払いのほうがお得であることがわかります。平均でもクレジットカード払いのほうがお得なので、還元率が1%以上なら多くの世帯でクレジットカード払いのほうが有利だとわかりました。
参考に、口座振替割引が適用される主な公共料金を以下にまとめました。自分のクレジットカードの還元率と口座振替割引を比較してみるといいでしょう。
電気 | 東京電力:55円 北陸電力:55円 中部電力:55円 関西電力:55円 中国電力:55円 四国電力:55円 九州電力:55円 |
---|---|
ガス | 東京ガス:55円 京葉ガス:55円 宮崎ガス:55円 など |
水道 | 東京都:50円 兵庫県尼崎市:55円 大阪府吹田市:50円 など |
公共料金をクレジットカードで支払う際のデメリット③ カードの限度額を圧迫してしまう
公共料金の支払いも、クレジットカードの「ショッピング枠」が使われることに注意しましょう。
例えば、限度額30万円のクレジットカードで公共料金を月2万円支払う場合は、他の買い物に28万円までしか使えなくなります。

なお限度額は、カード会社の審査を通過すれば発行後でも引き上げが可能です。限度額が低い場合は検討してみてください。
公共料金をクレジットカードで支払う際のデメリット④ カード情報の更新をする手間がかかる
公共料金のクレジットカード払いは、登録後もカード情報が更新・変更されるたびに変更手続が必要です。これは現金払いや口座振替にはない手間なので、デメリットといえます。
変更が考えられるカード情報は、「有効期限」と「カード番号」です。カード情報は、主に以下のようなケースで変更されます。
【カード情報が変更される主なタイミング】
・有効期限切れによる更新(有効期限の変更)
・上位カードなど、別のカードへの切り替え(有効期限・カード番号の変更)
・紛失などによるカードの再発行(有効期限・カード番号の変更)
・カード情報の流出が疑われる場合(有効期限・カード番号の変更)
一般的に、クレジットカードは3~7年で有効期限を迎えます。継続して使いたい場合は更新手続きが必要で、その際に有効期限が更新されます。つまり、数年に一度はカード情報が変更されるため、そのたびに手続きを行わなければならないのです。
公共料金の支払いに適したクレジットカードの選び方

公共料金をクレジットカードで支払うなら、公共料金の支払い用にカードを作ってみませんか?以下の5つの「選び方」をチェックすれば、お得なカードを作ることができるでしょう。
● 支払いができる公共料金の種類で選ぶ
● ポイント還元率の高さで選ぶ
● ポイントの種類や使い道で選ぶ
● 年会費の安さで選ぶ
● 付帯するサービスで選ぶ
公共料金の支払いに適したクレジットカードの選び方:支払いができる公共料金の種類で選ぶ
すべてのクレジットカードが、公共料金の支払いに対応しているわけではありません。公共料金の支払い用にクレジットカードを作る場合は、当然ながら公共料金の支払いに対応しているカードを選ぶ必要があります。
以下の「5大国際ブランド」ならほとんど対応しているでしょう。
【5大国際ブランド】
● VISA
● Mastercard
● JCB
● アメリカンエクスプレス
● ダイナース
公共料金の支払いに適したクレジットカードの選び方:ポイント還元率の高さで選ぶ
公共料金の支払いの使うクレジットカードは、できるだけ「ポイント還元率」が高いものを選びましょう。還元率とは、利用額に対する付与ポイントの割合のことです。
例えば、利用額100円に対して1円相当のポイントが付与されるクレジットカードの還元率は1%です(1円÷100円×100(%))。月に2万円を支払うなら毎月200ポイント、 年間2,400ポイントを受け取れる計算です。

還元率はクレジットカードによって異なるため、申し込む前に確認しておきましょう。
次章では還元率1%以上のクレジットカードを6つ紹介するので、そちらも参考にしてください。
公共料金の支払いに適したクレジットカードの選び方:ポイントの種類や使い道で選ぶ
クレジットカードは、付与されるポイントの種類で選んでもよいでしょう。主なポイントと付与されるカードを以下にまとめました。
【主なポイントと付与されるクレジットカード(一部)】
● dポイント:dカード
● 楽天ポイント:楽天カード
● Pontaポイント:au PAYカード
● Tポイント:ヤフーカード
● Vポイント:三井住友カード
各ポイントにはそれぞれ魅力があり、どのポイントがよいか迷うかもしれません。その場合は、よく買い物をする場所や利用しているサービスでポイントを選んでみてはいかがでしょうか。
公共料金の支払いに適したクレジットカードの選び方:年会費の安さで選ぶ
クレジットカードは、できるだけ年会費が安いものを選びましょう。いくらポイント還元がお得でも、年会費が高いとトータルでマイナスになってしまうことがあるからです。
例えば、年会費1万1,000円で還元率が1%のクレジットカードの場合、年間110万円以上利用しないと年会費がポイントを上回り、トータルでマイナスになります。還元率が2%でも年55万円以上の利用が必要で、公共料金の支払い用としてはちょっとハードルが高いですね。
公共料金の支払い用にクレジットカードを作る場合、年会費は無料のものを選ぶのが無難です。ちなみに、次章で紹介する6つのクレジットカードはすべて年会費が無料です。
公共料金の支払いに適したクレジットカードの選び方:付帯するサービスで選ぶ
付帯サ-ビスでクレジットカードを選ぶ方法もあります。例えば、以下のようなサービスを受けられます。
【クレジットカードの主な付帯サービス】
● 商品・サービスの優待価格
● 保険
● 空港ラウンジの無料利用
● デスク・コンシェルジュサービス
付帯サービスは公共料金の支払いに直接関係ありませんが、せっかくならお得なカードを選びたいですよね。年会費無料の一般カードでも付帯サービスがあるものが多いので、探してみましょう。
公共料金の支払いにおすすめのクレジットカード6選

ここでは、公共料金の支払い用におすすめのクレジットカードを6つご紹介します。いずれも「還元率1%以上」「年会費無料」の条件を満たしているため、公共料金の支払いにぴったりです。
- JCB CARD W
- リクルートカード
- 楽天カード
- dカード
- Orico Card THE POINT
- au PAYカード
公共料金の支払いにおすすめのクレジットカード:JCB CARD W

年会費 | 無料 |
---|---|
ポイント還元率 | 1.0%~5.5% |
付与されるポイント | Oki Dokiポイント |
発行スピード | 約1週間 |
国際ブランド | JCB |
入会資格 | ● 18歳以上39歳以下 ● 本人または配偶者に安定した収入がある ※学生可(高校生除く) |
その他特典 | 優待店で利用すると還元率が最大11倍に上昇 |
- 還元率はJCB一般カードの倍
- スタバなど優待店の還元率は最大5.0%
- 優待サイト経由のお買い物なら還元率が最大10%に
「JCB CARD W」は、カード会社のJCBが直接発行するクレジットカードです。18~39歳の方が申し込むことができ、年会費はかかりません。40歳以降もカードを持ち続けることができ、その場合も年会費は無料です。
気になる還元率は1.0%(1,000円で10円相当)。月間利用額を合算してポイントが付与されるため、1回の利用額が1,000円未満でも無駄なく還元を受けられるのはうれしいですね。
さらに「スターバックスコーヒー」などの優待店で利用すると、還元率が最大5.0%に上昇するのも魅力です。

JCBカードWで還元されるポイントは「Oki Dokiポイント」で、1,000円で2ポイント付与されます。ただし、これは還元率0.2%という意味ではないので注意しましょう。 Oki Dokiポイントは、「JCBプレモカード」に1ポイント=5円でチャージできます。つまり、実質的に1,000円で10円相当の還元を受けられるため、還元率は1%となるのです。
JCBプレモカードは、コンビニやECサイトなどの加盟店70万店で使えます。JCBカードWを申し込む際は、ぜひ一緒に発行しておきましょう。
若山卓也(ファイナンシャルプランナー)
公共料金の支払いにおすすめのクレジットカード:リクルートカード

年会費 | 無料 |
---|---|
還元率 | 1.2% |
付与されるポイント | リクルートポイント |
発行スピード | 約1週間 |
国際ブランド | JCB、VISA、Mastercard |
入会資格 | ● 18歳以上 ● 本人または配偶者に安定した収入がある ※学生可(高校生除く) |
その他特典 | 国際ブランドで「JCB」を選択すると 最大6,000円分のポイントがもらえる |
- 基本の還元率が1.2%と高め
- 国際ブランド「JCB」を選べば、入会で6,000円相当のポイント進呈
- ポイントは「dポイント」などに交換できる
「リクルートカード」の魅力は、何といっても1.2%の高還元です。月間利用額の1.2%分の「リクルートポイント」が付与されます。これで年会費無料はうれしいですね。
貯まったポイントは指定のサービスで利用できるほか、「dポイント」や「Pontaポイント」に交換もできます。ポイントが使いやすい点も魅力です。
国際ブランドは「JCB」「VISA」「Mastercard」の3つから選びましょう。「JCB」を選ぶと、最大6,000円分のリクルートポイントを受け取れるのでおすすめです。
公共料金の支払いにおすすめのクレジットカード:楽天カード

年会費 | 無料 |
---|---|
還元率 | 1.0% |
付与されるポイント | 楽天ポイント |
発行スピード | 約1週間 |
国際ブランド | JCB、VISA、Mastercard、American Express |
入会資格 | ● 18歳以上 ※学生可(高校生除く) |
その他特典 | 「楽天市場」の買い物は還元率3% |
- 楽天グループとの連携で還元率が上がる
- 楽天ポイントをカード請求額から差し引ける
- 「楽天でんき」なら1.5~2.0%還元
「楽天カード」は年会費無料、還元率1.0%の人気クレジットカードです。2020年は256万人が入会し、総会員数は2,155万人になりました(2020年末)。
人気の秘密は、楽天グループとのお得な連携です。ECサイト「楽天市場」で楽天カードを使うと3%のポイントが、スマホ決済の「楽天ペイ」に楽天カードからチャージすれば1.5%のポイントが還元されます。
受け取れるポイントは「楽天ポイント」。貯まったポイントは楽天グループのサービスで使えるほか、楽天カードの請求額から差し引くこともできます。

電力会社を「楽天でんき」に変更すれば料金の0.5%分、さらにガスも一緒に変更すれば1%分の楽天ポイントを受け取れます。もちろん楽天カード決済にも対応しているため、合計で1.5~2.0%の還元が受けられます。
若山卓也(ファイナンシャルプランナー)
公共料金の支払いにおすすめのクレジットカード:dカード

年会費 | 無料 |
---|---|
還元率 | 1.0% |
付与されるポイント | dポイント |
発行スピード | 約2週間 |
国際ブランド | VISA、Mastercard |
入会資格 | ● 18歳以上 ● 本人名義の口座を支払い口座として設定 ※学生可(高校生除く) |
その他特典 | 入会で最大6,000ポイントもらえる |
- 還元率アップの新電力が多い
- 審査時間は最短5分のスピード対応
- ドコモ携帯の紛失などを補償
「dカード」はNTTドコモのクレジットカードです。利用すると共通ポイントの「dポイント」が付与され、還元率は1.0%。年会費はかかりません。
dカードの魅力は、複数の「新電力」が「dカード特約店」に登録している点です。「dカード特約店」とはdカードの還元率が上昇するお店・サービスのことで、例えば「ENEOSでんき」の還元率は2.5%まで上がります。
前述した楽天カードは「楽天でんき」のみに対応していますが、dカードは「ENEOSでんき」「コスモでんき」「サミットエナジー」「イデックスでんき」の4社に対応しています。選択肢が多い点は、新電力で節約している方にとってうれしいですね。
公共料金の支払いにおすすめのクレジットカード:Orico Card THE POINT

年会費 | 無料 |
---|---|
還元率 | 1.0% |
付与されるポイント | オリコポイント |
発行スピード | 最短8営業日 |
国際ブランド | JCB、VISA |
入会資格 | 18歳以上 ※学生可(高校生除く) |
その他特典 | 入会後6ヵ月間はポイント 還元率が2.0%にアップ |
- 入会後半年はポイント還元率が2.0%に
- 「オリコモール」利用で還元率が最大2.0%に
- アプリでポイントを管理しやすい
「Orico Card THE POINT」は、カード会社のオリコが発行するクレジットカードです。銀色のカードが多い中、黒を基調としたデザインが特徴的です。ポイント還元を重視しており、還元率は通常の「オリコカード(0.5%)」の倍です。
さらに、入会後6カ月間は還元率が2.0%に引き上げられます。貯まったポイントは「オリコ公式アプリ」で簡単に確認・交換ができるため、ダウンロードしておきましょう。
Orico Card THE POINTの詳細はこちら(公式サイト)
公共料金の支払いにおすすめのクレジットカード:au Payカード

年会費 | 無料(※) |
---|---|
還元率 | 1.0% |
付与されるポイント | Pontaポイント |
発行スピード | 最短4日 |
国際ブランド | VISA、Mastercaard |
入会資格 | ● au IDの登録者 ● 18歳以上 ● 本人または配偶者に定期収入がある |
その他特典 | 入会すると最大1万ポイントもらえる |
- 入会時特典の1万ポイントが魅力的
- 「au PAY残高」にチャージすれば、還元率1.5%で買い物ができる
- 提携店なら、さらにポイントアップ
「au PAYカード」は、「Pontaポイント」が貯まるクレジットカードです。基本の還元率は1.0%で、いったん「au PAY残高」にチャージしてから支払えば1.5%に上昇します。
入会時の特典としてポイントを進呈するカードは多いですが、au PAYカードの1万ポイントは他のカードと比較してもかなり魅力的です。年会費無料のカードでは、トップクラスではないでしょうか。
Pontaポイントを貯めている方は、au PAYカードに申し込みましょう。

「auでんき」は、毎月の電気料金に応じて最大5.0%のPontaポイントが還元されます。条件は、au携帯電話などの契約があること。電気料金の支払方法に条件はありませんが、せっかくならau PAYカードで支払うとよいでしょう。
若山卓也(ファイナンシャルプランナー)
公共料金の支払いをクレジットカード払いにする方法

公共料金をクレジットカード払いへ切り替えるには、どうすればよいのでしょうか。「東京電力」を例に見ていきましょう。
公共料金の支払いをクレジットカード払いに切り替えるには
公共料金の支払方法をクレジットカード払いに切り替える際の大まかな流れは、以下のとおりです。
切り替えの流れ | 例)東京電力の場合 |
---|---|
1. クレジットカード払い対応の 「国際ブランド」をチェック |
JCB、VISA、Mastercard、ダイナース、 アメリカンエクスプレス など |
2. 「口座振替割引」をチェック | 55円 |
3. 「口座振替割引」より還元率が高い クレジットカードを申し込む |
口座振替割引よりお得になる還元率の目安 2,000円:2.75% 3,000円:1.83% 5,000円:1.1% 8,000円:0.69% 1.0万円:0.55% 1.5万円:0.37% 2万円:0.275% |
4. 公共料金の支払先にクレジットカード 払いへの切り替えを申し込む |
・インターネット ・郵送(電話で取り寄せ) |
まずは公共料金の支払先のHPなどで、クレジットカード払いに対応しているかどうかを調べましょう。その際は、対応する「国際ブランド(JCBなど)」のチェックも必要です。
次に、口座振替割引をチェックします。口座振替割引がある場合は、それよりも還元率が高いクレジットカードを申し込むべきです。
クレジットカードが決まったら、入会を申し込みます。手元にクレジットカードが届いたら、公共料金の支払先に切り替えを申請します。手続きは「インターネット」や「郵送」で行うのが一般的です。
公共料金の支払いをクレジットカード払いに切り替える時の注意事項
クレジットカード払いに切り替える場合は、「何月分の料金から切り替わるか」を確認しましょう。切り替えが完了するまでにタイムラグがあるため、それまでの料金は従来の方法で支払わなければなりません。うっかり滞納しないように注意してください。
クレジットカードで公共料金を支払ってお得に生活しよう

公共料金はクレジットカードで支払いましょう。ポイント還元があり、支払い忘れも防げるためおすすめです。できるだけ還元率が高く、年会費が安いカードを選びたいものです。
ただし、口座振替のほうがお得なケースがあるため注意が必要です。事前に割引サービスの有無を確認し、割引額とポイント還元率を比較して、どちらがお得か慎重に判断してください。
公共料金を支払うクレジットカード、おすすめは?Q&Aでもチェック!

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証券外務員一種、AFP、プライベートバンキング・コーディネーター資格保有。
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