クレジットカードを発行するには審査を受ける必要がある。審査の基準は、カード会社の基準によっていろいろだ。カード会社によっては、無職でも合格する場合もあり、働いていてもクレジットカードの審査に落ちる場合がある。特に働いているにも関わらず、クレジットカードの審査に落ちると、「何がいけなかったのか?」と気分が落ち込むだろう。

各カード会社によって独自の基準があるとは言え、実は、根本にある「クレジットカードの審査に落ちる」ことには、大きく分けて5つの理由がある。この「クレジットカードの審査に落ちる」理由は何なのだろうか。

クレジットカードの審査とは? なぜ審査があるのか

当たり前だが、クレジットカード会社は慈善事業を経営しているわけではない。カード所有者が使った利用代金を確実に回収し、貸し倒れのリスクを軽減し続けなければ商売にはならない。このため、自社クレジットカードを発行する人間に対して「確実にカードで利用した分を支払ってくれるか?それだけ信用がおけるか?」という視点で審査をする。

年収などの細かな審査基準は、各カード会社によって異なるが、「カードで利用した分を支払ってくれるか?それだけ信用がおける人か?」という点は、どの会社も同じである。

なお、ダイナースカードではそのWebサイトに「かつての入会審査方針は、収入、生活の安定性、将来性の3点と社会的信頼性の高い方」と明記していた。これはダイナースに限らず各カード会社とも今もそれほど変化はない。特にこの3点の中の収入、生活の安定性は、クレジットカード審査の大事なポイントとなる。

クレジットカードの審査に落ちる主な5つの理由を挙げてみた。

落ちる理由その1 クレジットヒストリーに傷がある

クレジットヒストリー・信用情報とは、クレジットカード、キャッシング、ローンの利用履歴である。ここに支払い遅延、延滞などの情報が掲載されていると、クレジットカードの審査に落ちる可能性は極めて高くなる。

この信用情報は、各カード会社が保有している情報の外、CIC、JICC(日本信用機構)、全銀協(全国銀行協会)などの情報機関にて、カード会社から照会があると履歴が開示される。また、カード会社から支払い遅延の情報もCICなどの情報機関に提供されている。

情報機関に登録される情報は、内容によって保存期間が異なる。例えばCICの場合、加盟するクレジット会社等から登録される情報は、契約期間中および契約終了後5年以内、保存から6か月である。CICが独自に収集する情報は登録日より5年間だ。

なおクレジットヒストリーはCIC、JICC、全銀協に対して個人でも開示を求めることができる。手数料は、CIC、JICC、全銀協いずれも1000円(税別)だ。例えば、CICの場合、パソコン、スマートフォン、郵送、窓口で開示を求めることができる。

JICCの場合、身に覚えのない信用情報の登録や事実と異なっている場合は、JICCを通して、登録した会員会社に調査依頼が可能だ。CIC、全銀協では残念ながら行っていないようだが、自分の信用情報が気になる人は、情報開示を求めるのがよいだろう。