ダイエットの方法はたくさんありますが、多くの人が取り組んでいる方法として、カロリー制限と糖質制限があると思います。この2つは似ているようですが、どこが違い、どちらのダイエットの方が痩せるのでしょうか。今回は栄養学とスポーツ科学を専門とする筆者が、カロリー制限ダイエット、糖質制限ダイエットの違いや効果について、考えをまとめていきたいと思います。

カロリー制限ダイエットと糖質制限ダイエットの違いは?

カロリー制限ダイエットと、糖質制限ダイエット。まずはこの2つの違いを知っていきましょう。

カロリー制限ダイエットは、1日に摂取するカロリーを制限する方法です。私たちは糖質や脂質、タンパク質といった栄養素からカロリーを摂取しています。カロリー制限では糖質や脂質、タンパク質の摂取量を減らして摂取するカロリーを減らします。

効果的なカロリー制限ダイエットは、糖質、脂質、タンパク質の中で最もカロリーの高い脂質を減らすことです。それから、糖質の多すぎる甘いもの、人工的なお菓子などは、カロリーが高いので、総摂取カロリーを抑えるためには控えることが必然になります。

一方、糖質制限ダイエットは糖質、脂質、タンパク質の3つの内、糖質のみを制限するダイエット法です。カロリー制限ダイエットは、脂質やタンパク質も制限するのに対して糖質制限は糖質のみしか制限しません。

多くの場合、糖質制限ダイエットはいくら高カロリーのものを食べてもいいと言われます。糖質さえ我慢すれば、こってり味のチーズ料理やがっつりお肉も食べられるというわけ。面倒なカロリー計算も不要。その手軽さが、人気を集めている理由の一つになっています。

カロリー制限と糖質制限はそれぞれメリット・デメリットがあります。自分に合った方法を知ることでより効率的に痩せることができます。

それではカロリー制限が向いている人、糖質制限が向いている人とはそれぞれどのような人なのでしょうか。向いているかどうかは、体質は問題ではありません。それよりも、目標が重要なんです。

短期間で体重を落としたいなら「糖質制限」ダイエット!

まず、糖質制限ダイエットは「短期間で痩せたい」と考えている方にオススメの方法です。

私たちの体の中には体を動かす際のエネルギー源であるグリコーゲンというものが蓄えられています。グリコーゲンは、糖質を摂取することで作られ(脂質やタンパク質では作れない!)、蓄える際には多くの水分を必要とします。

つまり、グリコーゲンを多く蓄えている体は、水分が多くむくみがち。体重も重くなっています。

糖質制限を行うとグリコーゲンの原料となる糖質の摂取量が限られるので、グリコーゲンは減っていきます。すると体の中の水分も減っていき、体重が軽くなります。むくみも減るので、見た目も一気にすっきりします。

また、厳しめの糖質制限を一定期間行った場合は、体からエネルギー源がなくなるので、エネルギー回路が変わります。ケトン体が作られ、脂肪が燃焼される身体になります。

メリハリのある体になりたいなら「カロリー制限」ダイエット!

カロリー制限ダイエットは、くびれや上がったお尻など「メリハリのあるボディラインが欲しい」という方にオススメ。トレーニングを行いながら、食事の量をコントロールして痩せたいという方に向いています。

トレーニングを行う際には、筋肉に蓄えられているグリコーゲンが重要な役割を果たします。グリコーゲンを、食事に含まれている糖質を摂取することで蓄えることができます。

糖質制限ダイエットして、グリコーゲンが少ない状態で運動をすると思うように力が発揮できません。結果、トレーニングの効果が薄れてしまうので注意しましょう。

メリハリのあるボディラインを目指すためのトレーニングをしながらダイエットを行いたいなら、糖質はある程度しっかり摂取しつつ、カロリーをコントロールするとよいです。

ポイントは、脂質を減らすこと。糖質やタンパク質よりカロリーの高い脂質を控えることで、1日の総摂取カロリーを減らしやすくなります。