「さまざまなものがそろっている百貨店」「食生活に欠かせない野菜」「法的トラブルのときに頼れる弁護士」など、どれも人々の生活に欠かせないものです。しかし、この3業界、実は衰退の一途をたどっています。ここでは、百貨店・農業・弁護士の3つの業界に注目して衰退している背景を紹介します。

百貨店・デパート業界

高級ブランドや高級コスメが立ち並ぶ高島屋は、売上高や営業益、経常益などがいずれも右肩下がりです。百貨店・デパート業界が衰退している背景には、高級なイメージが定着していることやファストファッションやファストフードの流行、イオンモールの存在などの影響を受けていると考えられます。さらに消費税率の引き上げや将来の年金に対する不安、老後2,000万円問題など、さまざまな要因による消費減少も背景にあるでしょう。

農業

2019年に農林水産省が公表した「農業労働力に関する統計」によると2015年の農業就業人口は約209万7,000人でしたが、2019年の概数値は約168万1,000人と減少傾向です。特に65歳以上での農業就業人口が大きく減少しているため、このままでは農家の後継者不足がより深刻化するでしょう。

企業であればM&Aによる事業譲渡や外部から後継者を招くなど、さまざまな対策を模索できますが、農業には豊富な専門知識が必要であり後継者になるメリットも少ないため、外部から後継者を招くことは難しいのです。