この記事は書籍『年収400万円からの不動産投資で着実に稼ぐ秘訣』(高山一恵氏著)の内容を抜粋したものになります。

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「不動産投資で節税できる」がウソでも本当でもない理由って?

※以下、書籍より抜粋

「不動産投資で節税できる」は本当か?

多くの不動産業者の代表的なセールストークといえば、「会社員の方が不動産投資をすると節税になりますよ!」というもの。私のところにも、OLさんから「不動産投資をやると節税になるんですか?」という質問がよくきます。
 
これは、ウソではありませんが、大幅に節税できるか、というと、答えは「ケースバイケース」です。
 
不動産投資においては、収入から経費を差し引くことができ、不動産取得時にかかる印紙税や登録免許税、不動産取得税などの税金やローンの支払い利息、仲介手数料や管理費、修繕積立金などの入居付けのための費用は必要経費とみなされます。とくに初年度は不動産の取得時にかかる税金の金額が大きいため、不動産所得は赤字になるケースが多くなります。
 
不動産所得は給与所得と合算することができるので、不動産所得が赤字の場合には、給与所得から不動産所得の赤字分を差し引くことができます。その結果、所得金額が小さくなり、所得税を減額することができます。
 
例えば、給与収入からの最終的な課税所得が360万円、不動産所得がマイナス30万円だった場合、最終的な所得は、360万円から30万円を引いた330万円となります。360万円に税金がかかるのと、330万円に税金がかかるのとでは、当然、後者の方が税金は安くなります。かつ、課税所得が330万円になることにより、所得税の税率を10%から5%に下げることができます。
 
不動産投資において、計上できる有効な経費が「減価償却費(げんかしょうきゃくひ)」です。減価償却費とは、簡単にいうと、購入した投資用物件の不動産を法律で定められた耐用年数で費用計上していくこと。減価償却費のポイントは、実際には支払いをしていないのに、費用計上ができるところです。
 
下記の図は、中古のワンルームマンションに投資した場合の一例です。
 

年間の賃貸収入が100万円、実際に支出をともなった経費が90万円だとします。そして、減価償却費を40万円計上できるとします。そうすると、経費の合計は130万円となり、不動産所得は、

100万円−130万円=−30万円
 
となりますが、実際の支出は90万円なので、
 
100万−90万円=10万円
 
となり、実際のキャッシュフローはプラスになっています。つまり、ここがポイントで、減価償却費を上手に活用することで、実際は黒字でも帳簿上は赤字にすることができます。前述したとおり、会社員の場合は、給与所得と不動産所得を合算することができるので、結果的に課税所得を減らすことができ、実際は黒字なのにもかかわらず、支払う所得税を減らすことができます。
 
この仕組みが活用できるため、多くの不動産業者では、「不動産投資は節税効果がある」というセールストークを使っているわけです。ただし、現在では、減価償却を計算する際の計算方法が変わっているので注意が必要です。投資初期の段階では、減価償却に計上できる金額は大きいので初年度は赤字になることが多いのですが、2年目以降は、以前よりも減価償却に計上できる金額が多くないため、減価償却費を計上しても不動産所得がプラスになることも多々あります。

ですから、会社員の場合、給与所得に加えて、不動産所得がプラスになった分、税金が増えるケースも少なくありません。
 
自分のケースが節税になるかどうかは「税理士」に確認するのが確実です。税理士というと、ハードルが高いと感じられるかもしれませんが、簡単な税務相談であれば、5000円程度支払えば、質問に応じてもらえます。
 
ただし、税理士といっても人それぞれ得意分野は違うので、できれば、不動産投資関連の案件を数多く扱っている人にお願いするとよいでしょう。依頼するときに実績などについて確認してみましょう。不動産投資仲間がいる場合は、紹介してもらうというのも有効な方法です。

*POINT
節税はケースバイケースなので税理士に相談しよう
 

(画像=Webサイトより ※クリックするとAmazonに飛びます)

高山一恵(たかやま・かずえ)
ファイナンシャル・プランナー(CFP)。2005年に女性向けFPオフィス、株式会社エフピーウーマン創業。10年間取締役を務めたのち、株式会社Money&You取締役就任。講演活動、執筆、マネー相談などを通じて、女性の人生に不可欠なお金の知識を伝えている。不動産投資セミナーや不動産投資スクールの講師を務める一方、自身も不動産投資で資産形成を行い、実体験や顧客事例をもとにしたわかりやすい講演に定評がある。

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