嗅覚は、本能的な情動に訴える器官です。アロマは、この嗅覚を刺激するストレスケアで、メンタルを整える効果があると言われています。また、アロマは精油(エッセンシャルオイル)の元となる植物の種類によって、寝付きや冷え性の改善など、身体的な効果もあるとされています。

アロマテラピーは欧州で発達したものですが、現在では美容・健康法などに応用され、その種類や方法もさまざまです。本稿では、アロマテラピーについて解説します。

アロマによる「ストレスケア」と「幸せ度」の増大

1990年代に日本でまたたく間に広がり、現在では一般的に知られるようになったアロマテラピー。アロマの紀元は古代ギリシャの医学に始まり、やがてインドやアラブの伝統医学と融合して、世界に広がっていったと言われています。

アロマで最も良く知られているのは、芳香によるリラックス効果でしょう。公益社団法人日本アロマ環境協会が調査したところ、日常生活にアロマを取り入れている人はそうでない人よりも“幸せ度”が高いという結果が出ました。

“幸せ度”というと抽象的ですが、アロマはストレスによる「だるさ」や「疲労感」、「不眠」などを改善し、それが“幸せ度”を高めるということなのでしょう。アロマはストレス軽減効果があり、それが幸せ度に貢献としていると言い換えられるかもしれません。

アロマのさまざまな効果

アロマは、精油の原料となる植物の種類によって、心理面・身体面にさまざまな効果をもたらします。

心理面では、不安感や緊張感を和らげ、落ち込んだり、ふさぎ込んだりといった憂うつ感を軽減する効果があります。身体面では、肩こりや疲労感、冷え性などを改善すると言われており、女性特有の生理痛や更年期障害などにも有効とされています。

アロマの「香り」にこのような効果があることを、不思議に思う人もいるかもしれません。アロマの成分は鼻の奥にある嗅覚受容体に作用し、神経を通じて大脳辺縁系や視床下部に伝わります。この結果、記憶や情動、自律神経や内分泌系を整え、心身のバランスを調整してくれるのです。