エビングハウスの「忘却曲線」という言葉を聞いたことがあるでしょうか? これはドイツの心理学者、ヘルマン・エビングハウスが行った記憶に関する実験で分かった結果を表したグラフの名前です。人に記憶を定着させるためには、どのような勉強法がベストなのか、実験結果から確認していきましょう。

「勉強したのに覚えられない……」効率的な勉強方法って?

新しい資格とりたいと思った時、テストで良い点数を取るために勉強をしている時、あなたはどのような勉強方法をとっていますか?

短期間で集中して詰め込むタイプと、長期的に学びを繰り返すタイプ、それぞれ分かれていると思います。また書いて覚える人と、見て覚える人、耳で聞いて覚える人とその勉強方法もさまざま。

今回は、心理学で人の記憶に関しての調査をしたヘルマン・エビングハウスの調査結果と、そして脳科学的にみた記憶のメカニズムの両方を照らし合わせた、ベストな勉強方法について考えてみましょう。

自分に取ってのベストな勉強方法で、記憶の定着率を上げてみて。

人の「記憶」に関する調査をしたエビングハウス

(写真=getty images®)

ドイツの心理学者、エビングハウスのが記憶に関する実験を行った結果を見てみると、人は情報を記憶しても、20分後には約42%、1時間後には約56%、9時間で約64%、6日後には約76%の記憶を失うそうです。

つまり、短期間で集中して勉強をしてもあまり身になることはなく、「一夜漬け」の状態で、学びをやめた時点でその記憶はなくなるということです。そして、その実験では、立て続けに物事を覚えようとするよりも、感覚を開けて覚えた方が、効率よく脳に記憶されるという証明がされています。

脳が学んだ情報を忘れそうになったタイミングで、同じ情報を入れることによって、記憶の定着ができるというものです。