なるべく冷暖房を使わず快適に過ごせる家は、そこに住む人だけでなく環境にもやさしい住宅といえます。高断熱で省エネルギーな住宅は、そうでない住宅と比べてどのような違いがあるのでしょうか。

2020年は省エネ住宅が義務化に

世界的に温室効果ガスの削減に取り組む中、日本でも近年の新築住宅は環境に配慮したものが増加傾向です。石油などの1次エネルギーを消費しないZEH(ネットゼロエネルギーハウス)住宅の普及に政府も取り組んでいます。2013年、2015年と住宅に関する省エネルギーの基準が改正されました。2020年以降はすべての新築住宅で省エネ基準に適合することが義務付けられています。

2030年にはすべての住宅がZEHの基準に適合することが目標です。2015年に施行された「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律」で、前述のように2020年以降は新築住宅に省エネ基準の適合が義務付けられることになりました。

省エネ住宅について、詳しくはこちらからご覧ください。

省エネルギー対策等級について

住宅の品質性能を等級で表す「住宅性能表示制度」でも省エネ住宅に関する基準が設けられています。住宅性能の表示は義務ではありません。しかし住宅の品質を等級で表示することで中古販売する際などに住宅の価値を守ることができます。これは住宅の性能に関する紛争などを避けるために生まれた制度です。

新築住宅の場合、性能表示項目は地震、火災、配管、土台、シックハウスなど10の分野に分けられており、その一つに「省エネルギー対策」が含まれています。省エネルギー対策分野では温熱環境(断熱等性能等級)とエネルギー消費量の2項目が等級で表示され、数字が大きくなるほど性能が高いことを表しているのです。

温熱環境の項目は、暖房器具に使用するエネルギーを削減するための断熱の度合いを等級で表示しています。

・等級4
2016年以降に制定された基準に適合した住宅

・等級3
1992年に制定された基準に適合した住宅

・等級2
1980年に制定された基準に適合した住宅

・等級1
いずれにも当てはまらない住宅

エネルギー消費量の項目では、住宅で使用する電気、灯油、都市ガスなどの2次エネルギーを石炭、石油、天然ガスなどの1次エネルギーに換算してどの程度消費したかを等級で表しています。

・等級5
1次エネルギー消費量をより大きく削減するための対策を講じている住宅

・等級4
1次エネルギー消費量を大きく削減するための対策が講じられている住宅

・等級1
どちらにも当てはまらない住宅