この記事は書籍『マイホーム物件 得なのはどっち? 』の内容を抜粋したものになります。

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※以下、書籍より抜粋

ペットが「飼えるマンション」と「飼えないマンション」どっちが現実的?

以前は、マンションでは「ペットは飼えない」というのが常識でした。しかし、最近ではペットを飼う家庭が増えていて、マンションでもペットと暮らしたいという人がたくさんいます。一人暮らし世帯や高齢者にとって、心を癒してくれる相手として、ペットを飼うことの意義が認識されてきているようです。ただ、ペットが苦手な人、とくにアレルギーに悩んでいる人にとっては、深刻な問題でもあります。

古いマンションなどでは「ペット禁止」、あるいは「どちらともいえない曖昧な状態」におかれている場合があります。しかし、規則だからとはいえ、完全に禁止することは難しい状況です。禁止を強調することで隠れてペットを飼う人がいると、逆に管理組合として現状の把握が難しくなり、問題を深刻化してしまう可能性もあるのではないでしょうか。

国土交通省の実施した平成25年度マンション総合調査では、ペットを「禁止している」マンションは47.4%、「種類・サイズ・共用部分での通行形態などを限定し、認めている」のが42.5%、「全面的に認めている」が2.9%、「規則がない」が5%──という結果が出ています。

そして注目したいのは、平成11年までは「禁止している」が過半数であったのが、平成
12年以降は「種類・サイズ・共用部分での通行形態などを限定し、認めている」が半数を超えたということです。

たしかに最近では、新築分譲されるマンションは「ペット可」としたうえで、規約や使用細則で飼育のルールをしっかり決めている例が増えてきました。できることならば、ペットが好きな人も嫌いな人も、互いの意見を尊重し、迷惑をかけないように厳格なルール遵守で、快適に生活できる環境をつくりたいものです。

飼育できるペットの種類とサイズ、数を決め、廊下やバルコニーなどの共用部分でのペットの取り扱いルールもしっかり守れば、双方のストレスにはなりません。

前記のデータで「居住者間のマナーをめぐるトラブルの具体的内容」におけるペット飼育に関するトラブルも、平成11年度には45.4%でしたが、平成25年度で22.7%に減少しています。最近では、ペットを飼っている人が参加する「ペットクラブ」をつくるマンションもあります。ペットの種類名、色や模様、雌雄、大きさ、年齢、写真などで管理し、マンション内で問題が起きたときなどはペットクラブで対応するというものです。

正解 きちんと飼育の規約があるかどうか

(画像=Webサイトより ※クリックするとAmazonに飛びます)
四宮朱美(しのみや・あけみ)
宅地建物取引士、マンション管理士、マンション管理業務主任者、ファイナンシャルプランナー、ホームステージャー。20代で自宅マンションを購入し、以後、数々の売却・買換えを経験、老朽マンションの建て替えにも取り組む。不動産・住まいの分野を歩み、住宅情報メディアの不動産広告を20年間制作。現在は、不動産や住宅に関する記事を取材・執筆するとともに、不動産購入に関するあらゆるサポートをする”不動産メキキスト”として活動。

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