ソフトバンクの「Pepper」やドローンの登場など、少し前まで映画やアニメの世界だけの存在だったロボットが現実でも身近になってきた。今や、工場などの単調な作業だけでなく、考える作業においても利用されているのだ。未来の技術は、すでに実現の一歩手前まで来ている。これから普及が期待される「ロボ○○」を3つ紹介しよう。

ロボホン 愛らしい「歩くスマホ」

ロボホンとはシャープ <6753> が2016年5月26日に販売開始した製品で、スマートフォンと人型のロボットが融合した商品だ。価格は19万8000円で、カメラなどのスマートフォン機能をはじめ、小型のレーザープロジェクターなど多くの機能を持った製品である。

ロボホン最大の特徴はその愛らしい姿、仕草だろう。顔認識機能により持ち主を判別し、コミュニケーションを取ることができる。「写真を撮って」と言えばこちらを向いて写真を撮ってくれ、「こっちに来て」といえば二足歩行で近づいてくれるのだ。他にも、電話帳に登録している人の顔を見つけると、名前を呼んで写真を撮るモードや、風景を自動で撮影するモードなども搭載されている。専用アプリのアップデートによって、機能が今後追加されていく点も魅力である。

ロボホンを利用するには、月額基本料金980円(税抜)に加え、モバイル通信サービス月額料金と、保証サービスの月額料金が任意で付帯される。本体価格は高価だが、普及すれば低価格化も期待できそうだ。

まだ実用化にはハードルが高いかもしれないが、今後技術が進歩すれば様々な機能が追加され、より便利になっていくだろう。いつかスマートフォンも全てロボホンに代わり、携帯するのではなく連れて歩く時代が来るかもしれない。

「ロボアドバイザー」 ロボットがお金を増やしてくれる?

株式投資は、NISAの普及もあり、機関投資家やトレーダー以外の方にも利用され始めている。ただ投資に関しては様々な手法があり、相応の専門知識を習得しなければ、利益を出すことは難しいだろう。

そこで登場したのがロボアドバイザーだ。これは、投資家の性質に応じて自動で資産運用を行うサービスで、大手金融機関をはじめベンチャー企業も次々と参入している分野である。

投資方法は人によって好みが分かれる。ハイリスクハイリターンを求める人、ローリスクローリターンで良い人、長期投資を好む人もいれば投機に近い短期投資を好む人もいる。ロボアドバイザーは利用者の投資方法を事前のアンケートによって判定、その性質に合わせた投資を自動的に行ってくれるのだ。

投資では膨大な情報量から判断材料を抽出し、適切に資産を配分しなければならない。これはどれだけ投資を学んだ人間でも、頭脳と時間の限界がある。その点、人間よりはるかに情報処理能力の高いロボットであれば、そのような適切な判断が可能となるのだ。何年も投資を学んだ投資家よりも、理論的な投資ができるかもしれない。

ただし、人間の投資家だからこそ持つ「勘」はロボアドバイザーに求めるのは酷だろう。またインターネット上で得ることができない情報を、ロボットの判断材料に加えることはできないのだ。逆に言えば、インサイダー取引が発生しようがないとも言えるが、ロボットは完璧ではない。

ロボットに莫大な資産運用を任せるには、まだ実績が足りないだろう。ただロボアドバイザーは今後普及していくサービスと言える。