「風水」と聞くと、人によっては疑わしいと感じてしまう人もいるかもしれない。しかし長い歴史を持つし、最近でも、世界的な大企業や有名人にもその考え方が取り入れられているのだ。一例を挙げると、企業ではMicrosoft、IBM、メリルリンチ、フォードなどが挙げられる。

そして個人でも、風水を取り入れている人たちがいる。ビル・ゲイツ氏、ドナルド・トランプ氏、シルベスター・スタローン氏、ソフィア・ローレン氏などだ。

また、身近な存在として徳川家康が築いた江戸の町・現在の東京は「風水都市」と言われるほど、皇居を中心にさまざまな仕掛けが施されてきている。この背景には、徳川家康から3代の将軍に仕えていた「南光坊天海」の知恵が活かされている。

そもそも風水とは何か?

「風水」とは、今からおよそ4000年もの昔の中国、漢の時代に始まったとされる。その後アジア地域を中心に広がっていった。衣食住と私たちの日々の行動など、私たちの周囲に漂う「気」の流れを上手に取り入れて運気をよくする方法である。別名「開運のための環境学」とも呼ばれている。

「最近何かにおいて上手くいかない……」と悩んでいるのならば、試しに「風水」を取り入れてみてはどうだろうか。

歴史・基本的な考え方

風水はもともと中国古来から存在する「仙道五術の奥義」の思想・哲学をもとに生まれた。森羅万象の過去からこれから先の未来までを総合的に判断し、その時代の長とその国家を守るために、風水羅針盤を用いて判断していたのである。

初めは軍策として使われていた。有名な逸話に、後漢末期の諸葛孔明による「赤壁の戦い」がある。自然界の気の流れを味方にたった20隻の船で数千隻もの曹操軍に打ち勝ったと言われている。

日本でも取り入れられるようになったのは、一般的に平安時代だと言われている。この時、風水の奥義を会得して活躍していたのが「陰陽師」だ。平安京の特徴とも言われる「碁盤の目」のように整備された都づくりは、まさに風水を取り入れているためである。

風水には大きく3つの種類がある。「陽宅風水」「陰宅風水」「風水地理」の3つである。陽宅とは、一般の建物のことを指す。陰宅は死者を祭るお墓のこと。風水地理は、大地や山・川における風水のことを指す。

基本的な考え方は「生気は大地に存在し、万物を育んでいる」つまり、「気」は生命の源になるということである。