「最強のデジタル世代」といわれるZ世代(12歳から18歳)が、今から5~10年後には新たな主要消費者に加わるが、英国のテレコム会社Vodat Internationalの最新調査によると、消費者と小売業者の間で著しい「需要と供給のギャップ」が生じることになりそうだ。

ほかのどの世代よりもデジタル化を好むZ世代に対応する手段として、「マルチチャンネル環境」が必須となることはいうまでもなく、「パーソナルなサービスの向上」など、あらゆる点で顧客獲得戦略への改革が求められる。

デジタル化は必須だが実際のストアも重視のZ世代

ミレニアル世代とそれ以前の世代の差については、これまで多く語られてきたが、Z世代はさらにその差を顕著なものとすることが、この調査で浮き彫りとなった。

Z世代の特徴は、スマートフォンやタブレットなどのデバイスを利用したコミュニケーションを優先させている反面、実際のストアの重要性も強調している点だ。

様々な調査からミレニアル世代にも同種の傾向が見受けられているが、Z世代のほうがはるかに強力だ。

1000人の英国Z世代を対象にしたVodatのサーベイでは、38%が「少なくとも今後5年間は、オンラインよりも実際のストアで商品を購入する」と回答している一方で、56%が「(商品、サービスに関して知りたいことがある場合)販売員に接するよりもスマホで調べるほうがいい」という。

また49%が「従来型のレジよりもセルフチェックアウトがいい」、52%が「販売員よりもデジタル情報キオスクを設置して欲しい」と答えていることから、この世代が販売員や従業員とのコミュニケーション、いわゆる接客サービスをあまり求めていないことがわかる。

実際のストアを重視するのは、あくまで「商品を手にとって確かめるため(68%)」であり、「欲しいと思ったらすぐに購入(43%)」する手段という要素が強い。

「友人との遊びもかねて(42%)」という目的のほか、「送料がもったいないから(31%)」というちゃっかりした一面も。いずれにせよ、接客重視型の年配層とはまったく異なる。