結婚の年齢が遅くなってきている現代。周囲を見渡してみても30代半ばを過ぎてから結婚する人は珍しくありませんし、そこから妊娠・出産へと進むカップルも少なくありません。

けれど晩婚・晩産カップルが見落としがちなのは、20代で結婚したカップルに比べて、ライフプランが後ろ倒しになることです。備えあっても憂い自体が消えるわけではありませんが、その憂いの輪郭がつかめれば、対処法を考えることができますよね。遅めスタートを切るために、その先を展望しておきましょう。

現代の家族形成は遅めスタート

(写真=Evgeny Atamanenko/Shutterstock.com)

厚生労働省「人口動態統計」(2017年)によると、2017年の平均初婚年齢は、女性が29.4歳、男性が31.1歳。また、35歳以上で初婚となった人の割合は、女性で15.3%、男性で23.3%となっています。

次に、同じデータから、第1子出産時の母と父の年齢を見てみましょう。平均年齢は母が30.7歳、父が32.8歳。35歳を過ぎて第1子を出産した女性は、21.4%に上ります。

これらの数字からも、現代の家族形成は30歳前後から始まり、35歳を越えてからスタートする人も2割前後いることが分かります。

35歳からの出産と子育て、もっとも意識するのは?

(写真=paulaphoto/Shutterstock.com)

では、遅めスタートのカップルが直面しやすい困難は、どんなところにあるのでしょうか。調査レポート『晩産カップルの人生設計への意識-35歳以上で子どもを持った40~50代既婚男女へのアンケート調査より-』(北村安樹子、第一生命経済研究所、2017年)から探ってみましょう。

この調査は、妻が35歳以上で出産した40~59歳の男性会社員595名、および夫が会社員で自身が35歳以上で出産した40~59歳の女性492名を対象に行ったものです。

子供の出産で意識したこと

これら晩産カップルの男性と女性が「子供の出産に際して意識したこと」を見ると、次のような回答結果となっています。

<女性>
第1位:子どもが成人したときの自身の年齢(46.7%)
第2位:自身の健康・体力(43.9%)
第3位:子どもが成人したときの配偶者の年齢(36.0%)

<男性>
第1位:子どもが成人したときの自身の年齢(39.5%)
第2位:自分の収入の見通し(35.1%)
第3位:自分の貯蓄(34.6%)

晩婚カップルの将来展望は「家族は健康」が前提?

年齢や経済状況を意識する一方で、「配偶者の健康・体力」を意識した人は、女性で24.6%、男性で11.8%。「子育ての期間中に家族に介護が必要になるかもしれないこと」を意識したと答えた人は、女性で12.6%、男性は3.5%に留まっています。

また、人生設計を立てている人は女性で17.1%、男性で23.2%。その効果について「自分(家族)の健康面でのリスクを意識できる」と答えた人は男女とも2割に満たず、「特に効果はない」と答えた人は女性15.9%、男性では30.8%に上りました。

これらの回答結果を見ると、将来については「そのとき考える」、そしてその将来も、自分や家族が病気やけがをせず健康で働き続けることを無意識の前提にしている人が多いのではないかと考えさせられます。