木の温もりや優しい香りがある木造住宅は、ほっと一息つけるような居心地のいい空間を作ってくれます。ひとくちに木造と言っても、使用できる木材の種類は多く、それぞれに特徴が異なります。これから木造の家を建てたいと考えているのなら、木材の性質を知ることからはじめましょう。

木の家が持つ6つの魅力

住宅の建築方法には、木造以外にも鉄骨造・RC(鉄筋コンクリート)造といったさまざまな工法がありますが、構造だけでなく内装にもふんだんに木を取り入れた「木の家」は、ほかにはない多くの魅力を持っています。

1.耐久性が高い

木材は鉄やコンクリートに比べても、引っ張り・圧縮・曲げなど、さまざまな強度に優れています。そのため家を支える柱や梁といった場所にも向いており、地震や台風などの自然災害が多い日本の住宅にも適していると言えるのです。

2.リフレッシュ効果がある

ひのきをはじめとする樹木には、消臭効果や抗菌性を持つ香りの成分「フィトンチッド」が含まれており、森林浴のようなリラックス効果が期待できます。特に木曽檜は、カビやダニといったアレルギー原因物質の繁殖を抑えるといわれる「ヒノキチオール」が含まれるという報告があり、近年さらに注目されています。また、美しい木目は建物全体の雰囲気を優しくしてくれるので、クリニックの待合室や事務所など人の出入りが多い建物にも合うでしょう。

3.温かみがあり、湿気を調整する

空気をたっぷりと含んだ木材は鉄やコンクリートに比べて圧倒的に熱伝導率が低く、外気温を伝えにくい断熱性を持っています。木の床は裸足で歩いても快適です。このように夏は涼しく冬は暖かい室内環境を自然に整えてくれるのです。また、木材には湿気を吸収・放出する性質もあります。木の家は人が快適に感じる湿度を比較的保ちやすく、カビやダニなどの害の発生を防ぐ効果もあります。

4.衝撃を吸収する

木材の種類によって程度の差はあるものの、弾力性を持ち衝撃に強いのも木の家の特徴です。足に優しくて疲れにくく、子育て世帯や2世帯住宅にもおすすめです。

5.火災にも強いものがある

空気を含んだ木材には可燃性がありますが、火災が起きてしまった場合には、木材の表面が燃えた際にできる炭化層によって、内部まで燃え尽きるのに時間がかかります。そのため、ある程度の厚みや太さを持つ木材を使用し家を建てることで、早い段階で崩れ落ちる危険性を減らすことができると考えられています。

6.有害な化学物質が発生しない

天然素材である木材をふんだんに使うことで、人間の体にさまざまな悪影響を及ぼす有害な化学物質の発生を抑えることができます。家を建てる段階で有害物質を用いない建材を使用することでリスク軽減につながり、たとえば室内の空気汚染などが原因とされ鼻水や喉の乾燥、吐き気、頭痛などの症状を引き起こすシックハウス症候群や、アレルギーやアトピーの対策としても役立つといえるでしょう。