共働き世帯数は年々増加傾向にあり、2017年には専業主婦世帯数の2倍近くになっています。少しでも家計のプラスになるようにと、仕事を始める女性が増えているのではないでしょうか。

扶養のことを考えながらパートをする人も多く、「○円の壁」という言葉を聞いたことがある人も多いでしょう。

収入に応じて所得税、住民税などの税金がどのように変わるのか、パートで働くA子さん、B子さん、C子さんの状況に合わせて計算してみます。

パートの手取り額の計算方法は?

(写真=nelzajamal/Shutterstock.com)

時給で働くことが多いパートですが、実際の手取り額の計算式は次のとおりです。

1ヵ月の勤務時間×時給=パート給与
パート給与−(住民税+所得税+社会保険料)=手取り額

住民税や所得税、社会保険料は一定の収入を超えた場合にそれぞれ対象になるため、「一定の収入」がいわゆる「○円の壁」という言葉で表現されているものです。

それでは、〝壁〟について一つずつ見ていきましょう。

パートの手取り額の計算ポイント(1)住民税

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年収100万円までは掛からない

住民税は1年間の収入に応じて確定した税額を、翌年度に納税するというものなので、働き出した初年度は引かれません。逆に言えば、前年の収入に対して掛かるということなので、その点は注意しておきましょう。

個人の住民税は所得金額に比例して課税される「所得割」と、課税額が一律の「均等割」の2種類あり、合計金額が「住民税」となります。

所得割は前年の所得額に10%の税率が掛かるものです。均等割は所得金額にかかわらず、一律で課税されるもので、都民税は1500円、区市町村民税は3500円となるため、東京都の場合は5000円になります。

年収100万円の場合、給与所得控除65万円と住民税所得割の課税基準額35万円を引くと、課税所得が0円となるため、住民税はかかりません。

年収100万円以上だとどうなる?

給与が100万円以上の場合(東京都のケース)
(年間給与-100万円)×所得割10%+均等割5000円になります。

住民税は所得控除などの計算方法も含めるとかなり複雑なので、ざっくりと「年収100万円以下は税金が掛からない」「税額は給料の10%ぐらい」と覚えておくと良いでしょう。