ドンペリというシャンパンをご存知だろうか。実際飲んだことがある人は少ないかもしれないが、名前を聞いたことがある人は多いだろう。

「キャバクラなどで貢ぐための高級なお酒」というイメージも強いが、実際にドンペリの製造会社を調べると、世界的な高級ブランド「ルイ・ヴィトン」と深い関係があった。

ルイ・ヴィトンの親会社 ルイ・ヴィトン・モエ・ヘネシー

ドンペリは、ルイ・ヴィトンの傘下にある。正式には、ルイ・ヴィトンの親会社であるルイ・ヴィトン・モエ・ヘネシーの傘下にある。ルイ・ヴィトン・モエ・ヘネシーは、「ワイン&スピリッツ」「ファッション & レザーグッズ」「パフューム & コスメティクス」「ウォッチ & ジュエリー」「セレクティブ・リテーリング」という5つのセクターで構成されており、それぞれの傘下のブランドは、約70個にも及ぶ。
 

(画像=MHD モエ ヘネシー ディアジオ)
 
他に高級ブランドを束ねる会社は、フランスのケリングや、スイスのリシュモンなどが有名だ。しかし、ルイ・ヴィトン・モエ・ヘネシーは、約426億ユーロの売上、全世界に13万人以上の従業員を抱える、世界最大のラグジュアリーコングロマリットなのだ。2位のリシュモンの売上が約100億ユーロであることを考えると、ルイ・ヴィトン・モエ・ヘネシーの巨大さがわかるのではないだろうか。

ルイ・ヴィトンのワイン&スピリッツ事業

ドンペリは、ワイン&スピリッツ事業に属する。ワイン&スピリッツ事業だけでも、26のブランドを抱えており、全世界での売上は50億ユーロにも達する。
 

(画像=MHD モエ ヘネシー ディアジオ)
 
持っているブランドも、ドンペリに負けず劣らず高級なブランドばかりだ。モエ・ヘネシーの名前にもなっているモエ・シャンドンは、その中でも手ごろであり、飲んだことがある人も多いのではないだろうか。また、ヘネシーは、世界中で高級ブランデーとして知られている。他にも、ドンペリよりも高級なシャンパンとされているクリュグや、世界最高の貴腐ワインと言われているシャトー・ディケムなどが傘下にある。

このワイン&スピリッツ事業だが、日本では、ジョニーウォーカーなどを傘下に持つ、ディアジオ社とモエ・ヘネシー・ディアジオ社という合弁会社を作って、高級酒の輸入販売を行っている。

なぜ人気なのか?ドンペリの秘密に迫る

ドンペリは、正確には、ドン・ペリニヨンという名前である。創業は1668年と歴史あるメゾンであり、修道士のピエール・ペリニヨンによって作られたブランドだ。その品質が評価され、ルイ14世の食卓に並んだことで、トップクラスのシャンパンとしてその名をとどろかせた。今ではピエール・ペリニヨンは「シャンパンの父」と言われている。

ドンペリの魅力は、何といってもその品質の高さです。ドンペリは、同じ年にブドウだけを使ってシャンパンを作るが、もし、ブドウの品質が良くない場合は、その年はシャンパンを作らない。この品質に対する徹底的な拘りが、ドンペリの人気の秘訣といえるだろう。貴重なヴィンテージのシャンパンは、高値で取引されることも珍しくない。

また、高級ブランドグループの傘下らしく、クリエイティビティ溢れるキャンペーンを行うこともブランドのイメージを保つのに一役買っている。たとえば、最近はデザイナーの吉岡徳仁氏とコラボレーションし、芸術的なデザインのケースを作った。こういったキャンペーンができるのは、傘下に様々なブランドを持つルイ・ヴィトン・モエ・ヘネシーならではといえるだろう。

ドンペリが高級であり続け、人気であり続けるのは、背景に巨大ブランドコングロマリットがあり、そのブランド戦略がうまくいっている証であると言えるだろう。こういった背景を知れば、ドンペリもまた違った味わいになるのではないだろうか。

文・ZUU online 編集部/ZUU online

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