米スタンフォード教育史グループが18カ月間にわたり、米12州、7804人の学生を対象に実施した調査から、米学生の8割が「本当の情報と嘘の情報の区別がつかない」との結果が報告された。

インターネットの普及にともない過度の情報社会となった現在、子ども・成人を問わず「情報弱者」が増えている。スタンフォード教育史グループの調査結果は、インターネットに潜む危険性を的確に見抜く能力養成の必要性を示している。

若い世代は視覚的アピールに弱い?偽証ロゴにもだまされやすい

調査は2015年1月から2016年6月に行われ、ロスアンゼルスのような大都市の都心周辺部からミネソタ州郊外まで、中・高・大学生に56の質問を投げかけるというものだ。例題の情報が「真実であるか嘘であるか」を判断させ、その理由への簡潔な説明を求めた。質問内容は各年齢層が理解しやすいよう、配慮されている。

一例を挙げると、「福島原発事故の影響」というタイトルの奇形植物の写真がSNSに投稿されたという設定で、学生の判断能力を測る。454人の高校生のうち、適切な判断力を示したのはわずか20%。40%以上が「写真が何よりの証拠」と無条件に信用し、その写真がいつ・どこで・誰に撮影されたものかなどの重要な情報には、まったく注意を払っていない。

また25%は「花以外の生き物が写っていない」という理由だけで「信頼性に欠ける」と判断するなど、情報を個人的な価値観や定義のみで処理してしている。

そのほかの回答結果を総体的に見て、スタンフォード教育史グループは、「中・高生は、少しでもインパクトの強い文章や画像による視覚効果に強い反応を示す」と分析。高質の画像や洗練された文章などに基づいて信頼度を判断する傾向が強く、実際のコンテンツの内容は二の次のようだ。

情報源の特定など細部に注意を払う学生も見られるものの、同様の傾向は大学生にも見らる。例えば偽装されたFacebookのロゴなどは見ぬけなかった大学生が多い。「それらしいロゴやマークがついている」というだけで、100%確証がなくても信頼してしまう。

インターネット世代の若い層は検索エンジンやSNSなどの「情報源」をうまく使いこなしているように見えて、実際は本当に役立つ情報を探しだす能力が不足しているということになる。しかし判断能力の養成が必要なのは世代を問わず、成人も同じかと思われる。

文・ZUU online 編集部/ZUU online

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