(本記事は、白濱龍太郎氏の著書『誰でも簡単にぐっすり眠れるようになる方法』、アスコム、2017年9月3日刊の中から一部を抜粋・編集しています)

【『誰でも簡単にぐっすり眠れるようになる方法』シリーズ】
(1)スッキリ目覚めるには「最初の4時間」がポイント
(2)眠れない理由は「カラダの奥のあるもの」が混乱しているから
(3)1万人を治した睡眠の名医が教える「寝不足がアルツハイマーを引き起こす」ワケ
(4)「食欲が暴走」ダイエットに眠りが重要である明確な理由
(5)なぜ寝るとき「靴下を履く」「湯たんぽ使用」がNGなのか

※以下、書籍より抜粋

手足が冷たくて眠れないときこそ、湯たんぽは使わない

「冷え」は睡眠にとっての大敵

体温が著しく低い状態、いわゆる「冷え」に悩んでいる女性は、少なくありません。

女性は男性に比べて筋肉量が少ないため、つくられる熱量も少なく、どうしても体温が低くなってしまいやすいのです。

そして、冷えは「万病の元」ともいわれています。

体温が下がると、免疫力が下がったり基礎代謝が落ちたりして、体にさまざまな不調が生じるためですが、実は冷えは、睡眠にとっても大敵です。

冬の寒い時期に、手足の先が冷え、ふとんに入ってもなかなか寝つけない。

みなさんのなかには、そんな悩みを抱えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

人が眠りにつくとき、必ず手足から熱が放散されます。

それによって深部体温が下がり、一日中働いた脳と体が休息モードに入って、眠気が訪れるのですが、冷え症の人は血行が悪いため、手足が冷たいままで、体内の熱がうまく放散されません。

また、そもそも深部体温があまり上がらないため、深部体温が高いときと低いときの差が生まれず、眠気が訪れにくい傾向があります。

体が冷えやすく、なかなかぐっすり眠れないという人は、熱を放散しやすくするため、寝る前にぬるめのお風呂にゆっくり入ったり、血行をよくするサプリメントをとったりするとよいでしょう。

冷えや、冷えによる睡眠不足を解消しようとさまざまな方法を試すのはよいのですが、なかには逆効果になってしまうこともあります。

たとえばみなさんのなかに、「冷え症で足が冷たいから」と、靴下を履いたままふとんに入っている人、電気毛布をつけたり、足元に湯たんぽを入れたりしたまま眠っている人はいませんか?

こうした方法によって足や体を温めれば、たしかに冷えが緩和され、眠りにつきやすくなるかもしれません。

しかし、外側から温めるだけでは、体にこもった熱がうまく放散されず、結果的によい睡眠をとることはできません。

足が冷えるのであれば、ふとんに入る前に、お風呂などでしっかりと足や体を温め、ふとんに入るときには必ず靴下を脱ぎましょう。

また、電気毛布や湯たんぽは、直前まで入れておき、眠るときには使わないようにしましょう。

なお、「寝床内環境」は、睡眠の質を大きく左右します。

ふとんをかけて眠る場合、1年を通して、そのなかの温度は32~33度、湿度は45~55%であることが理想的だといわれています。

「寒いから」「足が冷えるから」といって、ふとんのなかを温めすぎるのではなく、最適な寝床内環境を保つよう心がけましょう。

また、ご夫婦が同じ寝室に寝ている場合、夏のエアコンの温度設定が問題になることが少なくありません。

筋肉量が多く体温が高い男性にとっては暑いと感じられる部屋でも、冷え症の女性にとっては寒く感じられることが多いのです。

このような場合は、先に述べた「最適な寝床内環境」を目安に、男性が女性に合わせ、エアコンの温度を少し高めに設定するとよいでしょう。

それでも折り合いがつかないときには、夏の間だけでも寝室を別にし、互いに快適な環境で眠った方がよいかもしれません。

(画像=Webサイトより ※クリックするとAmazonに飛びます)

白濱龍太郎(しらはま・りゅうたろう)
睡眠、呼吸器内科、在宅医療の専門クリニック「RESM 新横浜」院長。筑波大学医学群医学類卒業。東京医科歯科大学大学院統合呼吸器病学修了。東京共済病院、東京医科歯科大附属病院を経て2013年に「RESM 新横浜」を開設。「ジョブチューン アノ職業のヒミツぶっちゃけます!」(TBS テレビ)、「林修の今でしょ! 講座」(テレビ朝日)など、数多くのメディアに出演。「睡眠」の分野で今、もっとも注目を集める医師の一人。『病気を治したければ「睡眠」を変えなさい』(アスコム)など、著作も多数。

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