(本記事は、白濱龍太郎氏の著書『誰でも簡単にぐっすり眠れるようになる方法』、アスコム、2017年9月3日刊の中から一部を抜粋・編集しています)

【『誰でも簡単にぐっすり眠れるようになる方法』シリーズ】
(1)スッキリ目覚めるには「最初の4時間」がポイント
(2)眠れない理由は「カラダの奥のあるもの」が混乱しているから
(3)1万人を治した睡眠の名医が教える「寝不足がアルツハイマーを引き起こす」ワケ
(4)「食欲が暴走」ダイエットに眠りが重要である明確な理由

※以下、書籍より抜粋

基礎代謝を上げ、「内臓脂肪」がつきにくい体質に

睡眠が足りないとやせにくくなる

「スリムな体型でいたい」という気持ちは少なからず、誰もが持っているものだと思います。

私たちのまわりには、ダイエットに関する食品やグッズ、本などがたくさんあふれ、次々と新たなものや方法が紹介され、若い女性を中心に多くの人がダイエットにチャレンジしています。

しかし、いろいろな方法に挑戦しているのに、なかなか結果が出ないという人もいるでしょう。

そんな人に、一度考えていただきたいことがあります。睡眠をきちんととっていますか?

なぜ、こんな質問をするかというと、睡眠時間と肥満は切っても切れない関係にあるためです。

「起きている方がエネルギーを消費し、やせるのでは?」と考える人もいるかもしれませんが、それはまったくの誤解です。

信じられないかもしれませんが、寝ない人の方が太りやすいのです。

ではなぜ、寝ないと太りやすくなるのでしょう。

ひとつは、単純に長い時間起きていることで、食べ物を口にする機会が増えるということが考えられます。

夜遅くまで起きていると、夕食を食べ終えてからもついつい、夜食やお菓子などをつまんでしまうことがあると思います。これでは、起きていることでエネルギーを消費しても、摂取カロリーが消費量を上回ってしまうため、やせることにはつながりません。

しかし、実はもっと根本的な原因が存在します。

睡眠時間が足りないと、食欲をコントロールするホルモンが暴走し始めてしまうのです。

食欲や代謝をつかさどるホルモンには、レプチンとグレリンの2種類があります。脂肪細胞から分泌されるレプチンの役割は食欲を下げることです。

対して、胃から分泌されるグレリンは脳の視床下部に食欲増進と血糖値上昇の指示を出すホルモンです。

睡眠が不足するとこれらのホルモンのバランスが乱れ、グレリンの分泌が増し、レプチンの分泌が減ります。

すると、血糖値が変動しないのにおなかが減る、食べても満腹中枢が働かないといった状況が起き、食べたはずなのにもっと食べたいという気持ちがわき、食欲が増してたくさん食べてしまうのです。

その結果、体重が減らないだけでなく、逆に増加することも考えられるのです。

この食欲にかかわるホルモンのレプチンとグレリン。これらのどちらが優位に働くかは睡眠時間で決まります。

その境目となる睡眠時間は6時間だといわれています。

不規則な生活などで、睡眠時間が6時間以下になると食欲を増加させるグレリンが多く分泌されてしまうのです。

ダイエット中の人や体重の増加が気になっている人は、この事実を知った今日から、まずは睡眠時間をしっかり確保するようにしましょう。