生理休暇、失恋休暇など、ここ最近ユニークな福利厚生制度を設けている企業が増えています。いろんな制度があるのは嬉しいけれど、正直どう申請したら良いかわからない、そんな「使いづらい休暇制度」も結構ありますよね。

そこで今回は、「申請しづらい福利厚生制度」をケース別に見ていき、さらに、休暇を取りやすくするにはどうすれば良いのか考えていきます。

申請しづらい福利厚生

生理休暇

生理休暇とは、労働基準法第68条で定められた制度で、生理の症状がつらすぎて就業が著しく困難な女性に、休暇を与えるというものです。

生理休暇は、福利厚生の中でも比較的多くの会社が採用している制度です。しかし、厚生労働省の調査によると、2014年度の生理休暇の取得率はわずか0.9%。制度としてはあるけれど、実際に使っている人はほとんどいないという状況です。

取得率が低い最大の原因は、心理的な抵抗感にあります。

生理は恥ずかしいものとして見られてしまうことも少なくありません。もちろん、休暇を利用するには申請が必要ですが、自ら申請するハードルは非常に高いといえるでしょう。

また、生理の症状は個人差が非常に大きく、頭痛、めまい、腰痛などで動くのもやっとという人から、普通に生活していてもなんともないぐらい軽度の症状の人もいます。そのため、男性だけでなく、実は同性である女性社員からも理解されにくい場合があります。

失恋休暇・離婚休暇

2011年、神戸市内に6店舗を構える美容室が「失恋休暇制度」を導入したことがマスコミに取り上げられ、大変な話題となりました。「失恋休暇」「離婚休暇」などといった、社員の傷心を癒すための休暇を制度化する試みはとてもユニークで興味深いです。

しかし、実際休暇を取る側からすると、失恋や離婚などといった問題は、そもそも他人に言いたくない繊細なことでもありますよね。プライベートを知られたくない、変に心配されたくない、会社の人に気を遣われたくない、などといった理由で、わざわざ休暇を申請するのはちょっと……と思っている方も多いようです。
 

(写真=wavebreakmedia/Shutterstock.com)

有給休暇

福利厚生制度のなかで、もっとも認知されている制度であるにもかかわらず、有給休暇を取得しづらいという人は少なくありません。

2016年にエクスペディアが実施した、世界28ヵ国を対象にした有給休暇の取得率調査によると、日本人の有休消化率は50%、対象国の中で最下位という結果になっています。

休みを取らない理由の大きな要因は、日本人特有の「周囲と合わせる性質」と「真面目で勤勉な性格」からくるようです。

周りの人も取っていないし……と思うとなかなか申請する勇気が持てなかったり、休み明けにたまった仕事をこなす負担を心配して休む気になれなかったりする人が多いのかもしれません。

また、有給休暇は就労者の権利としてしっかりと法律で定められているものの、「申請しても承認してもらえない」という悲しい現実もあるのだとか。承認されないのは「他の社員が休暇取得していないのにひとりだけ特別扱いはできない」「人手不足で休んでもらっては困る」といった理由が挙げられるようです。

どうすれば申請しやすくなる?

休暇を取得しやすくするためには、まずは日頃から与えられた仕事をきちんとこなし、周囲の信頼を得ること、そして部下や上司とコミュニケーションをとり良好な関係を築くことが重要です。その上で、数日間自分がいなくても業務が回る状態になるよう、計画的に準備を進めましょう。

実際に休暇を取るときは、繁忙期は避け、万が一理由を聞かれたときでも納得してもらえるような理由をきちんと言えるようにしておくことが大切です。もし、誰も休暇を取っていない環境であれば、まずは休暇を取りたいと思っている仲間を探してみて、チームを組むと良いかもしれません。

どうしても生理休暇や失恋休暇の取得をしたい場合は、周りに理解してもらうためのコミュニケーションをとるようにしましょう。それでも、抵抗感が拭えず、生理や失恋を理由に休みたいと思ったなら、仮病を使ってでも有給休暇として申請するのもひとつの手かもしれません。

効率的に仕事を進めるためにも、ある程度の休暇は絶対に必要です。我慢して出社するのではなく、心身ともに疲れたなら、会社にある福利厚生制度を活用して休暇を取得しましょう。

文・Talei/DAILY ANDS

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