(本記事は、荻野淳也氏の著書『心のざわざわ・イライラを消す がんばりすぎない休み方 すき間時間で始めるマインドフルネス』、文響社、2018年7月2日刊の中から一部を抜粋・編集しています)
【『心のざわざわ・イライラを消す がんばりすぎない休み方 すき間時間で始めるマインドフルネス』シリーズ】
(1)心から自分を癒せる「超シンプルな方法」とは?
(2)アナタは大丈夫?服やモノが増えるのは「心が乱れている」証拠
(3)「つい食べてしまう」「ついイライラしてしまう」を止めるコツ
(4)「がんばりすぎない休み方」3つのポイントは?
(5)「忘れたいのに忘れられない失敗」をクレンジングする超カンタンな方法
※以下、書籍より抜粋
もやもやした気持ちに名前をつけて書き出す
自分を責めずに、マイナスな感情があることを認める。
心のもやもややイライラ。起こったことはしょうがないと頭でわかっていても、もやもやがループのように続いてしまうことがあります。
そんな感情に意識を向けて、言葉で「ラベル」をつけてあげることで、負のループを終わらせることができます。
「怒りを感じている」「悲しかった」など、紙に書き出したり、声に出したりして、思いつく感情を10個挙げていきます。
紙に書く、声に出す行為は、自分自身を客観的に観察するメタ認知能力を高めたり、本当の自分をあるがままに理解したりするという自己認識力を高めます。
それによって、もやもやイライラなどのネガティブな感情で霧となって見えづらくなっている、自分の本心や感情に気づくことができます。
注意したいのが、「だから私はダメなんだ……」「私がいけなかった」など、自分を責めるようなジャッジはしないこと。心の中にある感情そのものをすくい上げ、自分の気持ちを受け止めるだけでいいのです。
怒りを感じたら「シベリア北鉄道」に乗り冷静になる
自分自身が怒りにならずに、怒りを感じている自分を観察する。
ムカッとしたその瞬間、私たちは心もからだも、怒りの感情に一瞬で飲み込まれてしまっています。苛立ちをそのまま言葉にしてぶつけて後から後悔することもあります。
そんなときは私が日本でお伝えしているグーグルの人材開発メソッド「Search Inside Yourself」で紹介しているワーク「シベリア北鉄道」という対処法が有効です。
- Stop=停止する
- Breathe=呼吸する
- Notice=気づく
- Reflect=よく考える
Respond=反応する これら5つの頭文字をとった「SiBerian North RailRoad(シベリア北鉄道)」という言葉を思い出しましょう。
怒りが衝動的に走りそうなのを感じたら、まずは止まること。次に、何回か深呼吸をして怒りと距離を作っていきます。
少し冷静になれたら、今度はからだの反応や思考に気づいてみましょう。「胃がムカムカする」「肩が上がっている」など、怒りはからだのどこかに出ていることがよくあります。
「なんで私ばっかり」「むかつく!」など、頭の中の怒りの声にも、気づくことができるといいですね。
気づくことができたら、次に「なんであの人はこんなことをしたの? 私はどうして怒りをこんなに感じるの?」と、今の状況や自分の気持ちを改めて考えていきます。
また「いつも同じパターンで怒っているかも」など、過去の自分との比較をしてみるのもおすすめです。
一連の対処ができて初めて、怒りに対するアクションを取っていきます。
自分自身が怒りになるのではなく、自分が怒りを経験している、と考えて、怒りとの間に距離を取ることが大切です。